前回の続きで、外貨建て保険のトラブルはなぜ起こるのか、銀行と顧客、双方の立場から書いていきます。まあ、実際は外貨建てに限ったことではありませんので、広く投資商品のトラブルということで考えていただいても構いません。
○銀行としては(わざと銀行寄りに書いています)
以前と違い、銀行での販売は十分に時間をかけ、丁寧に説明するようになってきました。何かというと「手数料を稼ぐために」という言い方で批判をする人がいますが、今時そんなことはありません。銀行もトラブルは避けたいですから。産経新聞の記事中では、当時の販売担当者が転勤してしまった、と逃げたような書き方?もありましたが、一時払い保険は長期間にわたる商品ですので、そりゃあ転勤することもあるだろう、と思います。
時間をかけて説明しても、お客さんは途中で飽きてきて、「円高になったら元本が割れるんでしょ、わかったから早く終わらせて!」という人も多くて困ります。それなのに、実際マイナスになったら、「ここまでのマイナスが出るとは聞いていない!」という人もいます。
○お客さんとしては(わざとお客さんよりに書いています)
定期預金の満期があったので行ってみたら、カラフルなパンフレットを持ってきて、長々と保険の説明をされたという声をよく聞きます。円高だ、円安だ、ということは言うけど、そもそもわかってない人に専門用語を使うことに問題があります。説明がずさんで(それは銀行員の知識がないのかも)、リスクも曖昧にしか言わないうえ、「定期預金の金利が低いので、少しでも運用効果の期待できるもので」、としか言えないのも情けないです。
だいたい、高齢者で外貨運用をする必要がない人に対して、外貨建て保険を勧めること自体が、適合性の原則に外れているのでは、と思ってしまいます。
さあ、両方読んでいただいてどうでしたでしょうか。
長いですが、次回に続きます。