ライフプランニング分野、今日からは公的年金の問題です。

年金は、難しく問題を作ろうと思えば、果てしなく難化していきます。しかし、今のところ2級技能士では基礎的な問題が多く、過去問からの焼き直しも多くあります。


最近の流れでは、老齢年金から1問、遺族または障害年金から1問の出題となっています。まずは、老齢年金からまいりましょう。

 

【繰上げ・繰下げ】

・特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢が62歳の者が、61歳で老齢厚生年金の繰上げ支給を請求するときは、その請求と同時に老齢基礎年金の繰上げ支給の請求もしなければならない。

 

・老齢厚生年金の繰下げ支給の申出は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出とは別に行うことができる。

 

これは、前回検定の問題5です。両方とも正しい選択肢です。特別支給時の繰上げの場合と、繰下げの場合とでは違うということを覚えておきましょう。

 

・老齢厚生年金の繰下げ支給による年金の増額率は、繰り下げた月数に0.5%を乗じて得た率で、最大30%となる。

 

・老齢厚生年金の繰下げ支給による年金の増額率は、繰り下げた月数に0.7%を乗じて得た率で、最大42%となる。

 

どちらが正しいかわかりますか?上は×ですね。両方とも、検定で出された文章です。このように、年金の問題では数字で誤りを作ることが多いですので、気をつけてください。

 

【老齢厚生年金の被保険者期間】

・65歳からの老齢厚生年金が支給されるためには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金保険の被保険者期間が1ヵ月以上あることが必要である。

 

・65歳以降の老齢厚生年金を受給するためには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることのほか、厚生年金保険の被保険者期間を1年以上有することが必要である。

 

これは、どちらが正しいでしょう?下は×、厚生年金保険の場合は、1ヵ月以上が正解です。

 

後は、地味に論点となりやすい問題として、


・厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、その受給権者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が28万円を超える場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。(正しい選択肢)

 

というものがあります。

上記の選択肢は、60歳~64歳の在職老齢年金の計算のことを言っているのですが、ここにある28万円というのは「支給停止調整開始額」と呼ばれます(これは覚えなくていいですよ)。

これとは別に、「支給停止調整変更額」と呼ばれるものがあって、これが昨年4月から46万円に変更されています。出題はされていませんが、法改正項目ですので、来月の検定では注意しておきましょうね。