べろん 15 (連載小説) | たびきつね

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不思議な能力を持つきつねが‥∵

食事は部屋ではなく、宿のレストランにした。
ドライブはふたりだけなので、そのほうが落ち着く。
見渡しただけでもいろんな客が夕食を摂っている。

「さて、もうクルマ乗らないから乾杯ですね」
『そ~ね~、飲みましょう』

食事はたっぷり時間をかけて、大浴場へもゆったり。
部屋に帰ってしばらくすると、彼女も浴場からご帰還。
「今日のワイナリーで多い目に買っておいたので‥」
『いいですね~♪』

肴の用意もなくワインがすすむ。

『ここでひとつだけ、おもしろいからくりを教えてあげましょう。
  あなたが幼少の頃、もし自分の意志で時間を止められたら‥
  な~んて考えたことあるでしょ?
  誰しもが考えるあこがれなのね。

  実は、、素晴らしいマジシャン達は、自由に時間を操っているの。
  時間を止めて、困難なワザを難なくこなしているわけね。
  つまり時間が止まってれば、誰も見てない・感じてないのと同じこと。
  自分自身だけが自由に動けるの。
  だから厳しくカギをかけた箱の中から男性が外に出て、
  替わりに女性が箱に入って再びカギをかける、ってことが容易にできるの。
  時間の止まってる間は、マジシャン以外のすべての人が記憶すらないの。
  ビデオの一時停止と同じに考えればいいわ。
  だからどんなに難しいマジックも簡単にできる・・』

アルコールが入ってる状態、つまり人間に戻った状態で話してくれた。
なるほど‥たしかにその理屈だと、なんにもない畑の真ん中に、
突然トラックがあらわれても不思議じゃない。

「で、、私にそこまでのからくりをお話になって、大丈夫なの?」
『酔ってるからお話できたまで。』
「たとえば‥、、その時間の止まってる空間、
  あなたひとりじゃなく、私を連れてって頂くことできないのかな?」
『どうしても行きたいなら、不可能じゃないわ』
『ただし条件があるの』


    【続く‥この小説はフィクションであり現実ではない】