「はい、終了~」


スピーカーから"終了"と聞こえた。


へっ・・・・・


何が終了なの?


目を開けると、
長濱さんと渡邉さんが何故か
ほっとした表情を浮かべている。

先ほどの悪魔の様な二人は何処へ行った?


向こうを見ると、
撃たれたはずの織田班長と小林さんが
むくりと起き上がりこちらに歩いて来た。


えっ!?・・・マジで・・・ゾンビ!?


坂尾兄妹も起き上がり手足のロープを
解き始めた。

うぅわっ
リアルウォーキング・デッドじゃん!?

妹に至っては空気が抜けたように
細身になっている。

何なんだ・・・



ひととおり周りをキョロキョロ見回したら、
僕らはその場で完全にフリーズした。

今の状況が全然飲み込めなかった。


「志田ぁ~、平手ぇ~」


声のする方向にやっとの事で顔を向けると
菅井課長と守屋補佐がこちらに走ってきた。


「詳しいことは本部に戻ってから話す。
 とりあえず、
 誰も殺されていないし、
 誰も殺していない。
 これは訓練だ」


へっ・・・訓練? 


僕は、まだ状況が掴めずにいた。
マナカも瞬きを繰り返している。

守屋補佐が僕らにミネラルウォーターを
買ってきてくれた。

受け取るとキャップをねじり
水を口に含んだ。

飲み込むと、
僕は今生きている
ということだけは、はっきりわかった。

ほっとしたと同時に
緊張が解けて腰が抜けた。

僕とマナカは、しばらくそこに
しゃがみ込んでいた。



園の東口の方向から色々な人が出てきて
撤収作業をしていた。


誰かがしゃがみ込んでいた僕らの肩を
叩いた。

振り返ると織田班長と小林さんが
心配そうな顔で立っていた。


「ちょっと大丈夫?
 顔色ものすごく悪いわよ」
 
「お前たち、よく頑張ったな」


あっ・・・

死んだかもしれない人達に
話しかけられた。


「はぁ・・・なんとか・・」

「はい・・・生きてます・・」


何とか返事をすると、
班長と小林さんが脇を抱えて
立ち上がらせてくれた。



空気が澄んでいた。

何度も深呼吸を繰り返した。

空を見上げると星の煌めきが綺麗だった。








気が付いたら車に乗っていた。

菅井課長が運転し、
守屋補佐が助手席にいた。

マナカは僕の右隣で眠っていた。

僕も目を閉じると、
すぐに夢の中に入って行った。





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