べろん 5 (連載小説) | たびきつね

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不思議な能力を持つきつねが‥∵

考えてみれば、封筒の中に入ってた「キー」と「タクシーチケット」
その時点で冷静な判断ができてないとはいえ、まんまと持って帰ってる私。
今夜再び行く気になっていたのであろう。

それにしても何者だろう?
気になればなるほど、今夜解き明かしたくなってくる。

7時とか書いてあったなぁ~、と考えてる間に睡眠の世界に入ってる私。

ふと目を覚まし時計を見ると、もう6時過ぎ。
単身赴任先の私にマイカーはない。
頭の中で「行く」「よそう~」が錯綜する。
私にはあまりにも話が線路上を純走してる・・・
さわらぬ神に祟り無し、、やっぱり夢で終わろうと決意した瞬間、、
ひとみさん宅のキーを持ち帰ってることに気が留まる。

キーだけ返しに行くってのも、きまりが悪い。
時間ぎりぎりだけど、行くっきゃないな~。

タクシーがひとみさん宅の玄関に着く。
あまりドキドキ緊張はしない性格だが、いやに鼓動が高い。
インターホンを押す手が微動してるのがわかる。

応答ない!
間隔あけて何度かトライするも返答が得られない。

キーは持ってるので、居留守だとは考えにくい。
帰るか、家の中で待つか、ひどく迷った。

すでにタクシーは返ってしまい、土地勘もない。
頭の中では帰路手段が交錯する。
歩けば2時間はかかるだろうか?

とりあえずキーを郵便受けに入れ帰る決断をした。
ポケットにあった紙切れに

7時少し廻ってしまいましたが、お招き通りやってきました。
タクシーチケットも使わせていただき、ありがとうございました。
また機会ありましたら会食でも楽しみましょう。
お宅のキーを添えてお礼とさせて頂きます。
           古   田

歩きはじめて数分経っただろうか、後ろを振り向けばタクシーが。
反射的に手を挙げ‥「お~、歩かないで済んだッ」と安堵感。
ドアがあいた・・・・と同時に、私は自分の目を疑った。
ひとみさんが乗っておられる。

運なのか、縁なのか、神のいたずらなのか。

「よく私だと分かりましたね」と私は言った。
『よくわかんなかったのですが、きっとあなただと。』
「・・・・」
『遅くなるかも知れないのでキーを入れておいたのですが‥』
「中でお待ちしょうか迷ったんですが・・」

二人の乗ったタクシーは数分で宅に着いた。
「安全のため、郵便受けからキーを取り出しておいてくださいね」
私が言った。
と、笑顔しか返ってこない。
私もなにか、異変に気付きそうになっていた。

 【続く‥この小説はフィクションであり現実ではない】