12年10月の合併を目指す新日本製鉄と住友金属工業は22日、合併後の新会社名を「新日鉄住金」にすることなどを盛り込んだ統合基本契約を締結したと正式に発表した。新日鉄を存続会社とし、合併比率は直近の両社の株価を基に算定。住金の株式1株につき、新日鉄の株式0.735株を割り当てる。新日鉄の宗岡正二社長と住金の友野宏社長は同日午後の会見で、両社で年約5000万トンある現在の粗鋼生産量を、合併後は海外展開の強化などで6000万~7000万トンに拡大すると表明。原料調達費削減などで合併3年後をめどに年1500億円規模の合理化効果を見込んでいることも明らかにした。
両社は今年5月に公正取引委員会に合併申請し、現在はより詳しい競争条件を調べる2次審査の手続きを進めている。米国や中国など製品輸出先の競争当局へも近く申請し、「総合力で世界一の鉄鋼メーカー」(宗岡社長)を目指す考えだ。
新日鉄の10年の粗鋼生産量は世界5位、住金は同25位。合併後の新会社の世界シェアは3%台となり、首位のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク、6%強)に次ぐ2位グループに浮上する。ただ、高い経済成長を追い風に中国など新興国のメーカーも規模を急拡大しており、宗岡社長は会見で「鉄鋼業界の経営環境の変化は想定以上のスピードで進んでいる」と指摘。新日鉄の自動車用鋼板や住金の資源掘削向け鋼管など、両者の技術力を融合させ、新興国需要を積極的に開拓し、合併後の新会社の粗鋼生産量を6000万~7000万トンに引き上げる目標を示した。
合併に伴う合理化策では、新日鉄の君津(千葉)、住金の鹿島(茨城)など、近接する生産拠点の物流効率化などでコスト削減を図る計画。不動産子会社など製鉄以外の事業統合も検討する。一方で両社は「国内に抱える高炉は止めない」(住金・友野社長)、「生産は効率化するが雇用は守る」(新日鉄・宗岡社長)と強調、大幅な生産拠点の整理や人員削減を否定した。
両者は来年4月までに合併契約を締結、6月の株主総会で了解を取り付ける考えだが、来春にも示される公取委の最終判断が最大の関門。両社は「かつてと違い、国内市場も輸入鋼材の流入などでグローバル化している」(宗岡社長)と合併承認を求めている。ただ、合併後の新会社は国内シェアが7割を超す製品もあり、公取委の判断が注目される。【寺田剛】
◇新日鉄と住金の合併までの流れ◇
11年2月3日 合併検討の覚書締結
3月18日 公取委に合併計画を仮申請
5月31日 公取委に正式申請、1次審査開始
6月30日 公取委が追加資料を要請、2次審査へ
9月22日 合併の基本契約締結。新社名など内定
12年4月 合併契約締結予定
6月 株主総会で合併の承認を得る予定
10月1日 合併期日
※公取委は両社から提出された追加資料が出そろった後、90日以内に2次審査を終了。合併承認の可否を判断
【関連記事】
合併:社名は「新日鉄住金」…統合概要固める
粗鋼生産:8月、震災から回復基調
新日鉄・住友金属:合併社名は新日鉄住金 統合概要固める
仕事発見!:/11 鉄鋼メーカーの研究員
両社は今年5月に公正取引委員会に合併申請し、現在はより詳しい競争条件を調べる2次審査の手続きを進めている。米国や中国など製品輸出先の競争当局へも近く申請し、「総合力で世界一の鉄鋼メーカー」(宗岡社長)を目指す考えだ。
新日鉄の10年の粗鋼生産量は世界5位、住金は同25位。合併後の新会社の世界シェアは3%台となり、首位のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク、6%強)に次ぐ2位グループに浮上する。ただ、高い経済成長を追い風に中国など新興国のメーカーも規模を急拡大しており、宗岡社長は会見で「鉄鋼業界の経営環境の変化は想定以上のスピードで進んでいる」と指摘。新日鉄の自動車用鋼板や住金の資源掘削向け鋼管など、両者の技術力を融合させ、新興国需要を積極的に開拓し、合併後の新会社の粗鋼生産量を6000万~7000万トンに引き上げる目標を示した。
合併に伴う合理化策では、新日鉄の君津(千葉)、住金の鹿島(茨城)など、近接する生産拠点の物流効率化などでコスト削減を図る計画。不動産子会社など製鉄以外の事業統合も検討する。一方で両社は「国内に抱える高炉は止めない」(住金・友野社長)、「生産は効率化するが雇用は守る」(新日鉄・宗岡社長)と強調、大幅な生産拠点の整理や人員削減を否定した。
両者は来年4月までに合併契約を締結、6月の株主総会で了解を取り付ける考えだが、来春にも示される公取委の最終判断が最大の関門。両社は「かつてと違い、国内市場も輸入鋼材の流入などでグローバル化している」(宗岡社長)と合併承認を求めている。ただ、合併後の新会社は国内シェアが7割を超す製品もあり、公取委の判断が注目される。【寺田剛】
◇新日鉄と住金の合併までの流れ◇
11年2月3日 合併検討の覚書締結
3月18日 公取委に合併計画を仮申請
5月31日 公取委に正式申請、1次審査開始
6月30日 公取委が追加資料を要請、2次審査へ
9月22日 合併の基本契約締結。新社名など内定
12年4月 合併契約締結予定
6月 株主総会で合併の承認を得る予定
10月1日 合併期日
※公取委は両社から提出された追加資料が出そろった後、90日以内に2次審査を終了。合併承認の可否を判断
【関連記事】
合併:社名は「新日鉄住金」…統合概要固める
粗鋼生産:8月、震災から回復基調
新日鉄・住友金属:合併社名は新日鉄住金 統合概要固める
仕事発見!:/11 鉄鋼メーカーの研究員
「この記事の著作権は 毎日新聞 に帰属します。」