こんにちは、ファイナンシャルプランナーの茂木です。
4月8日、アメリカとイランが停戦に合意したというニュースが流れ、
世界の株式市場は大きく上昇しました。
ところが、その数時間後にイランがホルムズ海峡を完全封鎖したと報じられ、
状況は再び混迷しています。
今日は、この急展開と、私たちが持つべき視点についてお話しします。
停戦合意で株価も原油も急変動
4月8日の朝、アメリカとイランが即時停戦に合意したというニュースが世界を駆け巡りました。
中東情勢が改善するという期待から、世界の株式市場は一斉に上昇しました。
原油価格も劇的に動きました。前日は1バレル117ドルという高値をつけていたWTI原油先物価格が、
わずか数時間で91ドルへ急落したんです。
26ドル以上、率にして20%以上も下がりました。
市場は「2週間の停戦期間中にホルムズ海峡が開放されて、タンカーが通れるようになる」と期待したわけです。
わずか数時間で状況が逆転
ところが、事態はそう簡単には収まりませんでした。
イスラエルが停戦合意後もレバノンへの攻撃を続けたのです。
アメリカとイスラエルは「レバノンは停戦合意に含まれていない」と主張しましたが、
イランは「レバノンを含む地域全体での停戦」を求めており、せっかくの合意も早々に食い違いが生じてしまいました。
するとイランは、イスラエルによるレバノンへの攻撃に対する報復として、
ホルムズ海峡を「完全に封鎖した」と発表しました。せっかくの停戦合意が、
わずか数時間で形骸化してしまったということです。
これを受けて原油価格も反発し、日本時間9日の朝には97ドル台まで戻ってしまいました。
91ドルまで下がったのに、また100ドル近くまで戻ってしまったんですね。
タンカーはほとんど通れていない
データを見ると、状況の深刻さがよくわかります。
2月28日以前、ホルムズ海峡は1日で100隻を超えるタンカーが通過していました。
ところが3月1日から通航量は激減し、4月8日の時点でもわずか3隻しか通過していません。
100隻から3隻ですから、ほぼ封鎖状態と言えます。
停戦合意のニュースが流れても、実際の通航量は全く回復していないということです。
でも、市場は長期化を予想していない?
ここからが興味深いところです。原油の先物取引には「限月」というものがあります。
簡単に言うと、「5月に受け渡す原油の価格」「6月に受け渡す原油の価格」というように、月ごとに価格が違うんです。
今、直近の5月限の価格は確かに高いです。
でも、6月限、7月限、8月限といった先の月の価格はそれほど高くないんです。
これは何を意味するかというと、
市場は「今は原油価格が高いけれど、数ヶ月後にはある程度落ち着くだろう」
と見ているということです。
つまり、紛争が何ヶ月も続くとは思っていないということですね。
実は原油価格と株価は関係ない?
ここで専門家が面白い分析をしています。
2020年から今までの約6年間のデータを使って、
原油価格と日経平均の関係を調べたところ、長期的にはほとんど関係がないことがわかったんです。
確かに短期的には、原油価格が上がれば株価が下がり、
原油価格が下がれば株価が上がるという動きが見られます。
毎日のニュースを見ていると、中東情勢で株価が上下しているように見えます。
でも長い目で見れば、原油価格だけで株価が決まるわけではないということです。
株価を決める要素は他にもたくさんあります。
企業の業績、金融政策、賃金の動き、為替レート、技術革新など、様々な要素が絡み合っています。
原油価格はその一つに過ぎないんです。
これまでのブログでお伝えしてきた、日本株の構造的な追い風、
つまり賃金と物価の上昇、企業改革、業績改善の見込みといったものは、
中東情勢とは関係なく存在しています。
大切なのは長期的な視点
この分析結果が教えてくれるのは、短期的な値動きに一喜一憂せず、
長期的な視点を持つことの大切さです。
今、日経平均は中東情勢や原油価格に振り回されて大きく変動しています。
毎日のニュースを見ていると不安になったり、株を売りたくなったりするかもしれません。
でも長期的に見れば、こうした地政学リスクは株価を決める大きな要因ではないということです。
株式投資をしている方は、短期的な原油価格の変動や中東情勢のニュースに振り回されないでください。
もちろん一時的に株価が下がることはありますが、
長期的に見れば日本株の価値を決めるのは企業の稼ぐ力であり、日本経済の成長力です。
むしろ中東情勢で株価が下がっているときは、長期投資の観点からは良い買い場になる可能性があります。
ただし無理のない範囲で、余裕資金で投資することが大切です。
これから投資を始める方は、今のような不安定な時期こそ積立投資の良さが発揮されます。
毎月定額で買い続けることで、高いときも安いときも買うことになり、
平均購入単価を抑えることができます。
短期的な値動きを気にせず、長期的に資産を育てていく姿勢が重要です。
まとめ
アメリカとイランが停戦に合意したものの、
イスラエルがレバノンへの攻撃を続けたため、
イランはホルムズ海峡を完全封鎖しました。
原油価格は一時急落しましたが、すぐに値を戻しています。
ホルムズ海峡の通航量は100隻から3隻に激減したままです。
ただし原油先物の期先価格は比較的抑制されており、
市場は長期化を予想していないようです。
また長期的なデータ分析によると、原油価格と日経平均の相関はほとんどありません。
短期的には影響を受けますが、長期的には企業業績や経済成長など他の要因の方が重要だということです。
株式投資で大切なのは、短期的なニュースに振り回されず長期的な視点を持つことです。
中東情勢は確かに不安定ですが、日本株の本質的な価値を決める要因ではありません。
冷静に、長期的な視点で投資を続けることが大切です。
状況は日々変化していますので、
重要な動きがあればまたこのブログで解説しますね。