遺言書って必要?
遺言書について何回かに分けてお話したいと思います。遺言書を書く方や関心を持つ方が昨今増えつつあるものの、自分に遺言書は関係ないとお思いの方がいまだ多数を占めているものと思われます。しかし、核家族化や単身化が一層進行する中で、これまで自らの努力やご家族の協力などにより築いてきた財産を適切に引き継いでいくために、遺言書は一つの手段となり得ます。ま た、遺言書は、たくさんの資産をお持ちの方に限った話ではありません。令和6年司法統計年報(3 家事編、最高裁判所)によると、遺産の価額で見た遺産分割事件(※)の割合は、5,000万円以下が全体の約80%、1,000万円以下では全体の約35%となっており、遺産分割に関わる訴訟・裁判所紛争はお金持ちの家庭よりもむしろ一般的な家庭で起こっているのです。こういった事態の発生を食い止めるため、また、築いてきた財産を大切な方へ適切に引き継ぐためにも遺言書は有効な手段となり得ます。遺言書には、誰に何を分けるかを記載するほか、どうしてそのように分けることにしたのかその思いを記載することができます。遺言書に遺産分割の内容とその思いを乗せることで、残される家族が遺言者の意思を理解し尊重し、円滑な資産の継承に導くのではないかと思います。※遺産分割事件:遺産分割の協議がまとまらず、家庭裁判所へ申し立てられた事件を指します(調停・審判・裁判含む)。