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狐の本棚

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エス国の大臣は1人頭を抱えた。このままではこの国は滅びてしまう。なんとかしなくては…。

エス国は自然が豊富な途上国である。国民の不満もなく、他国の干渉もない。平和な島国であった。
こんな良い国が何故途上国であるのか?そう他国の使節によく言われる。答えは明白である。

人口が圧倒的に足りないのだから。

人口が足りなければ労働力も足りない。労働力が足りなければ技術も発達しない。
このたった一つのシンプルな答えで大臣は今にも倒れそうなほど悩んでいるのだ。

「大臣!エル国から使節です!」
エル国?遠い大国から何の為に?一抹の不安を憶えながら、大臣はエル国の使節の下へ向かう。

セールスマンの様な風貌をした使節はニヤニヤと営業笑いを浮かべ、《人口増加対策室 室長》と書かれた名刺を手渡した。
「労働力、欲しくありませんか?」

エル国の使節が言ったことは大臣に衝撃を与えた。
『国民のレンタル』である。
三年の期間限定で移民を受け入れ、期間が過ぎると返却する。
元々エル国は人口が過多である。お互いの利害関係は一致している。いわばwin-winである。
大臣に断る理由はなかった。

エル国からの8割の移民が新たな労働力となった。技術が年を追うごとに発達していくことは大臣にとっては喜ぶべき事だった。

交渉から2年経ったある日の事だ。
三百万の移民は集団ストライキを働いた。エル国は人口爆発で人が住める環境ではないのだ。帰るくらいならエス国に不法滞在するという。

エル国の大臣は1人頭を抱えた。このままではこの国は滅びてしまう。なんとかしなくては…。