2011年9月6日に発生した、B737-700型:エアーニッポン(NH)140便によるインシデント(異常運航)に関する、foxtwo独自考察の第五弾となります。
今回は、2012年8月31日に国土交通省 運輸安全委員会が公表した、「エアーニッポン株式会社ボーイング式737-700型 JA16ANに係る航空重大インシデント調査について(経過報告)」を基にした、インシデントの再現、二回目となります。
▼【You Tube動画:Co-pilot error causes ANA plane to plunge - 29Sep2011 】乗員乗客117名を乗せたB737-700型機が、一時、機体がほぼ裏返しとなる重大インシデントを起こした
(NHK WORLDより:英語)。
※今回のテーマはインシデントの当事者を批判するものではありません。インシデントの考察を通して、航空安全への理解と意識を高めようとすることが目的です。
●過去の考察はこちら(別窓で開きます)
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その1)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その2)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その3)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その4)】
-----------------------------------------------------------------
前回は、副操縦士がドアスイッチと間違えてラダートリムを誤操作したため、オートパイロットがエルロンで右旋回、誤操作したラダーが左旋回という、異常な飛行状態にNH140便が陥ったシーンまでを考察しました。
▼クロスコントロール。(イメージ:MSFS2002より)

この異常な操舵状態(クロスコントロール)の結果、オートパイロットの操舵力より、副操縦士が誤操作したラダーの操舵力が上回っていたために(理由は前回、詳述)、右バンクでオートパイロットに設定された飛行コースを辿るべきNH140便は22時48分36秒、反対方向の左へのバンクに入り、正規の飛行コースから逸脱し始めました。
ここが、NH140便が通常運航から、重大インシデントに至る瞬間でした。
「経過報告」を元に、foxtwoの考察も絡めた再現を続けます。
【インシデント発生!】
22時48分43秒:
突然、コクピットにGPWSの合成音声「バンクアングル!バンクアングル!」という警告音が鳴り響きました。
このアラートは、左右のバンク(ロール)角が35度以上という、通常の運航では使用しないような、過大な傾斜角であることを警告するもので、現用のエアライナーでは標準装備となっている、GPWS(対地接近警告システム)の機能となります。
▼【You Tube動画:REAL TEST BOEING EGPWS 】
ボーイング-エアライナーのEGPWS(発展型のGPWS)アラート音のデモ。バンクアラートは37~38秒のサウンドとなります。
22時48分45秒:
機長を入室させようとして、(ドアスイッチと間違えて)ラダートリムを操作しながらドア外部モニタを注視していた副操縦士は、この警告音を聞いて反射的にPFD(姿勢指示器)に目をやり、機体が意図しない左バンクに入っていることに気がついて(しかもバンク角はどんどん深くなっていた)、慌ててコントローホイールを掴んで修正のため、急激な右操舵をあてました。
それは実際、操舵輪の回転角が右97度という、ホイールの握りが垂直を通り越すほど大きな操舵で、それまで副操縦士が、機体の異常な姿勢変化に気付かなかったことを裏付けているものと、foxtwoは考えています。
▼B737-700型のドア外部モニタの例。画像はセンターカメラ(天井からコクピットドアを見下ろすアングル)の映像で、画面下がコクピット、画面上がキャビン方向となります。
NH140便の副操縦士は機長がなかなかドアを開けないために、この映像に執着してしまった可能性があります。

【You Tube動画:HD Cockpit Scenes - 737 Start Up】より
バンクアングルアラートが鳴った時に副操縦士が、センターパネルのドア外部モニタを見ていたというのは、あくまでfoxtwoの推測に過ぎませんが、「経過報告」が分析したDFDRの記録によると、アラートが鳴った時には、副操縦士がドアスイッチと誤認していたラダートリムから手を放した直後だったため(アラートが鳴ったためにトリムから手を放した可能性もあります)、モニターを見ていたという推測が成り立つものと考えています。
▼B737-800型のコクピットで、700型もほぼ同じレイアウトとなります。ドア外部モニタは、飛行計器パネルより下にあるのが分かります。

737-700型のインストルメントパネルのレイアウトから考えると、センターペダステルのドア外部モニタを注視していると視線が下がるので、副操縦士パネルはもちろん、機長パネルのPFDも周辺視野の外になるため、機外が漆黒の夜間飛行では、機体の姿勢を知るすべがありません。
唯一、センターパネルのスタンバイAI(予備の姿勢指示器)が視野に入っていた可能性がありますが、これはPFDの¹/₄ほどの大きさなので、注視しない限り、バンク角を把握することは難しかったでしょう。
また、右バンク3度からアラートが鳴る左バンク35度まで、約15秒かかっているので、毎秒約2.5度という緩やかな姿勢変化では、体感で逆バンクに入ったことに気付くことも困難であったものと思われます。
【CWSモード】
副操縦士がコントロールホイールを右へ操作したことで、オートパイロットはLNAVモードから、CWS/R(ロール)モードに移行しました。
それまで設定されていたLNAV/VNAVモードでは、方位、高度、速度の全てをオートパイロットが担いますが、CWS(Control Wheel Steering)モードでは、オートパイロットを解除することなく、パイロットが自動操縦システムをオーバーライドする(手動操作を優先させる)ことが可能となります。
また、パイロットが操縦装置から手を離した後も、パイロットのインプットをオートパイロットが保持してくれるので、パイロットのワークロードを大幅に軽減してくれるモードといえます(「B737E-Automatic_Flight:Boeing Company」)。
※パイロットのインプットがオートパイロットの操舵限界を超えた場合には、自動的に限界値まで舵を戻すように動作するようです。
▼B737-NGのオートパイロット操作パネル。上二つの四角いボタンが「CMD」ボタンで、下の二つが「CWS」ボタンとなります。NH140便はこのボタンではなく、副操縦士の操作がきっかけとなって、CWSモードに移行しています。

【You Tube動画:HD Cockpit Scenes - 737 Start Up】より
なお、「経過報告」によれば、LNAV/VNAVモードから、パイロットの操作によってCWSモードに切り替わった場合には、オートパイロットのモードボタンでCWSモードを選択した場合よりも、操舵により大きな力を必要とすると説明されています。
また、オートパイロットがいったんCWS/Rモードに移行すると、自動的にLNAVモードに復帰することはないため、この時点からNH140便の横方向(ロール)の操縦は、副操縦士が主導権を握ることとなりました。
▼左バンクに入り始めたNH140便。(イメージ:MSFS2002より)

副操縦士が大きく右操舵したタイミングで、NH140便の機首が更に下がり始めました。
「経過報告」はこの原因について何も触れていませんが、もともと後退翼機で釣り合いのとれないラダー操作を行えば、ヨーイング方向へ機首下げが起きますし、空気の薄い高々度でのクロスコントロールも、機体の抗力を増加させることとなって、結果的に機首下げを招いたのかも知れません。
この時点で、オートパイロットのVNAVモードはまだエンゲージしたままでしたが、コントロールホイールの引き2度は、既にVNAVモードの作動限界であり、下がり続ける機首を立て直すことはできませんでした。
もはやオートパイロットの自動操作だけでは、NH140便の異常な姿勢変化を食い止めることは不可能だったのです。
【修正できなかった左バンク】
22時48分46秒:
コントロールホイールを急激に右へ操舵した一秒後、副操縦士は右ペダルを踏み込み、釣り合い旋回で機体の姿勢を立て直そうとしましたが、あいにく、自らが誤操作した左トリムの操作量が過大だったために、ラダーは半分程(左2.8度)しか戻らず、エルロンが右バンク、ラダーが左バンクという、クロスコントロール状態を解消出来ませんでした、
この時のNH140便は、左バンク実に80度という、機体がほとんど垂直に近い姿勢となり、揚力が急速に失われつつありましたが、副操縦士の右操舵の効果が現れて、バンク角は回復し始めました。
▼垂直バンクに陥るNH140便。(イメージ:MSFS2002より)

ここで次の警報、スティックシェーカーが作動しました。
これは、機体が失速の危険にあることを、音やライトではなく、コントロールホイールを激しく振動させることによってパイロットに伝えるもので、火災警報と並んで、最もパイロットに緊張感をもたらす警報装置といえます。
▼【You Tube動画:Stick shaker stall warning Boeing 737 MPS Flight simulator 】
737-800:フライトシミュレータのデモ。これならパイロットが居眠りしていても、気がつきますね(以前、某国営放送で長距離便のエアラインパイロットの多くが居眠りを経験した事があるとのショッキングな報告がありました)。
DFDRの記録から、この時のNH140便の速度は巡航中の220ktから、わずかに10kt程度低下したに過ぎず、また、B737-700型の失速速度(離着陸時には150kt(時速km)程度)を遥かに上回っていたはずでしたが、高高度での空気密度の低さと、過大なバンク角のために、失速速度が高くなっていた可能性が考えられます。
22時48分48秒:
スティックシェーカーの警告に驚いた副操縦士は、大きく右操舵していたコントロールホイールを慌ててニュートラルの位置まで戻し、同時にホイールを押し込んで、機体の失速を防ごうとしました。
通常、機体がバンクしている状態で失速警報が鳴った場合のリカバリ操作は、機体を水平にしてから機首を下げ、同時にスラストレバーをアドバンスすることですが、本インシデント中、オートスロットルは終始エンゲージされたままで、副操縦士がスラストレバーを操作した形跡はありませんでした。
22時48分51秒:
副操縦士がコントロールホイールをニュートラルに戻したため、せっかく右の修正操舵で水平に戻りつつあったNH140便の左バンクは、50度までの回復を境に再び増加し始めました。
空気密度が低くて舵の効きにくい高高度で、これだけの異常姿勢を回復させるには、制限荷重の範囲内での思い切った修正操舵が必要だったものと思われますが、スティックシェーカーの警告が、副操縦士に大きな操作をためらわせたことに疑いの余地はなく、その後のホイールの操作角度は右35度という中途半端なもので、異常な左バンクを止めるには不十分な操舵量でした。
22時48分52秒:
副操縦士がラダートリムを右(中立方向)に操作しましたが、ラダーペダルに自らの踏力がかかっていたため、実際にはラダーが動くことはありませんでした。
22時48分53秒:
NH140便のロール角は、ついに垂直を通り越して左バンク100度を超え、機首も30度あまり下がって、機体がほぼ裏返しとなり、揚力ベクトルが下向きとなって、急速に高度を失い始めました。
▼機体が垂直を通り越し、さらにバンクを深めるNH140便(イメージ:MSFS2002より)。

22時48分56秒:
ここで、副操縦士がコントロールホイールを押し込んだことによって、VNAVモードがオフとなり、CWS/P(ピッチ)モードがオンになりました。
これで副操縦士は機体のロールだけではなく、ピッチもオートパイロットをオーバーライド出来るようになり、事実上、NH140便の窮地を救うのは、副操縦士の回復操舵だけとなりました。
また、機体の降下による速度の増加に対抗して、オートスロットルが推力を絞り始めましたが、ほとんど裏返しとなったNH140便の降下速度は、そのような消極的な手段では減速させることは不可能で、速度は容赦なく上がり続けていました。
▼インシデント中、最大傾斜角となったNH140便(イメージ:MSFS2002より)。満席近いジェット旅客機がこのような姿勢になるとは、想像も出来ませんでした。

この時点でNH140便のロール角は、左バンク131.7度と、本インシデント中の最大傾斜角を記録しましたが、幸い、これ以降は副操縦士の回復操作で、バンク角は減少に向かうこととなります。
▼左バンク131.7度のNH140便の機長側コクピット(イメージ:MSFS2002より)。仮に日中だとしたら、このような眺めだったはずで、前方は海面しか見えません。PFDも地面を表すブラウン一色で、通常の運航ではありえないような姿勢表示となっています。

機体は背面姿勢から回復しつつありましたが、機首下げは-35度と、本インシデント中の最大機首下げ角を記録してしまいました。
また、DFDRの記録によるとこの時点で、NH140便の高度は39,000フィートを切り、さらに降下を続けていました。
▼左バンク最大傾斜角のNH140便のPFD(イメージ:MSFS2002より)。実際のPFDのピッチ角表示限界は±80度で、プラス30度とマイナス15度のピッチスケール上に緑色のリミットマーカーがある。±30度を超えるとピッチスケール上に赤い矢印が現れて、ピッチ角を緩めるように警告する仕組みで、NH140便はこれが表示されていたものと思われる。

22時49分00秒:
副操縦士がコントロールホイールを引いて、機種上げ操作を始めました。この回復操舵は同分26秒、機首が+8度(ほぼ水平飛行の機首角度)となるまで、数回に渡り続きます。
また、降下する機体を引き起こすに連れ、機体にG(垂直加速度)がかかり始め、失速速度が高くなった影響なのか、スティックシェーカーが再び、断続的に作動しました。
22時49分02秒:
バンク角が左25度まで回復しましたが、水平までは戻らず、このバンク角付近で不安定なロール角のままの降下が続きます。
▼急降下から機体を引き起こした直後のNH140便。(イメージ:MSFS2002より)

22時49分03秒:
副操縦士の引き起こし操作にもかかわらず、機体の高度は38,000フィートを通過してなおも下がり続けており、位置エネルギーが速度に変換されることによる増速も加わり、NH140便の対気速度は737-700型機の超過禁止速度:マッハ0.82を越えました。
22時49分04秒:
引き起こし操作につれて増加していたG(垂直加速度)が、737-700型機の制限荷重となる2.50Gを越え、同09秒には本インシデント中最大値となる2.68Gを記録しました。
これは体重60kgの人が、約160kg以上の重さで座席に押し付けられている計算となり、耐G訓練も受けていない乗員乗客にとっては、未知で苛酷な状況となります
(客室乗務員二名の怪我人は、この頃発生したものと推測されます)。
22時49分05秒:
超過禁止速度を越えたことによりオーバースピードワーニングが二回作動しましたが、この頃より、副操縦士の回復操作によって降下率も徐々に緩くなり、それに連れて速度も、ゆっくりと250kt付近まで低下し始めました。
▼【You Tube動画:767-200 overspeed 】
B767-200のテストフライトの様子で、オーバースピードワーニングの動作チェックと思われます。アラートの鳴動を確認後、パイロットがスロットルを戻し、スピードブレーキをアームして、機体を減速させようとしています。
22時49分16秒:
機体の降下が始まってから20秒余りたち、高度35,000ft付近でようやく機体の降下がほぼ収まりました。
【回復操作】
22時49分40秒:
副操縦士がラダートリムを修正する方向(右)に操作しました。この後、トリムの修正操作は数回に渡り、断続的に行われます。
22時50分11秒:
機長が自身の解錠操作により、ドアを開けてコクピットに戻りました。また、DFDRによると、この直後から機首のピッチ角がプラスに転じていることから、早い段階で機長のテイクオーバーが始まったものと思われます。
22時50分38秒:
オートスロットルが、ついでオートパイロットが解除され、「経過報告」によれば、ここで機長が操縦を交代して、パイロットが機体を完全に掌握しました。
この時、NH140便は高度約36,000フィート、速度約250ノットの、ほぼ水平飛行の状態で、飛行計画で予定されたルートとは反対方向となる、西に向かって飛行していました。
▼NH140便のインシデント航跡図(イメージ:MSFS2002より)。左バンクの影響で飛行コースがほぼ反転しています。なお、分かり易くするために航跡はノンスケールで、実際の飛行コースの幅は、図の約半分ほどとなります。

22時50分43秒:
機長がオートパイロットの再設定を行う一方、副操縦士が東京ACCへ現在高度とヘディングの維持を要求しましたが、異常な降下など、インシデントに関するリポートは行われませんでした。
22時51分49秒:
LNAVモードがエンゲージされ、NH140便は右旋回で、元の飛行コースへ戻り始めました。
22時52分07秒:
副操縦士が東京ACCへ現在の高度(36,000ft)を維持したまま、当初指示された、PQE(館山VOR/DME)へ向かうことを報告しました。
22時52分13秒:
オートスロットルがオンとなり、NH140便はインシデント発生前の飛行形態に、完全に復帰しました。
なお、「経過報告」に添付されたDFDRの時間軸は、22時53分までしか記載がありませんが、旋回率を考慮すると、NH140便が元の飛行コース(ヘディング)に戻ったのは22時54分頃と推定されます。
23時半頃:
NH140便が無事、東京国際空港に着陸しました。
▼東京国際空港に無事にランプインしたNH140便(JA16AN)。

You Tube動画「Co-pilot error causes ANA plane to plunge - 29Sep2011 」より
このインシデントによる影響で、客室乗務員二名が首などに怪我を負いましたが、残りの乗員乗客115名に怪我はありませんでした。ただし、着陸後、急降下の影響と思われる、心理的ストレスを複数の乗客が訴えています。
また、後日、全日空が連絡のとれた乗客102名に確認したところ、うち6名の乗客が首の痛みを訴えたとの事で、インシデントの影響は当初の報道よりも、深刻なものであったことが伺えます。
【自動システムの罠】
以上、文字に起こすと、このインシデントが長い時間に渡って発生したように感じます。
ところが、DFDRに記録されている実際の経過時間をあらためて確認してみると…
①副操縦士がラダートリムを誤操作し始めてから、バンクアラートが鳴るまで15秒。
②アラートが鳴ってから、機体が131.7度の最大傾斜角になるまで13秒。
③最大傾斜角から機体を水平に戻して、降下を食い止めるまで20秒。
つまり、この一連のインシデントは、時間にしてわずか48秒という短時間に起きていて、しかも、終始、オートパイロットは正常に機能していながら、インシデントの発生を防ぐことも、回復することもできていません。
NH140便のインシデントは、高度な自動化が進んだ結果、通常の運航では人間の介在する必要を感じさせないような第四世代以降のハイテクエアライナーの操縦が、実際には、いかに油断のならないものであるのかを、如実に物語っているように思えます。

わずか12ドルのランプの球切れにパイロットが固執したため、当時最新鋭のL1011がフロリダ、エバーグレースに墜落して、乗員乗客103名が亡くなったイースタン航空401便の事故。
着陸進入中に副操縦士が誤って操作した「ゴーレバー」の回復処置を誤り、名古屋空港敷地内にA300が墜落して、乗員乗客274名が亡くなった中華航空140便の事故。
高度な自動システム:FMSの不適切なロジックのため、誤って132マイルも離れた無線標識をパイロットが選択してしまい、B757がカリの山岳に激突して乗員乗客159名が亡くなった、アメリカン航空965便の事故。
便利なはずの自動システムは、(業界で繰り返し警告され、教育され、訓練を通して自覚もあるはずのパイロットを含めた)人間のわずかな心の隙を突いて、牙を剥く時もあるのです。
-------------------------------------------------------------
さて、(その5)もかなりの長文となりました。次回(その6)では、本重大インシデントの総括を行いたいと考えています。
乞うご期待!!(^^♪
今回は、2012年8月31日に国土交通省 運輸安全委員会が公表した、「エアーニッポン株式会社ボーイング式737-700型 JA16ANに係る航空重大インシデント調査について(経過報告)」を基にした、インシデントの再現、二回目となります。
▼【You Tube動画:Co-pilot error causes ANA plane to plunge - 29Sep2011 】乗員乗客117名を乗せたB737-700型機が、一時、機体がほぼ裏返しとなる重大インシデントを起こした
(NHK WORLDより:英語)。
※今回のテーマはインシデントの当事者を批判するものではありません。インシデントの考察を通して、航空安全への理解と意識を高めようとすることが目的です。
●過去の考察はこちら(別窓で開きます)
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その1)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その2)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その3)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その4)】
-----------------------------------------------------------------
前回は、副操縦士がドアスイッチと間違えてラダートリムを誤操作したため、オートパイロットがエルロンで右旋回、誤操作したラダーが左旋回という、異常な飛行状態にNH140便が陥ったシーンまでを考察しました。
▼クロスコントロール。(イメージ:MSFS2002より)

この異常な操舵状態(クロスコントロール)の結果、オートパイロットの操舵力より、副操縦士が誤操作したラダーの操舵力が上回っていたために(理由は前回、詳述)、右バンクでオートパイロットに設定された飛行コースを辿るべきNH140便は22時48分36秒、反対方向の左へのバンクに入り、正規の飛行コースから逸脱し始めました。
ここが、NH140便が通常運航から、重大インシデントに至る瞬間でした。
「経過報告」を元に、foxtwoの考察も絡めた再現を続けます。
【インシデント発生!】
22時48分43秒:
突然、コクピットにGPWSの合成音声「バンクアングル!バンクアングル!」という警告音が鳴り響きました。
このアラートは、左右のバンク(ロール)角が35度以上という、通常の運航では使用しないような、過大な傾斜角であることを警告するもので、現用のエアライナーでは標準装備となっている、GPWS(対地接近警告システム)の機能となります。
▼【You Tube動画:REAL TEST BOEING EGPWS 】
ボーイング-エアライナーのEGPWS(発展型のGPWS)アラート音のデモ。バンクアラートは37~38秒のサウンドとなります。
22時48分45秒:
機長を入室させようとして、(ドアスイッチと間違えて)ラダートリムを操作しながらドア外部モニタを注視していた副操縦士は、この警告音を聞いて反射的にPFD(姿勢指示器)に目をやり、機体が意図しない左バンクに入っていることに気がついて(しかもバンク角はどんどん深くなっていた)、慌ててコントローホイールを掴んで修正のため、急激な右操舵をあてました。
それは実際、操舵輪の回転角が右97度という、ホイールの握りが垂直を通り越すほど大きな操舵で、それまで副操縦士が、機体の異常な姿勢変化に気付かなかったことを裏付けているものと、foxtwoは考えています。
▼B737-700型のドア外部モニタの例。画像はセンターカメラ(天井からコクピットドアを見下ろすアングル)の映像で、画面下がコクピット、画面上がキャビン方向となります。
NH140便の副操縦士は機長がなかなかドアを開けないために、この映像に執着してしまった可能性があります。

【You Tube動画:HD Cockpit Scenes - 737 Start Up】より
バンクアングルアラートが鳴った時に副操縦士が、センターパネルのドア外部モニタを見ていたというのは、あくまでfoxtwoの推測に過ぎませんが、「経過報告」が分析したDFDRの記録によると、アラートが鳴った時には、副操縦士がドアスイッチと誤認していたラダートリムから手を放した直後だったため(アラートが鳴ったためにトリムから手を放した可能性もあります)、モニターを見ていたという推測が成り立つものと考えています。
▼B737-800型のコクピットで、700型もほぼ同じレイアウトとなります。ドア外部モニタは、飛行計器パネルより下にあるのが分かります。

737-700型のインストルメントパネルのレイアウトから考えると、センターペダステルのドア外部モニタを注視していると視線が下がるので、副操縦士パネルはもちろん、機長パネルのPFDも周辺視野の外になるため、機外が漆黒の夜間飛行では、機体の姿勢を知るすべがありません。
唯一、センターパネルのスタンバイAI(予備の姿勢指示器)が視野に入っていた可能性がありますが、これはPFDの¹/₄ほどの大きさなので、注視しない限り、バンク角を把握することは難しかったでしょう。
また、右バンク3度からアラートが鳴る左バンク35度まで、約15秒かかっているので、毎秒約2.5度という緩やかな姿勢変化では、体感で逆バンクに入ったことに気付くことも困難であったものと思われます。
【CWSモード】
副操縦士がコントロールホイールを右へ操作したことで、オートパイロットはLNAVモードから、CWS/R(ロール)モードに移行しました。
それまで設定されていたLNAV/VNAVモードでは、方位、高度、速度の全てをオートパイロットが担いますが、CWS(Control Wheel Steering)モードでは、オートパイロットを解除することなく、パイロットが自動操縦システムをオーバーライドする(手動操作を優先させる)ことが可能となります。
また、パイロットが操縦装置から手を離した後も、パイロットのインプットをオートパイロットが保持してくれるので、パイロットのワークロードを大幅に軽減してくれるモードといえます(「B737E-Automatic_Flight:Boeing Company」)。
※パイロットのインプットがオートパイロットの操舵限界を超えた場合には、自動的に限界値まで舵を戻すように動作するようです。
▼B737-NGのオートパイロット操作パネル。上二つの四角いボタンが「CMD」ボタンで、下の二つが「CWS」ボタンとなります。NH140便はこのボタンではなく、副操縦士の操作がきっかけとなって、CWSモードに移行しています。

【You Tube動画:HD Cockpit Scenes - 737 Start Up】より
なお、「経過報告」によれば、LNAV/VNAVモードから、パイロットの操作によってCWSモードに切り替わった場合には、オートパイロットのモードボタンでCWSモードを選択した場合よりも、操舵により大きな力を必要とすると説明されています。
また、オートパイロットがいったんCWS/Rモードに移行すると、自動的にLNAVモードに復帰することはないため、この時点からNH140便の横方向(ロール)の操縦は、副操縦士が主導権を握ることとなりました。
▼左バンクに入り始めたNH140便。(イメージ:MSFS2002より)

副操縦士が大きく右操舵したタイミングで、NH140便の機首が更に下がり始めました。
「経過報告」はこの原因について何も触れていませんが、もともと後退翼機で釣り合いのとれないラダー操作を行えば、ヨーイング方向へ機首下げが起きますし、空気の薄い高々度でのクロスコントロールも、機体の抗力を増加させることとなって、結果的に機首下げを招いたのかも知れません。
この時点で、オートパイロットのVNAVモードはまだエンゲージしたままでしたが、コントロールホイールの引き2度は、既にVNAVモードの作動限界であり、下がり続ける機首を立て直すことはできませんでした。
もはやオートパイロットの自動操作だけでは、NH140便の異常な姿勢変化を食い止めることは不可能だったのです。
【修正できなかった左バンク】
22時48分46秒:
コントロールホイールを急激に右へ操舵した一秒後、副操縦士は右ペダルを踏み込み、釣り合い旋回で機体の姿勢を立て直そうとしましたが、あいにく、自らが誤操作した左トリムの操作量が過大だったために、ラダーは半分程(左2.8度)しか戻らず、エルロンが右バンク、ラダーが左バンクという、クロスコントロール状態を解消出来ませんでした、
この時のNH140便は、左バンク実に80度という、機体がほとんど垂直に近い姿勢となり、揚力が急速に失われつつありましたが、副操縦士の右操舵の効果が現れて、バンク角は回復し始めました。
▼垂直バンクに陥るNH140便。(イメージ:MSFS2002より)

ここで次の警報、スティックシェーカーが作動しました。
これは、機体が失速の危険にあることを、音やライトではなく、コントロールホイールを激しく振動させることによってパイロットに伝えるもので、火災警報と並んで、最もパイロットに緊張感をもたらす警報装置といえます。
▼【You Tube動画:Stick shaker stall warning Boeing 737 MPS Flight simulator 】
737-800:フライトシミュレータのデモ。これならパイロットが居眠りしていても、気がつきますね(以前、某国営放送で長距離便のエアラインパイロットの多くが居眠りを経験した事があるとのショッキングな報告がありました)。
DFDRの記録から、この時のNH140便の速度は巡航中の220ktから、わずかに10kt程度低下したに過ぎず、また、B737-700型の失速速度(離着陸時には150kt(時速km)程度)を遥かに上回っていたはずでしたが、高高度での空気密度の低さと、過大なバンク角のために、失速速度が高くなっていた可能性が考えられます。
22時48分48秒:
スティックシェーカーの警告に驚いた副操縦士は、大きく右操舵していたコントロールホイールを慌ててニュートラルの位置まで戻し、同時にホイールを押し込んで、機体の失速を防ごうとしました。
通常、機体がバンクしている状態で失速警報が鳴った場合のリカバリ操作は、機体を水平にしてから機首を下げ、同時にスラストレバーをアドバンスすることですが、本インシデント中、オートスロットルは終始エンゲージされたままで、副操縦士がスラストレバーを操作した形跡はありませんでした。
22時48分51秒:
副操縦士がコントロールホイールをニュートラルに戻したため、せっかく右の修正操舵で水平に戻りつつあったNH140便の左バンクは、50度までの回復を境に再び増加し始めました。
空気密度が低くて舵の効きにくい高高度で、これだけの異常姿勢を回復させるには、制限荷重の範囲内での思い切った修正操舵が必要だったものと思われますが、スティックシェーカーの警告が、副操縦士に大きな操作をためらわせたことに疑いの余地はなく、その後のホイールの操作角度は右35度という中途半端なもので、異常な左バンクを止めるには不十分な操舵量でした。
22時48分52秒:
副操縦士がラダートリムを右(中立方向)に操作しましたが、ラダーペダルに自らの踏力がかかっていたため、実際にはラダーが動くことはありませんでした。
22時48分53秒:
NH140便のロール角は、ついに垂直を通り越して左バンク100度を超え、機首も30度あまり下がって、機体がほぼ裏返しとなり、揚力ベクトルが下向きとなって、急速に高度を失い始めました。
▼機体が垂直を通り越し、さらにバンクを深めるNH140便(イメージ:MSFS2002より)。

22時48分56秒:
ここで、副操縦士がコントロールホイールを押し込んだことによって、VNAVモードがオフとなり、CWS/P(ピッチ)モードがオンになりました。
これで副操縦士は機体のロールだけではなく、ピッチもオートパイロットをオーバーライド出来るようになり、事実上、NH140便の窮地を救うのは、副操縦士の回復操舵だけとなりました。
また、機体の降下による速度の増加に対抗して、オートスロットルが推力を絞り始めましたが、ほとんど裏返しとなったNH140便の降下速度は、そのような消極的な手段では減速させることは不可能で、速度は容赦なく上がり続けていました。
▼インシデント中、最大傾斜角となったNH140便(イメージ:MSFS2002より)。満席近いジェット旅客機がこのような姿勢になるとは、想像も出来ませんでした。

この時点でNH140便のロール角は、左バンク131.7度と、本インシデント中の最大傾斜角を記録しましたが、幸い、これ以降は副操縦士の回復操作で、バンク角は減少に向かうこととなります。
▼左バンク131.7度のNH140便の機長側コクピット(イメージ:MSFS2002より)。仮に日中だとしたら、このような眺めだったはずで、前方は海面しか見えません。PFDも地面を表すブラウン一色で、通常の運航ではありえないような姿勢表示となっています。

機体は背面姿勢から回復しつつありましたが、機首下げは-35度と、本インシデント中の最大機首下げ角を記録してしまいました。
また、DFDRの記録によるとこの時点で、NH140便の高度は39,000フィートを切り、さらに降下を続けていました。
▼左バンク最大傾斜角のNH140便のPFD(イメージ:MSFS2002より)。実際のPFDのピッチ角表示限界は±80度で、プラス30度とマイナス15度のピッチスケール上に緑色のリミットマーカーがある。±30度を超えるとピッチスケール上に赤い矢印が現れて、ピッチ角を緩めるように警告する仕組みで、NH140便はこれが表示されていたものと思われる。

22時49分00秒:
副操縦士がコントロールホイールを引いて、機種上げ操作を始めました。この回復操舵は同分26秒、機首が+8度(ほぼ水平飛行の機首角度)となるまで、数回に渡り続きます。
また、降下する機体を引き起こすに連れ、機体にG(垂直加速度)がかかり始め、失速速度が高くなった影響なのか、スティックシェーカーが再び、断続的に作動しました。
22時49分02秒:
バンク角が左25度まで回復しましたが、水平までは戻らず、このバンク角付近で不安定なロール角のままの降下が続きます。
▼急降下から機体を引き起こした直後のNH140便。(イメージ:MSFS2002より)

22時49分03秒:
副操縦士の引き起こし操作にもかかわらず、機体の高度は38,000フィートを通過してなおも下がり続けており、位置エネルギーが速度に変換されることによる増速も加わり、NH140便の対気速度は737-700型機の超過禁止速度:マッハ0.82を越えました。
22時49分04秒:
引き起こし操作につれて増加していたG(垂直加速度)が、737-700型機の制限荷重となる2.50Gを越え、同09秒には本インシデント中最大値となる2.68Gを記録しました。
これは体重60kgの人が、約160kg以上の重さで座席に押し付けられている計算となり、耐G訓練も受けていない乗員乗客にとっては、未知で苛酷な状況となります
(客室乗務員二名の怪我人は、この頃発生したものと推測されます)。
22時49分05秒:
超過禁止速度を越えたことによりオーバースピードワーニングが二回作動しましたが、この頃より、副操縦士の回復操作によって降下率も徐々に緩くなり、それに連れて速度も、ゆっくりと250kt付近まで低下し始めました。
▼【You Tube動画:767-200 overspeed 】
B767-200のテストフライトの様子で、オーバースピードワーニングの動作チェックと思われます。アラートの鳴動を確認後、パイロットがスロットルを戻し、スピードブレーキをアームして、機体を減速させようとしています。
22時49分16秒:
機体の降下が始まってから20秒余りたち、高度35,000ft付近でようやく機体の降下がほぼ収まりました。
【回復操作】
22時49分40秒:
副操縦士がラダートリムを修正する方向(右)に操作しました。この後、トリムの修正操作は数回に渡り、断続的に行われます。
22時50分11秒:
機長が自身の解錠操作により、ドアを開けてコクピットに戻りました。また、DFDRによると、この直後から機首のピッチ角がプラスに転じていることから、早い段階で機長のテイクオーバーが始まったものと思われます。
22時50分38秒:
オートスロットルが、ついでオートパイロットが解除され、「経過報告」によれば、ここで機長が操縦を交代して、パイロットが機体を完全に掌握しました。
この時、NH140便は高度約36,000フィート、速度約250ノットの、ほぼ水平飛行の状態で、飛行計画で予定されたルートとは反対方向となる、西に向かって飛行していました。
▼NH140便のインシデント航跡図(イメージ:MSFS2002より)。左バンクの影響で飛行コースがほぼ反転しています。なお、分かり易くするために航跡はノンスケールで、実際の飛行コースの幅は、図の約半分ほどとなります。

22時50分43秒:
機長がオートパイロットの再設定を行う一方、副操縦士が東京ACCへ現在高度とヘディングの維持を要求しましたが、異常な降下など、インシデントに関するリポートは行われませんでした。
22時51分49秒:
LNAVモードがエンゲージされ、NH140便は右旋回で、元の飛行コースへ戻り始めました。
22時52分07秒:
副操縦士が東京ACCへ現在の高度(36,000ft)を維持したまま、当初指示された、PQE(館山VOR/DME)へ向かうことを報告しました。
22時52分13秒:
オートスロットルがオンとなり、NH140便はインシデント発生前の飛行形態に、完全に復帰しました。
なお、「経過報告」に添付されたDFDRの時間軸は、22時53分までしか記載がありませんが、旋回率を考慮すると、NH140便が元の飛行コース(ヘディング)に戻ったのは22時54分頃と推定されます。
23時半頃:
NH140便が無事、東京国際空港に着陸しました。
▼東京国際空港に無事にランプインしたNH140便(JA16AN)。

You Tube動画「Co-pilot error causes ANA plane to plunge - 29Sep2011 」より
このインシデントによる影響で、客室乗務員二名が首などに怪我を負いましたが、残りの乗員乗客115名に怪我はありませんでした。ただし、着陸後、急降下の影響と思われる、心理的ストレスを複数の乗客が訴えています。
また、後日、全日空が連絡のとれた乗客102名に確認したところ、うち6名の乗客が首の痛みを訴えたとの事で、インシデントの影響は当初の報道よりも、深刻なものであったことが伺えます。
【自動システムの罠】
以上、文字に起こすと、このインシデントが長い時間に渡って発生したように感じます。
ところが、DFDRに記録されている実際の経過時間をあらためて確認してみると…
①副操縦士がラダートリムを誤操作し始めてから、バンクアラートが鳴るまで15秒。
②アラートが鳴ってから、機体が131.7度の最大傾斜角になるまで13秒。
③最大傾斜角から機体を水平に戻して、降下を食い止めるまで20秒。
つまり、この一連のインシデントは、時間にしてわずか48秒という短時間に起きていて、しかも、終始、オートパイロットは正常に機能していながら、インシデントの発生を防ぐことも、回復することもできていません。
NH140便のインシデントは、高度な自動化が進んだ結果、通常の運航では人間の介在する必要を感じさせないような第四世代以降のハイテクエアライナーの操縦が、実際には、いかに油断のならないものであるのかを、如実に物語っているように思えます。

わずか12ドルのランプの球切れにパイロットが固執したため、当時最新鋭のL1011がフロリダ、エバーグレースに墜落して、乗員乗客103名が亡くなったイースタン航空401便の事故。
着陸進入中に副操縦士が誤って操作した「ゴーレバー」の回復処置を誤り、名古屋空港敷地内にA300が墜落して、乗員乗客274名が亡くなった中華航空140便の事故。
高度な自動システム:FMSの不適切なロジックのため、誤って132マイルも離れた無線標識をパイロットが選択してしまい、B757がカリの山岳に激突して乗員乗客159名が亡くなった、アメリカン航空965便の事故。
便利なはずの自動システムは、(業界で繰り返し警告され、教育され、訓練を通して自覚もあるはずのパイロットを含めた)人間のわずかな心の隙を突いて、牙を剥く時もあるのです。
-------------------------------------------------------------
さて、(その5)もかなりの長文となりました。次回(その6)では、本重大インシデントの総括を行いたいと考えています。
乞うご期待!!(^^♪