こんばんは、赤い鯉人です。

 

今週末は、転職の最終のグループワークと面接を受けるため、

金夜20時の新幹線に乗り23時半に奈良の実家に帰りました。

 

面接は日曜日だったため、10月5日(土)は奈良を観光しました。

大和北部の御朱印めぐりも楽しんだのですが、それよりも

お目当ては、1年に1回、10月5日のみ公開されるという

東大寺勧進所の「国宝・僧形八幡神坐像」でした。

 

僧形八幡神坐像は、仏教が日本古来の神道と融合(神仏習合)した

一形態で、神様である八幡神が僧侶の風体をした像であり、

教科書にも載っている国宝・薬師寺僧形八幡神坐像が有名ですが、

東大寺・僧形八幡神坐像も仏師・快慶の作で国宝です。

元は東大寺に隣接した手向山八幡宮の御神体だったそうで、

10月5日は手向山八幡宮の例大祭であり、毎年決まって

この日だけ公開されているそうです。

僧形をした八幡神は、空海像のような雰囲気でした。

 

近くにいらっしゃった僧侶の方に少し聞いてみましたところ、

まず、僧形をしているとはいえ、八幡神なので、仏式の合掌か

神式の二礼二拍手一拝で参拝するのか、どちらかについては、

「どちらでも構いません」とのこと。

また、仏式のお経をあげているのか、神式の祝詞をあげているのか

という点については、日々お経をあげているとのこと。

そして、この僧形八幡神坐像に対してのみ唱えられる秘伝のお経

「バラバラ心経」というものがあるそうです。

興味深いお話しを聞かせていただきました。

 

この日は併せて、東大寺勧進所の中の阿弥陀堂の

「五劫思惟阿弥陀如来像」(重要文化財)、同じく公慶堂の

「公慶上人坐像」(重要文化財)も公開されていました。

「五劫思惟阿弥陀如来像」というのも有名な像だそうで、

阿弥陀如来がとてつもない時間を瞑想して過ごしたため

髪が伸びた様を表現しているそうで、「螺髪(らほつ)」と

呼ばれる仏様独特の髪型が、巨大化してアフロのようになっており、

「アフロヘアの如来様」などとも呼ばれて親しまれているようです。

私は、初めて見る様式で驚かされました。

 

そして最後は、「公慶上人坐像」です。

公慶上人は、現存する大仏様と大仏殿を江戸時代に復興した僧侶です。

大仏様と大仏殿は二度全焼しており、一度は源平合戦のさなかの

平重衡による南都焼き討ちによって、

そしてもう一度は戦国時代に、東大寺に陣を張る三好三人衆に対し

松永久秀が夜襲を仕掛けて焼け落ちました。

大仏殿は全焼したものの、大仏様は焼け残って、若き日の公慶が

自分は傘を差しているのに、大仏様は雨ざらしになっているのを見て、

生涯を掛けて大仏様と大仏殿の復興をしようと思い立ったそうです。

学識豊かな僧侶に成長した37歳の頃、江戸幕府に大仏様の復興を

願い出て許されたものの、江戸幕府から資金的な援助は得られず、

自ら「大勧進」(だいかんじん=寄付を募る役目)となり寄付を募り、

その活動をならまちの町人達も支援し、やがては朝廷も支援して

支援の輪が広がり、公慶上人が45歳の時に大仏様は復興されました。

公慶上人は休む間もなく今度は大仏殿の復興の「大勧進」となり、

今度は、将軍徳川綱吉とその母・桂昌院の支援を得て復興を

進めましたが、その完成を見ることなく58歳で病死されました。

その偉業は公慶の弟・公盛によって、公慶の死の3年後に完成しました。

現在、我々が奈良の大仏を参拝することができるのは、

生涯を捧げて復興に尽力した公慶上人のお陰であり、

「公慶上人坐像」からはその意志の強さと慈悲が感じられました。

 

-----

さて、ここからは大和北部八十八ヶ所の札所めぐりの話です。

(この日記の前まで、15/88か寺:

  1,2,3,4,6,7,8,9,10,16,18,19,62,80,88番)

 

大和北部八十八ヶ所には、第12番として東大寺の塔頭である真言院が、

番外札所として東大寺戒壇院が含まれています。

東大寺というと、どうしても奈良公園側の南大門(鎌倉時代・国宝)から

入って、大仏殿を参拝し、少し足を伸ばして二月堂から奈良市内を

眺めるのが観光ルートとして一般的なように思いますが、

ほかにも様々なお堂などの建物が存在します。

 

 

今回は、転害門(奈良時代・国宝)から入り、観て回りました。

転害門から入って突き当たりを左折し、正倉院を回り込むような

辺りに第14番の空海寺があります。弘法大師が東大寺別当職の折に

住した草庵が寺院となったものだそうです。

ガイドブックでは「要予約」となっていたので、事前に電話で

「御朱印を頂ける」旨を確認してお伺いしたのですが、

寺務所には「御朱印を始めませんか」といった案内も

掲載されていたので、予約なしでも随時受けていただけそうな

雰囲気ではありました。

 

(正倉院の辺りで鹿の家族が草を食んでいました。子鹿がめんこい。)

 

 

(第14番・空海寺)

 

正倉院(の敷地の柵)のところまで戻り、直進すると大仏池があり、

突き当たりを左折して大仏殿の方に向かう途中で右折すると

「勧進所」があります。

勧進所を回り込むと、番外札所・東大寺戒壇院があります。

奈良時代に唐僧・鑑真を招いて戒律を授けた場所だそうです。

天平彫刻の傑作として名高い、国宝・四天王像を参拝できます。

 

(番外札所・東大寺戒壇院)

 

その後、大仏殿まで出ると、大仏の入堂口には行列がありました。

外国人観光客の方が非常に多く、オーバーツーリズム気味な

ようにも思いましたが、大仏様は奈良で一番の観光スポットでもあり、

致し方ないところです。

 

大仏殿から南大門に向かう参道の途中で右折したところに、

東大寺の塔頭の一つ真言院があります。

弘法大師が東大寺別当職だった時に東大寺の境内に真言宗の道場を

建立したのが始まりだそうです。

ガイドブックでは「通常非公開」となっておりますが、

門前にインターホンが2つあり、それを押して、

「大和北部八十八ヶ所の御朱印めぐりをしておりますが、

御朱印を頂くことは可能でしょうか」と伺ってみたところ、

境内に招き入れていただくことができました。

静かな境内ですので、丁寧な姿勢で静謐を乱さないように

することが必須だと思います。

 

(第12番・真言院)

 

その後、南大門から奈良公園側に出て、

近鉄奈良駅で職場のメンバーへのお土産に、天極堂の葛もちを

購入して帰路に就きました。

-----

そして、今日10月6日(日)には、転職のグループワークと面接を

受けてきました。グループワークも面接もうまくいって、

実力は出し切ることができたと思います。全く悔いはありません。

合格発表は16日(水)なので、運を天に任せたいと思います。

 

さて、今週も忙しい1週間になりそうです。

心身の健康に気を配って、頑張っていきましょう。