アメリカでは飛行機のオークションなどは珍しくありませんが、日本ではレア中のレアですね。
Yahooオークションで「ヘリコプター」と検索しても、出てくるのはラジコンかプラモデルばかりで、実機はまずお目にかかれません。
▼アメリカのフライトスクールにて。ハンガーに駐機するR-22ヘリコプター:画面左(撮影:foxtwo)

ところが、今、foxtwoがアメリカの飛行訓練で搭乗した、ロビンソンヘリコプター社のR-22 beta Ⅱヘリコプター(登録記号JA123D)が、なんとヤフオクに出品されています!
【ヘリコプター ロビンソン R-22 BataⅡ 中古機:即決500万円!】
※3/21追記:結局、今回は落札はせず、再度、250万円からオークションがスタートしています。
※2017年11月追記:オークションが終了したため、現在はリンク切れ。
ロビンソン社の公式サイトによれば、新機のR-22ヘリコプターの価格は、現在、標準装備(5ホール計器盤)の機体で26万5千US$となっています。
※2017年11月追記:2017年7月現在、R-22Bataの価格は、標準6ホールパネル機にて29万2千US$。
【ロビンソンヘリコプター(RHC)公式サイト】
この機体の500万円即決落札(現在入札は300万円ほど)が高いか安いかは、機体のコンディションもあるので、一概には言えないようです。
ネット上には何でも情報が転がっているので、出品機の「JA123D」と検索をかけたところ、You Tubeに出品されているR-22と同じ機体(JA123D)の、八尾空港で4年ほど前に撮影された動画がアップされていました。
機体は個人(共同)所有のようで、出品機の画像にも見えていますが、関西のフライトクラブのステッカーが胴体両側面に貼り付けてあります。(ヤフオク出品者は所有者の代理人)
【You Tube動画:R22 Takeoff JA123D 】
動画では整備士が念入りにエンジン周りを点検しており、また、同機の登録時の定置場は岐阜県大垣となっているので、何かの整備で八尾空港へ飛来した際に撮影されたものと思われます。(ヤフオクの機体は岐阜県瑞穂市に保管と説明。)
動画の後半に、タワーと交信するボイスが入っているのも珍しいですね。(^^♪
ヤフオクに出品された機体の写真を見ると、計器盤が9ホール(計器が九個セットできる)と、foxtwoがアメリカで搭乗した5ホールや7ホールの機体に比べ、ぐっと充実した飛行計器を搭載している(姿勢儀、定針儀、旋回計はオプション装備品)ようで、オーナーが大切に機体を扱っていたことが伺えます。
※R-22にはIFR仕様の、10ホール計器盤のオプションも用意されていますが、ヘリコプターは実際にはIFR飛行は許可されないので、あくまで訓練用のIFR仕様となります。
※2017年11月追記:現在のR-22は標準6ホールパネルの他、中央にPFDを置いたグラスコクピットパネルや、GPS用サイドパネルの追加が可能です。
▼R-22の飛行パネル(撮影:foxtwo)

ところで、仮に500万円でこのR-22を落札したとして、実際にこの機体を運航し維持するには、年間、いくらぐらいかかるのでしょうか?
まず、ヘリコプターの免許(航空従事者証明)をもっていない方は、数百万円の費用と、数ヶ月の時間をかけて、自分でライセンスを取得するか、そんな暇もお金もないという方は、フライトをする度に、有資格のパイロットを雇う必要があります。普通、一時間のフライトで万単位程度の料金がかかると思います。
ただし、R-22は2シータ(二人乗り)なので、パイロットと自分が搭乗すると、家族や友人などは、誰も一緒に乗れなくなります。
※現在、RHCからは、パイロットを含め四人乗りのR-44という機体の他、タービンエンジン装備で5人乗りのR-66という機体も販売されています。
【You Tube動画:Robinson's High-Tech News Helo 】
出品されている機体は現在、年に一回必要な耐空検査が切れているので、まずフライトをする前に整備と検査が必要となります。これが100万円+アルファかかるものと思って下さい。
また、ヘリコプターは航空無線やVOR、トランスポンダーなどを搭載した移動無線局(機体の登録記号がそのまま無線のコールサインとなります)なので、電波法に基づく無線検査も毎年、受ける必要があります。これは数万~数十万ぐらいの費用がかかるようです。
機体をどこに置くかも重要な問題で、まさか自宅の庭に駐機しておくわけにもいかず(自宅が飛行場という方は別ですが)、通常は(自家用機を置いてくれる奇特な)飛行場の格納庫や、整備を委託する航空会社に定置するのが普通で、当然、月にうん十万円単位で駐機料がかかります。
その他、自動車と同じで、年に数十万円はかかる航空保険に入る必要もありますし、実際に飛ぶには燃料となる、航空ガソリン(R-22はレシプロエンジン機)やオイルなどの消耗品も必要で、これはグレード等が厳密に決められています。
特にエンジンオイルは、R-22では飛行25時間ごとに全交換しなければならないのですが、これは一時期、R-22型機の事故が世界の各地で続いた関係で、他のヘリコプター(通常は50時間程度の点検間隔)より厳しくなっています。
実際、これぐらいの間隔でオイルを交換すると、飛行前にオイルを点検しても、いつも飴色で、ほとんど黒く汚れることがありません。
▼R-22ヘリコプター(イメージ:MSFSXより)

なお、フライトでどこかの飛行場に着陸するとなれば、一回当たりの着陸料も発生しますが、これは地方空港で、かつ小型機であれば、一回で千円程度、一日の停留料も同じぐらいの金額なので、これは唯一、自動車と同じぐらいのレベルですね。
ところで、自動車でも「リコール」という、設計上の問題(欠陥)が良くニュースで話題になりますが、飛行機やヘリコプターでもTCD(耐空性改善通報)など、自動車のリコールに当たる、改善命令がメーカーや航空局から発せられ、機体の臨時点検や整備、時には部品の交換が必要になることもあります。
自動車のリコールによって発生する整備費用はメーカー持ちで、オーナーが負担することはまずありませんが、飛行機やヘリコプターのTCDなどになると、残念ながら、費用は100%オーナーが負担することとなります。
小さなTCDならいざ知らず、機体の重要な部品を交換するような大きなTCDとなると、パーツの購入・輸入や整備・点検、そしてテスト飛行などを含め、100万円単位で費用がかかることも珍しくありません。
そして、気の毒なオーナーへの最後の打撃は、飛行2,200時間程度で発生する、機体とエンジンのオーバーホールがあります。
これはもう、ヘリの外板と骨組みを除いて、機体の各パーツをほとんど全交換するような大整備となるので、費用も下手をすると中古のR-22ヘリコプターの値段を、はるかに上回ることもありえます。
※RHCの試算によると、オーバーホールの費用はパーツ代だけで、約1,000万円程度はかかるようです。これに整備のマンアワーやテスト飛行、検査費用などが加算されるわけで、費用対効果を考えたら、新機を買ったほうがお得かも・・・。
結局、何やかやで、ヤフオクでこのR-22を500万円で落札したとしても、維持費だけで年間、数百万円単位のお金がかかることとなり、飛行機やヘリのオーナーとなって翼を手に入れると、どうやら、財布にも羽が生えてしまうようです。
▼R-22ヘリコプター(イメージ:MSFSXより)

つまり、“航空後進国”の日本では、自家用の機体を購入し維持していくには、お金と根気が非常にかかるものだと思って下さい。
ちょっと夢のない話になりましたが、このR-22:JA123Dが良いオーナーに巡り合えて、再び元気に空を飛び回れるようになると良いですね。(^^♪
Yahooオークションで「ヘリコプター」と検索しても、出てくるのはラジコンかプラモデルばかりで、実機はまずお目にかかれません。
▼アメリカのフライトスクールにて。ハンガーに駐機するR-22ヘリコプター:画面左(撮影:foxtwo)

ところが、今、foxtwoがアメリカの飛行訓練で搭乗した、ロビンソンヘリコプター社のR-22 beta Ⅱヘリコプター(登録記号JA123D)が、なんとヤフオクに出品されています!
【ヘリコプター ロビンソン R-22 BataⅡ 中古機:即決500万円!】
※3/21追記:結局、今回は落札はせず、再度、250万円からオークションがスタートしています。
※2017年11月追記:オークションが終了したため、現在はリンク切れ。
ロビンソン社の公式サイトによれば、新機のR-22ヘリコプターの価格は、現在、標準装備(5ホール計器盤)の機体で26万5千US$となっています。
※2017年11月追記:2017年7月現在、R-22Bataの価格は、標準6ホールパネル機にて29万2千US$。
【ロビンソンヘリコプター(RHC)公式サイト】
この機体の500万円即決落札(現在入札は300万円ほど)が高いか安いかは、機体のコンディションもあるので、一概には言えないようです。
ネット上には何でも情報が転がっているので、出品機の「JA123D」と検索をかけたところ、You Tubeに出品されているR-22と同じ機体(JA123D)の、八尾空港で4年ほど前に撮影された動画がアップされていました。
機体は個人(共同)所有のようで、出品機の画像にも見えていますが、関西のフライトクラブのステッカーが胴体両側面に貼り付けてあります。(ヤフオク出品者は所有者の代理人)
【You Tube動画:R22 Takeoff JA123D 】
動画では整備士が念入りにエンジン周りを点検しており、また、同機の登録時の定置場は岐阜県大垣となっているので、何かの整備で八尾空港へ飛来した際に撮影されたものと思われます。(ヤフオクの機体は岐阜県瑞穂市に保管と説明。)
動画の後半に、タワーと交信するボイスが入っているのも珍しいですね。(^^♪
ヤフオクに出品された機体の写真を見ると、計器盤が9ホール(計器が九個セットできる)と、foxtwoがアメリカで搭乗した5ホールや7ホールの機体に比べ、ぐっと充実した飛行計器を搭載している(姿勢儀、定針儀、旋回計はオプション装備品)ようで、オーナーが大切に機体を扱っていたことが伺えます。
※R-22にはIFR仕様の、10ホール計器盤のオプションも用意されていますが、ヘリコプターは実際にはIFR飛行は許可されないので、あくまで訓練用のIFR仕様となります。
※2017年11月追記:現在のR-22は標準6ホールパネルの他、中央にPFDを置いたグラスコクピットパネルや、GPS用サイドパネルの追加が可能です。
▼R-22の飛行パネル(撮影:foxtwo)

ところで、仮に500万円でこのR-22を落札したとして、実際にこの機体を運航し維持するには、年間、いくらぐらいかかるのでしょうか?
まず、ヘリコプターの免許(航空従事者証明)をもっていない方は、数百万円の費用と、数ヶ月の時間をかけて、自分でライセンスを取得するか、そんな暇もお金もないという方は、フライトをする度に、有資格のパイロットを雇う必要があります。普通、一時間のフライトで万単位程度の料金がかかると思います。
ただし、R-22は2シータ(二人乗り)なので、パイロットと自分が搭乗すると、家族や友人などは、誰も一緒に乗れなくなります。
※現在、RHCからは、パイロットを含め四人乗りのR-44という機体の他、タービンエンジン装備で5人乗りのR-66という機体も販売されています。
【You Tube動画:Robinson's High-Tech News Helo 】
出品されている機体は現在、年に一回必要な耐空検査が切れているので、まずフライトをする前に整備と検査が必要となります。これが100万円+アルファかかるものと思って下さい。
また、ヘリコプターは航空無線やVOR、トランスポンダーなどを搭載した移動無線局(機体の登録記号がそのまま無線のコールサインとなります)なので、電波法に基づく無線検査も毎年、受ける必要があります。これは数万~数十万ぐらいの費用がかかるようです。
機体をどこに置くかも重要な問題で、まさか自宅の庭に駐機しておくわけにもいかず(自宅が飛行場という方は別ですが)、通常は(自家用機を置いてくれる奇特な)飛行場の格納庫や、整備を委託する航空会社に定置するのが普通で、当然、月にうん十万円単位で駐機料がかかります。
その他、自動車と同じで、年に数十万円はかかる航空保険に入る必要もありますし、実際に飛ぶには燃料となる、航空ガソリン(R-22はレシプロエンジン機)やオイルなどの消耗品も必要で、これはグレード等が厳密に決められています。
特にエンジンオイルは、R-22では飛行25時間ごとに全交換しなければならないのですが、これは一時期、R-22型機の事故が世界の各地で続いた関係で、他のヘリコプター(通常は50時間程度の点検間隔)より厳しくなっています。
実際、これぐらいの間隔でオイルを交換すると、飛行前にオイルを点検しても、いつも飴色で、ほとんど黒く汚れることがありません。
▼R-22ヘリコプター(イメージ:MSFSXより)

なお、フライトでどこかの飛行場に着陸するとなれば、一回当たりの着陸料も発生しますが、これは地方空港で、かつ小型機であれば、一回で千円程度、一日の停留料も同じぐらいの金額なので、これは唯一、自動車と同じぐらいのレベルですね。
ところで、自動車でも「リコール」という、設計上の問題(欠陥)が良くニュースで話題になりますが、飛行機やヘリコプターでもTCD(耐空性改善通報)など、自動車のリコールに当たる、改善命令がメーカーや航空局から発せられ、機体の臨時点検や整備、時には部品の交換が必要になることもあります。
自動車のリコールによって発生する整備費用はメーカー持ちで、オーナーが負担することはまずありませんが、飛行機やヘリコプターのTCDなどになると、残念ながら、費用は100%オーナーが負担することとなります。
小さなTCDならいざ知らず、機体の重要な部品を交換するような大きなTCDとなると、パーツの購入・輸入や整備・点検、そしてテスト飛行などを含め、100万円単位で費用がかかることも珍しくありません。
そして、気の毒なオーナーへの最後の打撃は、飛行2,200時間程度で発生する、機体とエンジンのオーバーホールがあります。
これはもう、ヘリの外板と骨組みを除いて、機体の各パーツをほとんど全交換するような大整備となるので、費用も下手をすると中古のR-22ヘリコプターの値段を、はるかに上回ることもありえます。
※RHCの試算によると、オーバーホールの費用はパーツ代だけで、約1,000万円程度はかかるようです。これに整備のマンアワーやテスト飛行、検査費用などが加算されるわけで、費用対効果を考えたら、新機を買ったほうがお得かも・・・。
結局、何やかやで、ヤフオクでこのR-22を500万円で落札したとしても、維持費だけで年間、数百万円単位のお金がかかることとなり、飛行機やヘリのオーナーとなって翼を手に入れると、どうやら、財布にも羽が生えてしまうようです。
▼R-22ヘリコプター(イメージ:MSFSXより)

つまり、“航空後進国”の日本では、自家用の機体を購入し維持していくには、お金と根気が非常にかかるものだと思って下さい。
ちょっと夢のない話になりましたが、このR-22:JA123Dが良いオーナーに巡り合えて、再び元気に空を飛び回れるようになると良いですね。(^^♪
◆追記◆2017.11
結局、本機は買い手がつかなかったようで、そのまま、用途廃止・抹消となっています。海外に売却された様子もないので、恐らくスクラップになってしまったのでしょうか。可愛そうですね。^^;