こんばんは、赤い鯉人です。

12月30日~1月2日の日程で、奈良に帰省をしてきました。

その際に、少しだけ大和北部八十八ヶ所の札所巡りをしましたので、

その際のことを書かせていただきます。

(この日記の前まで、6/88か寺:1,2,3,4,16,80番)

 

12/30は、東京駅を朝7時過ぎに出発する新幹線に乗りました。

のぞみ号は年末年始は全席指定で運行されており、満席でした。

9時20頃に京都駅に到着し、最近は、ならまちのお寺を

回っているので、近鉄ではなく、JRみやこ路快速でJR奈良駅に

向かいます。

 

JR奈良駅からは、奈良の目抜き通りというべき「三条通」を

進んでいって、やすらぎの道と交わる「上三条町」交差点を右折。

「子守明神」と名高い率川(いさがわ)神社の少し先に

第10番の伝香寺があります。戦国大名・筒井順慶の菩提所です。

 

 

手前が本堂(重要文化財)で、奥が地蔵堂です。

 

歴史的に大和守護は興福寺が務め、筒井氏はその武力を担う衆徒でしたが、

やがて興福寺の力が衰退すると、衆徒の中から大和四家(筒井氏・越智氏・

十市氏・箸尾氏)と呼ばれる勢力が割拠したようです。

やがて大和は松永久秀の勢力下となり、筒井氏も苦難の時代を

味わいましたが、やがて織田信長の傘下に入り、松永久秀を滅ぼして

大和の大名としての地位を確立しました。

しかし、順慶は弱冠36歳で亡くなり、その死を悲しんだ順慶の母が

伝香寺を建立したとのことです。

筒井順慶は、武芸のみならず、文化・教養にも秀でていたといわれ、

早すぎる死が惜しまれます。

 

境内は、幼稚園の園庭にもなっていて、大和三名椿(伝香寺・

東大寺開山堂・白毫寺)に数えられる椿が有名です。

御本尊は釈迦如来で、本堂の隣には地蔵堂があり、

「はだか地蔵尊」として親しまれる地蔵菩薩立像(重要文化財)が

安置されています。裸形に袈裟を纏っていて、

1年に1回、住職が袈裟を交換されるとか。その古い袈裟を

切り刻んで、お守りに入れて、参拝者に分けているのだという

お話を聴かせていただきました。

 

参拝客の御案内は、シルバー人材センターの方が担当されていて、

書き置きの御朱印に、日付を記載して分けていただきました。

大和北部八十八ヶ所の札所巡りでは、御朱印を頂いたり、拝観を

させていただくのに、予約が必要な寺院も多く、このように

常時対応いただけるのは大変ありがたいことです。

 

さて、伝香寺を後にして、お昼ごはんを頂きます。

三条通に戻って更に進むと、近鉄奈良駅から続く「東向き商店街」と

その先の「もちいどの商店街」の間を抜けて、猿沢池・興福寺へと

続いていきます。その猿沢池にほど近いところに、

すき焼きレストラン「喜つね」があります。

 

良からぬ注目を集めてしまった、鳥羽周作氏の「sio」の系列店

とのことですが、お店の雰囲気も良く、伝統とモダンさを感じさせ、

店員さんも柔らかい言葉(奈良の言葉?)を話してくれます。

お揚げは山﨑商店さん、七味も(お店の名前を忘れてしまいましたが)

こだわっていて、非常に好感が持てるお店でした。

喜つねすき焼き重(3080円)というのを頂いたのですが、

さっぱりとした酢飯とお肉の脂がちょうど良い具合で、

甘辛く煮たお揚げも非常に美味しかったです。

 

モダンで落ち着く店内。個室も多く、使い道がありそうです。

ランチも予約ができるようで、予約をした方が賢明だと思います。

 

喜つねすき焼き重(3080円)

酢飯の上にすき焼きのお肉を載せ、甘辛く似たお揚げが覆っています。

 

デザートの酒粕アイスの最中。ほんのり酒粕の匂いが美味でした。

 

 

お店を後にして、ここからならまちに向かいます。

この日は年末も押し詰まった12月30日でしたので、

普段は随時、拝観や御朱印を受けていただける寺院でも

1月4日までは拝観や御朱印が中止になっておりました。

 

もっとも、こちらが無茶な日取りでお伺いしておりますので、

御朱印巡りは一期一会というか、空振りに終わっても、

それも1つの思い出として味わいたいと思います。

(訪れたお寺の1つ、十輪院さんでは、朝の作務と勤行に

参加させていただけるという案内がされていて、

今度、早起きして参加させていただこうと思いました。)

 

ならまちを後にして、第8番の新薬師寺に向かうことにしました。

ならまちからでも15分か20分ほどで歩くことができます。

 

「新薬師寺」と聞くと、新しそうな名前ですが、奈良時代に

聖武天皇の后である光明皇后が創建したとされる古刹です。

かつては南都十大寺に数えられるほどの巨大な伽藍を誇りましたが、

奈良の他の多くの大寺院同様、災害などで衰退しました。

しかし、東大寺や興福寺から少し距離があるためでしょうか、

兵火を免れて、奈良時代に建築された国宝の本堂を今に伝えています。

 

東大寺や興福寺と行った観光の中心から少し離れた高畑に位置しているため、

落ち着いた雰囲気の中でお参りできます。

 

国宝の本堂

 

拝観料や御朱印代を券売機でお支払いする近代的なシステム

 

国宝の本堂の中には、国宝の御本尊・薬師如来像が鎮座し、

御本尊の周りに国宝の十二神将像が配置されており、

不思議な空間が広がっています。

 

国宝・十二神将像は特に名高く、「伐折羅大将」は500円切手に

採用されたこともあり、目にしたことがある方も多いと思います。

 

その後は、新薬師寺を後にして、近鉄奈良駅に戻り、

職場の係のメンバーにお土産を購入して、実家に帰りました。

年末の押し詰まった中でしたが、ひとときの楽しい時間でした。