昨日、某地上局による、2007年3月13日に高知空港で発生した、全日空1603便(運航は当時のエアーセントラル:現ANAウイングス)の胴体着陸事故についての特番がありました。

 

※放送の画面キャプチャはYoutubeより。

 

 

※同時に放送された、「御嶽山火山噴火」と「JR福知山線脱線事故」については触れません。

 

▼「Youtube動画:2007.3.13koutchi」

事故発生当日に放送された中継映像。特番の放送局ではなく、某国営放送の中継と思われます。

 

乗員四名、乗客五十六名に怪我人が発生するなどの大きな事故にもならず、当時の同便機長の操縦とクルーの対応には拍手を送りたいと思いますが、一方で「世紀の実録ドキュメンタリー!」と称して放送された番組内容については、ネット上での辛らつな意見が散見されます。

 

(もちろん、この番組で本件事故の詳細を知り、パイロットやクルーの対応に感動した!など、肯定的な意見もネットにはあります)

 

ネットに渦巻く?、「“巻き戻し”やCM、予告が多過ぎる!」などという、放送姿勢そのものにはあえて触れませんし、「実機とはシートの配列が違う(番組では3×3席、実際には2×2席)」など、マニアックな意見には、「ちゃんと飛行機のキャビン(737?)を再現してたので、まだ、良いほうでは?」と思うfoxtwoですが、CAさんの制服がリアルだったのに、パイロットを演じる俳優さん達がパイロットシャツではない普通のワイシャツ姿で、肩章もウィングマークも付けていなかったことには、大いに違和感を禁じ得ませんでした。

 

 

放送局の公式サイトでは「完全ドラマ再現!」と煽っておきながら、あれでは、どちらが機長か副操縦士か分からないし、パイロットというより、ただの“サラリーマン”がデスクワークをしているようにしか見えませんでしたが・・・。(^_^;)

(某局衣装部にパイロットシャツがないとは思えません。まあ、「なんでショルダーハーネス掛けてないんだ~!!」と突っ込むのはやめておきます(笑))

 

▼「Youtube動画:コックピット  DHC8」

恐らく「エアーニッポンネットワーク(全日空1603便を運航していたエアーセントラルの前身)」と思われるコクピット映像。パイロットシャツの肩には機長(金筋4本)と、副操縦士(金筋3本)の肩章が見えます。

 

カナダが製作し、ナショジオで放送されている、同じような航空事故ドキュメンタリー番組の、「メーデー!(原題:AIR CRASH INVESTIGATION」)」シリーズと比べ、さすが“航空後進国”が製作した番組だなぁ~と、残念な気持ちになったのはfoxtwoだけでしょうか?

 

製作費が桁違いに違うと思うので、「特番」と比較するのも気の毒なのですが、「メーデー!」シリーズは、リアルな再現映像とCGに加え、実際に事故やインシデントの当事者であるパイロットや乗客、また、事故調査にあたった調査官が証言するなど、ドキュメンタリーの枠を超えた、貴重な映像記録と言えます。

 

▼「Youtube動画:Air Crash Investiation 2017 [Promo Trailer]」

 

一方で、局や製作会社を問わず、“航空後進国”で製作されるこの手の番組は、「ドキュメンタリー」として真実や真相を伝えようとする姿勢が感じられず、せっかく手間をかけて製作されたCGや俳優さん達の演技も無視するような、オーバーなナレーションや演技指導など、ただ、視聴者をハラハラドキドキさせて視聴率をかせぎたいという、極言すれば“低俗”な「娯楽番組」の類いにしか見えません。

 

(全日空1603便の乗客が身内にいるとの方が、「(放送された番組みたいに)こんなに乗客荒れてなかった・・・」とのネット情報も。たしかに、再現ドラマの乗客がのたまう、「機長出て来い!!」のセリフはあんまりだよね~。)^^;

 

もう日本の民間放送では、優れた航空ドキュメンタリーが製作されることはないのでしょうか?