ファイナンシャルプランナーの茂木です。
最近のニュースで「株が下がった」「円安が進んだ」といった話を耳にすることが多いと思います。
今、市場で何が起きているのか、できるだけわかりやすくお伝えします。
① 株価の下落 - でも心配しすぎなくて大丈夫かも
10月末から11月中旬にかけて、日経平均株価が約7%下がりました。
「結構下がったな」と感じるかもしれませんね。
実は、この下落の主な原因は半導体関連の大手企業3社の株価が大きく下がったことです。
具体的には、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンという、もともと株価が高い会社です。
なぜこれらの会社の株が下がったかというと、
アメリカのAI関連企業の株価が調整局面に入ったからです。
日経平均は、株価の高い会社の影響を受けやすい計算方法なので、
この3社が下がると平均全体が大きく下がって見えてしまうんです。
ちなみに、TOPIXという別の指標で見ると、下落幅は約2.6%。
つまり、一部の大型株が下がっただけで、
市場全体が総崩れしているわけではないということです。
さらに良いニュースとして、今朝(11月20日現在になります)
発表されたアメリカのエヌビディア(半導体大手)の決算が予想以上に良かったため、
これから株価が回復する可能性が高いと見られています。
② 国債金利の上昇 - 国の財布への心配
最近、日本国債の金利が上がっています。
「金利が上がるのは良いこと?」と思うかもしれませんが、これは少し違います。
国債の金利が上がる=国債の価格が下がる=投資家が国債を売っているという意味です。
なぜ売られているかというと、
高市政権が打ち出している大規模な経済対策(最終的に20兆円規模)に対して、
「国の借金が増えすぎるのでは?」という不安が市場に広がっているからです。
例えるなら、家計でいうと
「収入はそのままなのに、クレジットカードの使用額をどんどん増やしている」
ような状態を心配されているイメージです。
高市首相も「市場からの信頼が大事」と述べています。
今後、経済対策でお金を使った後、どうやって財政を立て直すのか、
具体的な計画が示されれば、この不安は和らぐでしょう。
③ 円安の進行 - 1ドル157円台に
円の価値が下がり続けており、11月19日には1ドル=157円台まで円安が進みました。
円安が進む理由は主に2つあります
理由1:財政への不安
上で説明した「国の借金が増えるかも」という心配が、円を売る動きにつながっています。
理由2:政府が介入しないかも、という見方
財務大臣、経済財政担当大臣、日銀総裁の3人が会談した後、
財務大臣が「為替の話は特にしなかった」と発言しました。
これを聞いた市場参加者は「政府は円安を止めるための介入(市場に介入して円を買うこと)をすぐにはしないだろう」
と判断し、円を売る動きが加速しました。
今後、財務省の偉い人の発言に注目です。
「断固とした対応をとる」などの強い言葉が出てきたら、
政府が市場介入を考えているサインかもしれません。
まとめ
株: 一部の半導体関連株の影響で下がったが、全体的には悪くない。回復の兆しも見える
国債: 財政への不安で金利上昇。政府の今後の計画発表がカギ
円: 財政不安と介入への警戒薄れで円安進行。財務省の発言に注目
市場は日々動きますが、一喜一憂せず、冷静に情報を見ていくことが大切ですね。