今回は 『個人年金』 についてです。

 

2000万円の件もあって、若い人で老後資金が

心配なので、民間の保険会社の 『個人年金』 を

検討されている方も多いそうです。

 

しかし、個人年金に加入するということは

老後を迎える時までの20年とか30年間、

保険料を支払う契約をするということなんです。

 

このことがどういう意味か考えてみてください。

 

3つの大きなデメリットについて書いてみます。

 

 ①低金利商品の長期契約はメリット無し

 

 ②インフレが来たらマイナス効果

 

 ③お金の自由度確保

 

 

ではそれぞれの説明を書いていきます。

 

 

①低金利の長期契約はメリット無し

 

 今の低金利で長期の保険契約を結ぶ

 ことは、避けたいです。

 

 資産運用として全く魅力がないのです。

 

 低金利は、あなたが借りる側の立場であれば、

 メリットがあります。

 

 例えば住宅ローンですね。

 低金利時代は金利の負担が小さいです。

 

 しかし保険となると、あなたの立場は借りる側

 ではなく、投資 運用してもらう立場になります。

 立場が逆転するのです。

 

 そうなると、低金利は大きなデメリットです。

 

 保険料の支払いを続ける期間、20~30年の

 長期間にわたり低金利での運用を契約して

 しまうことを意味するのです。

 

 今以上にマイナス金利が大きく拡大していく

 ことは考えにくいですので、ゼロ金利時代での

 長期の契約はメリットがないと考えてください。

 

 

 バブルの頃に契約した、個人年金保険は

 お宝保険と呼ばれているのはご存知ですか?

 

 あれはバブルの頃の高い金利、5%前後で、

 長期間の運用契約を結べているからです。

 

 保険料支払額の2倍以上の年金をもらえる

 人も多いです。

 

 ゼロ金利の今、長期既契約を結んで

 しまうと、その反対の現象が起きます。

 

 お宝保険ではなく、おんぼろ保険です。

 


②インフレが来たらマイナス効果

 

 ①の内容にも関連しますが、もし日本も

 適度なインフレを取り戻すことができたら、

 金利は上がります。

 

 欧米並みの2~3%になった時、ゼロ金利

 時代の契約は、金利はそのままですから、

 残念な事になります。

 

 もしもインフレが来た時には、あなたの払った

 保険料はどうなるでしょうか?

 

 将来の払戻金は当初の計算通りに

 支払われるでしょうが、その金額は相対的に

 目減りしたと感じるでしょう。

 

 適度のインフレが来た場合、住宅ローンの

 金利は、スムーズに上がっていくと思います。

 

 しかし、保険会社がゼロ金利で契約した

 保険商品の金利を上げてくれることはないと

 思います。(変額保険などは別ですが)

 

 「それが嫌なら、どうぞ解約してください。」

 ・・・・これが保険会社のスタンスになります。

 

 仕方がないと思います。こうなった場合、

 加入者は投資に失敗したということです。

 

 保険会社は、加入者がそのまま不利な

 保険料を支払い続けるのも、中途解約される

 ことも、どちらでもかまわないと思います。

 

 ・・・・すでに利益は取れていますから。

 

 因みに、長期の保険契約では、保険の種類と

 加入時期にもよりますが、6割以上の加入者が

 中途解約されているというデータがあります。

 

 続けても損、解約しても損・・・・。

 

 

3)お金の自由度がなくなる

 

 保険会社の営業は、銀行金利と比較して

 年金保険は有利であると説明をされると

 思います。

 

 一見、正しそうではありますが、彼らは

 長期契約をすることで、お金の自由度が

 失われるリスクについては話しません。

 

 円高がきたり、金利が上がっても契約内容を

 変えられません。効率的な運用をするの

 であれば、経済の変化に対応したいです。

 

 しかし、個人年金の長期契約をしてしまうと

 そのような自由度がなくなります。

 

 もちろん運用するお金は、あまり動かす

 べきではないのですが、

 

 経済の状況の大きな変化に合わせる事が

 投資運用では大切なんです。

 

 

 そしてまた、一定の金額は自由に動かせる

 ようにしておきたいですね。

 

 予想外の事が起きないとは言えません。

 子供の入院、家の補修、親の病気。

 自動車の修理、何が起きるかわかりません。

 

 

 保険のオプションとして支払い済みの

 保険料の何割かに当たる金額までは

 引き出しはさせてくれます。

 

 しかし自分が払い込んだお金を使うのに、

 高利を払うなんて情けないですね。

 

 

①~③の問題を解決するには次の2点を

意識されると良いと思います。

 

・保険と投資とは別と考える

 保険は必要最低限にして、投資運用の

 部分は別にしたほうが効率的です。

 

 リスクは全て加入者持ちなのに

 利益は保険屋さんと折半するなんて

 残念ですね。

 

・親の家計との連携して、お互いの家計の

 リスクを分散させる

 

 リスクをすべて保険で守ろうとすると、

 保険料が積み上がりますので、万一の

 場合は親の家計と相談できるような

 日頃より良好な関係を構築しておきましょう。

 

 保険料のせいで、貯金が全然できません。

 という事態は避けたいですね。

 

 それでは、がんばってくださいね。

 

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