夫が私と手を繋ぎながら

亡くなったのは、


8月29日22時32分。


病室に泊まっていた私が

様子がおかしい事に気づいてナースコール。


緩和ケア病棟なのと、

夫が延命を望まなかったので、

心臓マッサージ等も無し。

一般病棟で行われる機械的なものも無し。


看護師さんが、

奥さんが手を握ってあげて、

一緒にお見送りしましょうと言って下さり

私の背中をさすりならが、

時計を見てくださってました。


息を引き取った後、

苦しまずに逝かれたと思います。

お2人の時間を

お過ごし下さいと退室されました。


夜なので当直の先生がお忙しく

死亡確認に来て下さったのは、

夫のお誕生日8月30日の0時半過ぎ。


夫はお誕生日が命日になってしまいました。


緩和ケアの看護師さんや先生が

お誕生日は皆んなでお祝いしましょうと、

可愛い色紙を用意してくださっていたのに、

夫は見ずに旅立ってしまいました。




亡くなると慌ただしく

葬儀の準備をしないといけません。

寝る時間も無く、打ち合わせや

会社、知人に連絡。


遺影は膵臓癌の診断をされる

20日前のクリスマスイブのディナーに

レストランに行った時の写真。



その後、抗がん剤治療で毛も抜け、

次第に痩せてきたのを気にしていたから、

この1年8ヶ月前のにしました。



棺の上に

私のアレンジメントを

感謝の気持ちを込めて作り

飾りました。








遺影で来ているセーターは

私の手編みです。


33年前の新婚時代に編んだものです。

長い間、大切に着てくれました。



夫は、余命が短い事を

理解していましたので、

通夜・告別式に来てくださった

皆さん宛に、

メッセージを私に託していました。


私の喪主挨拶の後に、

次女がそれを

代読させて頂きました。


癌の痛みと大量の服薬から自由になった今、

しばらく旅に出るそうです。

今は何処を旅しているのでしょう。



火葬場から出ると

空にこんな雲が。

 



夫が羽になって

飛んで行ってしまったようでした。


50歳代で未亡人になるとは

思いもよりませんでした。