家を買いたいときにそれが実現できるかどうかの関所のひとつが住宅ローンの審査です。
Aさんは数か月前から家が欲しいということで相談に来られていました。でも正直、住宅ローンは通らないかもしれないなと感じる状態です。
それでも家が欲しいという理由があり、ひとつだけ住宅ローンの審査を出してみます。ここがだめなら今はあきらめてもらう条件です。
ということで、フラット35にだけ出してみました。
事前審査の結果は一番困る回答の「留保」
「いいも悪いも本申込みしてから判断します」みたいな宙ぶらりんな感じです。
致し方なく?本申込みをします。
Aさんの期待を感じつつ、結果を待ちますが、ある意味、想定内の「否決」です。
要は「今は貸せません」というAさんにとっては聞きたくない回答です。
やはりというか収入に対してカードローンの残高が多すぎるのがそもそも良くありません。
本承認が取れたら、貯金をかき集めて完済はするという話でしたが、そうすると購入の自己資金が充分に確保できないので、審査もやはり厳しくなります。
フラット35の否決の連絡をAさんにした際に
「まずはカードローンを整理して、負担を軽くして家計を改善するところからやりませんか?」
とお伝えするとそうするとのお返事が。
早速、まずは3枚あるカードローンをある銀行でひとつのローンにまとめてもらいます。
正直、僕も驚きましたが、毎月の返済額がぐっと下がって、5分の1程度になります。
毎月の家計の収支がぐっと楽になるので、貯金をして自己資金を増やすという目標も考えられるようになりました。
そしてAさんからこんな報告がありました。
「小学校6年生の子供に住宅ローンダメだったと知らせた時に飛び上がって喜んでいました。購入しようとした物件だと学区が変わってしまうので、子供は嫌だったみたいです。それが住宅ローンが借りられなかったことで転校を避けられたので喜んでいました。その様子を見ていたら、今回は自分達が先走り過ぎていたと反省しました。貯金ももっと増やして、しばらく次のタイミングを探ろうと思います。住宅ローンが否決されて良かったです」
結果オーライです。
家計も楽になり、お子さんの気持ちにも気付き、家族として今はどうしなければいけないのか考える機会になったようです。
家を買うって、本当に人生を考えることです(笑)