「愛と友情の金のマドレーヌ工場」工場長松本加奈さんにお話をうかがいました。

 

「愛と友情の金のマドレーヌ」という名前を聞いただけで、どんなにおいしいマドレーヌなんだろうとわくわくしますよね。しっとりして優しいお味の、体にも優しいマドレーヌなんですよ。

実は加奈さんはマドレーヌ屋さんのほかにネイルサロンもされていて、今回はネイルサロンでお話を伺いました。

(注:写真は承諾を得て、加奈さんのFacebookなどからお借りしました。)

 

 

佐々木: 今日はよろしくお願いします。まずは加奈さんがマドレーヌに行きつくまでのキャリアというか、何をしてこられたのかから教えてください。

 

松本さん(以下敬称略): 今回は私を取り上げていただいて、ありがとうございます。私、自分の棚卸とかしたことがなかったので、とてもいい機会になるなと思っています。

 

私は家が裕福ではなかったので、結構早くから働いているんです。はじめての仕事は中学生の時、近くのパチンコ屋さんで夜お店が終わった後にお店のお掃除をすると、店長さんがポケットマネーで1,000円くださったんですね。それがお金をいただく仕事のスタートだったと思います。今だったら、ブーって感じですけれど。

 

私の父親が変わっていて「高校行くな、働け!」っていう感じだったのですが、都立高校1校だけ受験してそこに受かったらいっていいということになり、無事に合格して高校に行ったのですが、高校のお金は全部自分で払っていたんです。だから高校の時はアルバイトを週に6.5日くらいやっていました。

 

仕事でやったことに対して「頑張ってるね。すごいね」とほめていただいたことや、そこで出会う人や経験などを通して、私は早い段階ですごく仕事が好きになって、ワーカホリックっぽい瞬間もあったかもしれないけれども、嫌々ではなく、仕事がしたいと思って働いていました。

 

佐々木: 高校を出てからは、フルタイムの仕事をしたのですか?

 

松本: 卒業してからもずっとアルバイトで働いていました。社員になってくれと言われたりもしていたんですが、正社員になるという意味が分からなかったんです。朝から夜、夜から深夜とずっとダブルワークをしてたので、正社員になるという選択肢はなく、自分が興味を持ったお仕事をやっていましたね。

 

佐々木: 例えばどんな仕事をしていたんですか?

 

松本: 普通にコンビニとか飲食店とかで働いていました。ずっと立って働いていたので、20歳過ぎたころには、はぁって思うこともあって…。気が付いたら1年2年があっという間に過ぎていたんですよ。ということは、次に気がついたときには30歳になっているかもしれない、40歳になっているかもしれない。そうならないように「今のうちに自分のやりたいことをやろう」って思うようになったんです。でも忙しくてやりたいことを考える時間もなかったので、ずっと働かせていただいていた仕事を辞めることにしました。

 

佐々木: そんなに忙しく働いていたんですね。

 

松本: そう、だからアルバイトをやめた時には何をやりたいのかわからなかったんです。でも海外が好きで英語も好きだったので、「アブロード・カウンセラー」になろうと思い、ワーッと勉強して、資格を取って、海外に行く機会を作りました。

 

 

佐々木: すごい行動力ですね。「アブロード・カウンセラー」って、どんな仕事なんですか?

 

松本: 20年前って留学ブームがありましたよね。当時は海外に行くのは一生に一度の機会という人がほとんどでしたし、ものすごくたくさんのお金がかかるんですよ。だからその一度の機会を価値のあるものにするために、その人にあった学校を選んだり、現地ではその人の初めての留学をサポートしたり、日本と海外の学校との懸け橋になるのがアブロード・カウンセラーです。

 

私の仕事は、海外の語学学校や専門学校などの調査でした。先生の質とか、留学してくる生徒の国籍やレベルとか、学校の周りの環境とかホストファミリーが本当にホスピタリティがあるかなどをェックしていました。

 

佐々木: 現地に行ってチェックするんですか?

 

松本: そうです。学校にアポなしで行って、ただの一生徒のようなふりをして学校の話を聞くこともあったし、アポをとって会社の人間としていく場合もありました。

 

ある時カナダのバンクーバーのビクトリアアイランドで、偶然中学校の同級生に会ったんですよ。その学校にはアジア人留学生がいっぱいいて、見た目だけではどの国の人がわからないので最初は英語で話していたんですが、話しているうちになんか見覚えがあるなって思って“Are you Japanese?”って聞いてみたら日本人で、話しているうちに同級生だと気づいて。もうびっくりしましたが、嬉しかったです。

 

佐々木: この広い世界でそんな偶然もあるんですね。「アブロード・カウンセラー」は辞めてしまったのですか?

 

松本: 私はすごく仕事が好きで、30歳には独立したかったので、今(20代前半)から30の時には独立できるよう準備を始めようと思っていたんです。アブロード・カウンセラーは悪くはなかったのですが、もう少し可能性のある仕事がしたいなと思い始めた時に、ちょうどネイルがとても流行いたんですね。

 

バンクーバーは、中国系、韓国系、日系のカナダ人が多く、日本をリスペクトしている人も多くて、東京で流行っているものが5年くらいたってからバンクーバーで流行ことがあるんですね。なので、ネイルという仕事がすごく可能性があるなと感じたことと、私って結構器用なほうだったんで、私にもできるんじゃないかっ思わせる体験が実はあったんですよ。

 

 

当時彼が外国人だったんですが、アメリカに行ったときに、ある朝彼が「加奈ちゃん、行こう」と言ってネイルサロンに連れて行ってくれたんです。私、それまでずっと仕事ばかりしていたんで、おしゃれをすることがなかったんですね。今思えば手のお手入れといってもちゃちゃっていう雑な感じなんですが、手のお手入れをしてもらってすごく感動して心が躍ったことを覚えているんです。女性がワクワクすることってすごくいいことだなぁ、このワクワクが日常になったらいいな、って思ったんです。

 

そして別の時ですが、カナダの現地の友達が「加奈、ネイルをやってあげる。僕、とっても上手で先生に褒められているんだから」って言うんで、バスを乗り継いでその子の家まで1時間半くらいかけていったんです。ですが、2時間くらいかかって、道具も古くて彫刻刀みたいなのでぐいぐいやられて、流血させられたんですよ。終わってから、ネイルチップって言って、どんなデザインができるかのサンプルみたいなのをみせてもらったら、どえらい下手だったんですね。それをみて「オーマイガー」って思って、「これで先生の褒められるなら、私もネイリストになれるかもしれない」思ったんです。

 

佐々木: そういう経緯があって、ネイルサロンを始められたんですね。ネイリストになるには、資格はいるんですか?

 

松本: 民間資格はありますが、国家資格はありません。でもやりたい方はちゃんと勉強されたほうがいいと思います。爪とか皮膚とか人によって全然違うので、ちゃんと勉強して、いろんな人の爪を触って、自分がネイリストとしてやっていける自信が持てるかどうか確かめたほうがいいですね。

 

私も学校にもちゃんと行きましたし、あるネイルサロンで働いたこともあります。でもそこのサロンでは給与の手取りが交通費含めても12万円もなくて。私、お金を気にして働いたことがなかったので通帳とか見たこともなかったし、給与明細も見ないで捨てちゃうタイプなんですが、さすがになんかおかしいなって思いました。

 

 

佐々木: そういうところで修行というか経験を積んで、独立されたんですね。この五反田のサロンは、何年くらい前にオープンしたんですか?

 

松本: もうすぐ13年になります。でも、一般公開はせずに、自分の友達に、1か月1回楽しんでくれる場所を提供したいなと思い、ひっそりとここでやらせていただいています。

 

佐々木: 開業するときって家賃とか設備とかで、お金もかかったんじゃないんですか? それはどうやって準備されたんですか。

 

松本: 私はブランド志向でもないし、形にはこだわらないんですね。今はネイルの色もこんなにたくさんあるし、ラメもストーンの色もサイズもたくさんありますけれど、スタートした時は、5色のネイルだけではじめました。

 

私は自分が自信をもってやると決めているので何も心配してなかったんですが、周りの友達は、「加奈ちゃんが生活できなかったら困る」と思ったらしく、一生懸命足を運んでくれました。ある友達は私のサロンのチラシを会社のコピー機でコピーして、会社の人に配ってくれたっていう話を後から聞きました。紹介で来てくれた方に「何で来てくれたですか」って聞いたら、〇〇さんが会社のコピー機をふんだんに使ってみんなに配っていたんだよって。

 

 

佐々木: Facebookとか見ていても、加奈さんて本当にお友達に応援されていますよね。もちろん加奈さんは素敵な人なんだけど、どうしてあんなに応援されているのだと思いますか。変な質問ですが、、、。

 

松本: 私は、最近はマドレーヌの話をする機会も増えたのでお化粧したりしていますが、これまで40年間は化粧はしたことはないし、服装を気にしたこともなく、いつもはだしでTシャツにジーパンで、ただただ“自分の心が喜ぶこと”をやってきたんです。私の周りの友達はすごく一生懸命に働くOLさんたちが多いんですが、「こんなに自由に生きている加奈ちゃんを見ているとホッとする」とか、「そういう風に自由にしていても、生きていられるってわかってホッとする」って言っていました。

 

佐々木: ちょっと憧れるのかもしれないですね、自分の信じたことをやっている加奈さんに。私もそうなりたいけど、会社とかしがらみがあってできないから、自分の信じたことをやっている加奈さんを応援したくなっちゃう、っていう気持ちかもしれない。

 

松本: それだと思います。私は人よりもあまりいろんなことが得意じゃなかったし、上手じゃないことのほうが多いいんですよ。でもそれを、繰り返し繰り返し何回も練習してできるようになっているので、確実なものになるんです。そして、決めたことはあきらめないでやり続けるっていうところをみんな評価して、応援してくれているんだと思います。決めたことをあきらめたことはないです。

 

佐々木: なかなかそれができないんですよね。ちょっと壁にぶつかると、挫折してしまったり、あきらめてしまったり。

 

松本: 私は育った環境が良かったんだと思います。選択肢がなくて、それをやるしかないことがほとんど。または小さいころから、どっちをとるか自分で選ばなければならなかったんですよね。だから、いつも自分の心に正直になり、やりたいことを明確にして、選択してきました。結果がよくなかったとしても、本当に失敗は成功の素だと思います。そこで学ぶことがいっぱいあると思うので。

 

頭もそんなにいいほうじゃなくて、本を読むのも遅くて、人よりも優れていないことのほうが多かったのですが、だから逆に劣等感がないというか、頑張ってみんなに追いつこうと素直に頑張れた感じだったので。だから私は育った環境のおかげて強くなって今があると思っているので、よかったです。

 

佐々木: そうゆう風に思えるのは、すごく幸せですね。

 

松本: 自分の性格でよかったって思ってます。人と比べることはなく与えられた自分の環境で、最大限に何ができるかとか、楽しめるかとか。悩んだことないのって聞かれることがあるんですが、1年に1回あるかないかくらいだし、数日とか1週間とかでゲットオーバーしていく感じだと思います。

 

 

佐々木: 話は戻りますが、ネイルサロンを5色から初めて、1色ずつ増やしていくという感じで、13年たったらこんなにたくさんの色が準備されているんですね。

 

松本: みんなのやりたいに応えて、どんな色やデザインにしたいって聞いて、どんどん新しいのを増やしてきました。

 

私は爪にいいのでカルジェルという種類のネイルを使っているんですが、私は友達が求める色を作りたいと思って、色を混ぜて作っています。ただ、普通のマニキュアとは違ってすごく高いので、色を作り間違えたらそれで何百円、何千円が無駄になってしまうかもしれないんです。だから他のサロンでは、色を混ぜて作ることはやっていないと思います。

 

佐々木: 確かにネイルサロンで、お客様に合わせて色を混ぜるって聞いたことないですね。今もそれは続けているんですか?

 

松本: そうですね、お色はお作りして爪の上に載せています。お客様の指1本1本の望む色を作ると時間がかかるので、時間効率重視でやっているサロンではできないですよね。1色作って10本指全部それにするっていうならできるかもしれませんけど、10本全部違う色に変える、指の色に合わせて作るってなると、時間がかかるんです。だから色を混ぜて作るのは、個人サロンならではのプレゼントかなって思っています。

 

佐々木: そこが加奈さんのこだわりっていうか、人と違うところですね。

 

松本: そうですね。女性って色にすごく反応するんですよ。皆さん1か月に1回ネイルをチェンジしに来るんですけれど、「今日は何色にします」っていう色が、着ている服と同じことが多いいですよ。朝起きた段階から、そういうムードで来ているんですね。

 

好きな色ってあると思うんですけれど、それでも毎月、シーズンとかによって新たな自分のモティベーションがあげられる色があると思うのです。ネイルって人に見せるためにやられる方もいるんですが、手って一番目に入るところなので、自分のモティベーションアップにもなると思うんですね。そのお手伝いができることは、すごくうれしいです。だからこそ、皆さんのやりたいにこたえたいって思っているんです。

 

佐々木: それって、一番最初に加奈さんがネイルした時の、ワクワクした気持ちを、、、っていうのにつながっているですね。

 

松本: そうですね。あと私、足の角質取りだとかマッサージとかが本当に得意で、お客様から「こんなに丁寧にやってもらったことはない」って言っていただいています。それも、私自身が足のケアを初めてした時にすごく感動したんので、自分が感動したことを誰かに伝えらえたらうれしいなぁって思ってやっています。

 

佐々木: このサロンはネイルのほかに、巻き爪矯正とか、まつげのエクステとかもやっていますよね? それぞれ専門の方がいらっしゃるんですよね。

 

松本: 「困っている人がいたら助けたい。あるものはシェアしよう」と思っているので、仕事の場所を探している彼女たちに、サロンを使ってもらっているんです。ここをステップアップに、将来彼女たちが、自分のサロンを持てたらいいなって思ってます。その人の人生が輝くのをお手伝い出来たら、嬉しいですよね。

 

 

佐々木: それではそろそろ、ネイルからなぜ突然マドレーヌへっていうお話を聞かせてください。

 

松本: それが突然ではないんですよ。私はネイルをやらせていただいて、ずっと不安なく今もやってこれているんですが、東関東大震災の時に、周りのみんながすごく不安になって、なかには鬱になる友達もいたんですね。

 

ネイルに来られる友達は実際エネルギッシュなので鬱になることはなかったんだけど、ネイルでお会いしていない友達が何人も鬱になったんです。

 

「加奈ちゃんに会いたい」っていてもらったのだけど、予約が埋まっていて会いに行く時間が作れなくて、こちらに来てくれたらお茶も出すしお話しようっていうんですけれど、優しくて繊細な人だから「ネイルしないのに行くのは申し訳ない」って言われたんですね。

 

あとになってその人たちが入院したとか、田舎に帰ったとかいう話を聞いたときに、私は友達に応援してもらっているのに友達を応援できなかったとか、助けを求められていたのに助けてあげられなかったのかもしれないと思ったんですね。

 

人から私はエネルギーをもらっているので、もちろん傷つけられることもあるけれども、それでも元気をもらうから、人と接したり会うのって大切だと思ってます。鬱になる方は家と会社の往復が多かったのかなと思います。だから一箇所でも多くいく場所があったほうがいいと。

 

ネイルサロンも一つだし、友達のおうちも一つだし、習い事も一つだし、彼氏のおうちでもいいけれども、一箇所でもワクワクするような寄れる場所があったらいいなと思って、ネイルのこの場所じゃなくって、みんなが自由に行き来できる場所を作りたいと思って考えたのが、サロンの近くにつくったコミュニティスペースで「プレシャスカフェ」です。

 

 

本当のカフェではないんですね。みんなにわかりやすくて、シンプルで、楽しそうって思うイメージのところではないと人は集まらないので、カフェってつけました。

 

そこは、私のポケットマネーでやろうと思ったんですけど、場所を借りて運営するっていうのはお金がすごくかかりますので、みんなさんにサポートしてもらおうと思って、「来た人はみんな500円払って下さい。私がお茶をプレゼントします」っていうことでやっています。

 

ビジネスでやるつもりはなく、ただみんなが楽しむためのサポートとしてお金をもらおうとしても、少額でもお金をもらうのであれば、勉強してちゃんとしたものを提供したいと思って、36歳の時に赤堀製菓専門学校のカフェビジネス科に通ったんです。そこで18歳の生徒さんたちと一緒に勉強させていただきました。

 

佐々木: 毎日、通ったですか?

 

松本: 1年間、9時から3時まで勉強して、3時半にもどってきてネイルの仕事をしてました。電車に乗っている時間が20分あるので、授業が終わったらすぐに、急いでとび出て帰ってました。

 

佐々木: またダブルワークですね。それも昔から朝から夜まで働いていたから、できたことかもしれませんね。

 

 

松本: そう、なれているんですよ、そういう生活に。その学校で一番最初につくったのが、マドレーヌだったんですね。私はパティシエになりかかったわけではなく、何か一つ、みんながおいしいと驚いて笑顔になるものを作りたいと思っていたので、マドレーヌに決めたんです。マドレーヌをもっとおいしく作りたい、素材を変えるとどうなるんだろうって研究し始めたんです。マドレーヌってパサつく印象があるので、しっとりのマドレーヌを作ろうと思って。試行錯誤のうえで、今の「愛と友情の金のマドレーヌ」が完成したんです。

 

佐々木: それでしっとりしたおいしいマドレーヌになったのですね。本当においしいですよね。

 

松本: 学校の一学期から、実習の時には100個作り続けていました。そして「プレシャスカフェ」に来た方にお出ししたり、お持ち帰りのお土産にプレゼントしていたんですね。そうしたらみんながマドレーヌを売ってほしいっていってくれて、そこでマドレーヌを売るようになりました。そのうちに、1日に100個売れるようになったんです。

 

佐々木: マドレーヌ屋さんをやりたくて始めたのではなく、マドレーヌを配ってたら売ってほしいって言われたので、マドレーヌ屋さんを始めたっていうわけなのですね。

 

松本: そうなんです。全部流れに任せて、みんなの要望に応えていたら、こうなったんです。私の仕事は「目の前にいる友達を笑顔にしたい」からスタートしているんですけれど、会ったことない人も笑顔にできたらなんて素敵なんだろうと思ったです。

 

でもそれに、ネイルの仕事で得たお金を使うのは難しいから、覚悟を決めてちゃんとビジネスとしてお金が回るようやる必要がありました。みんなが喜んでお金を払ってくれて、それをプレゼントしたら、どこかで誰かが喜んでくれる優しいものでビジネスをしたくって、それならマドレーヌしかないと。マドレーヌって嫌いな人があまりいないし、みんなを笑顔にできるものだと思うんですね。

 

 

佐々木: マドレーヌで行こうと決めてから、池上の工場(お店)を始めるのには、どれくらいかかったのですか?

 

松本: 場所を探すのに1年くらいかかりました。ネイルサロンのある五反田は、家賃がめっちゃ高いんですね。1円でも多く誰かのためにと思っているのに、せっかく皆さんのやさしさで買っていただいたマドレーヌのお金が、家賃でなくなるのはすごく残念ですよね。

 

とはいえ、私は一番いい条件がそろうのを待つのではなく、期間を決めてその中でのベストを選び、スタートして、いろいろ経験つんで、自分を進化させてたいと思っているので、何年も悩むつもりはなかったのですが、バランスの取れた場所を見つけるのは大変でした。ご縁があって池上で声をかけていただいて、見にいった瞬間に、ここにしようって決めました。

 

佐々木: あそこをオープンしたのが、、、?

 

松本: ちょうど1年前(2019年)の11月13日に、「愛と友情の金のマドレーヌ工場」をオープンしたんです。

 

 

佐々木: 工場といってもカフェになっていて、そこでマドレーヌを食べたりお茶を飲んだりもできるんですよね。先日伺いましたが、とてもリラックスできる空間ですね。マドレーヌは全部で何種類つくっているのですか?

 

松本: 常にあるのは「プレーン」、「抹茶」、「チョコ」、「グルテンフリー香ばしい和マドレーヌ」の4種類で、そのほかに季節ごとの限定商品、今なら、まるごとバナナマドレーヌや超どマンゴーマドレーヌなどが追加されます。お店でも売っていますが、オンラインショップでも買っていただけます。

 

佐々木: 私はグルテンフリーが大好きです。とってもおいしいですよね。「マドレーヌ大使」っていうのがあるって聞いたんですが、それはなんなのですか?

 

 

松本: マドレーヌ大使は、定期購入というカタチで「金のマドレーヌ工場」を応援してくださる人のことです。応援してくれる大使への感謝の気持ちとして、10個につき4個のマドレーヌ、もしくはハーブティなどをプレゼントしているのでとってもお得なんです。ぜひ、大使になって応援してください。今なら【金のマドーレーヌ10個大使お試しコース一人1回まで】というのもあるので、ぜひオンラインショップからお申込みください。

 

佐々木: いいですね。私も大使になります。ところで、加奈さんは「世界一の“社会貢献マドレーヌ屋さん”になる!」とおっしゃってますが、社会貢献活動もやっているんですよね。

 

松本: 「金のマドレーヌ工場」をビジネスとして成り立たせることで、 助けが必要なひとや困っている人に、適切でかつ継続的な支援をすることが「金のマドレーヌ工場」を始めようと決めたときからのミッションなんです。

 

支援をしているのは「サンタピアップ(カンボジア語で「平和」)」とう、カンボジアのポイペト周辺の村の就学支援を中心に活動しているNPO団体です。サンタピアップを立ち上げたのが私の友人の(古川)沙樹ちゃんなんです。

 

 

そこでは、戦争の時の地雷が埋まっているなど、子供たちが安全に遊べる遊び場も少ないし、貧困で子供が心を病んでしまったり、家がなくなって寝るところもない子供もいたりするんです。そこに、サンタピアップハウスという児童館と公民館をプラスしたようなものを作ろうという活動があるんです。子供だけではなく、大人もみんな集まって何かできる場所、助け合ったり、作業ができたり、相談したりする場所を作りたいということなのです。

 

佐々木: 沙樹さんというのは日本人ですよね。

 

松本: はい、日本人で、カンボジアの人たちのことが好きで、たくさんの物を与えてもらったので、その人たちのために何かをさせもらっている、言っています。1年2年じゃなくて、もっと長いタームでカンボジアにいて、現地の人たちにやっと受け入れられたんだって、この間嬉しそうに話してました。

 

なので、私も協力したいなって思って。土地は買ってあるんですけれども、まだ建物が建っていないんですね。建物を建てるのに200万円位必要なんだそうです。

 

 

私の作るマドレーヌは、材料もオーガニックなものとか、フェアトレードで現地の人にお金がちゃんと落ちているものかということを大切にしているんですね。お金のことを気にせず作っているので、とても薄利なんです。でも、儲けるためにサイズを小さくしたり材料を変えるとかいうことはしたくない。なので、マドレーヌの売上だけで来年の春までに200万円を貯めるというのは難しんいです。

 

そこでマドレーヌとは別に、「101人プロジェクト」というのを立ち上げました。私が100万円出すので、他の100名の方は1万円ずつ出していただくという形の支援です。

 

私は今まで、最大10万円の寄付したことがあります。でも、まだ100万円はまだないんです。なので、次のステップに行くために、そして自分が言い出しっぺでもあるので、私が100万円寄付します。皆さん100名の方は1万円ずつ寄付してください、ということで101人プロじぇうとになります。みんなが1万円ずつ出すことで、みんながそこに長く係わっていこうっていう心ですね。

 

佐々木: だから101人なんですね。

 

松本: 集めたお金は、ちゃんとサンタピアップで使います。もし1万円寄付するって言う方がいたら、私が責任をもって届けます。サンタピアップのことや沙樹ちゃんのこと、カンボジアのこと、サンタピアップのある地域のことも知ってもらうために、今後も発信をしていきたいと思います興味を持った人が、負担のないようにかかわってほしいと思っています。

 

詳しくはブログにも書いてあるので、よかったら見てください。私もみんなで一緒に一つのことを支援し寄付をするっていうのは初めてなので、建物がたった時にどういう風にしたいのか、皆さんの名前をどこかにつけるとかなど、これから寄付してくださった方たちと相談しながら進めていきたいです。ほかの団体はこんなことをやっているよとか、こんなアイディアはどうかなどを教えていただいたらすごくうれしいです。

 

佐々木: あとは、これからやっていきたいことはありますか?

 

松本: 「世界一おいしい」は当たり前、「世界一の社会貢献マドレーヌ屋さん」をめざしていますので、「社会貢献てどういうことなのか。今、どういう問題が日本、そして海外にあるのか。私たちの子供の子供の世代に何を残してあげられるのか」というのを、みんなと一緒に勉強して、考えていきたいです。

 

私は「個の団体」っていっているんですが、いつも集団で同じことをするのは疲れちゃうので、みんなが一人一人独立して、助けを求めている人がいたら、助けられる人が助けに行く。いつも一緒じゃなくて、必要な時にみんなが集団になって助け合おうっていう風に言ってもます。

 

私たちは自然や地球を使わせてもらっているのに、すごくその価値は大きいのに、お金支払っていませんよね。値札が付いたものばかり意識している。でも値札が付いていないもので、素敵なものはいっぱいあるし、値札が付いていないから使い放題っていうものよくないなと。

 

今の問題がどういうもので、それが続くとどうなっちゃって、それに対して自分がどういうことができるかっていうことが、私も今勉強中で、みんなと勉強して、知って、情報交換してより良い地球だとか、よりよい場所を作ったり、みんなで楽しみ見ながらキラキラしていきたいなと思っています。

 

佐々木: 素敵ですね。話を聞いているだけでワクワクしてきますね。今日は本当にエネルギーをもらいました。どうもありがとうございました。

 

 

加奈さんは、「マドレーヌ工場」開店にあたって、クラウドファンディングで、業務用オーブン1台分の費用公募にチャレンジし、 結果的にそれ以上の資金を支援してもらったそうです。

とてもソフトな話し方の中に、しっかりと強い信念が感じられ、それが周りのみんなを引き付ける魅力なのだろうなと思いました。

 

加奈さんは、「松本加奈ばなな」とも名乗られているのですが、加奈さんのYouTubeによると、海外にいた時に、お友だちに「加奈は見た目は日本人で黄色いけれど、中身は白人みたいだから、外が黄色くて中身が白いバナナみたいだ」と言われたからだそうです。なるほど、そういうことだったのですね。

 

マドレーヌ、本当においしいので、ぜひ一度食べてみてください。そして、「101人プロジェクト」へのご参加も、よろしくお願いします。

 

 

金のマドレーヌ工場:

  東京都大田区池上7-5-9

  東急池上線池上駅出口より徒歩約7分

 

  営業時間・定休日

   火、木: 10:00~16:00

   水、日: 10:00~18:00

   イートインのみ、記載のお時間内でお願いします。

 

   定休日:月、金、土、祝日、祝前日

   定休日は、テイクアウト or 発送のみとなります。

 

 

オンラインショップ: https://kanabe003.stores.jp/

金のマドレーヌ工場のブログ: https://www.tokyogoldmf.com/

松本加奈さんブログ: https://ameblo.jp/mopreciouskana/

松本加奈さんFacebook: https://www.facebook.com/kana.matsumoto.7355

松本加奈さんYouTube: https://www.youtube.com/channel/UCb-gwQ5YDPrO2E8sX1jPxRQ

マドレーヌ大使について: https://www.tokyogoldmf.com/entry/2020/09/13/040955 

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