昨日の前編からの続き。
J1鹿島・小泉社長に聞く「小学生以下の上層階全試合無料」についてです。
=====
・無料券を配ると、慣れてお金を払わなくなる、とも言われます。
「スタジアムを埋めるために無料招待をするのではなく、クラブとしての投資対効果が合わないといけません。
これはあくまで、将来への投資です。
いわゆる、紙のチケットをばらまく、という事はやりません。
必ず、JリーグIDに登録し、クラブが継続的なコミュニケーションをとれるような形で招待施策をやる事が大事です。」
中高生にも広げたい
・ファミリー層へのアプローチは課題です。
「グローバル(世界)を見た時のJリーグの良さはスタジアムの安心・安全だと思っています。
Jリーグが土日の娯楽として選ばれるコンテンツになりたい。」
「若い子は"タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)"と言われているように、コスパを凄く大事にしている感覚があります。
Netflixで動画を観るよりも、リアルなフットボールを観る方がいい、というものを僕らは提供しないといけない。」
・将来的な構想は?
「(無料の範囲を)中高生にも広げたい。
特に自分たちだけでもスタジアムに来られる中学生は、広げてみてもいい。
東京から行くと、バスの往復などを含めて、1回あたり7000~8000円かかります。
少しでも若い子の負担を減らしてあげたい、というのはあります。」
・目指す姿は?
「人口も減り、10年後、20年後はさらにコンテンツ間の競争は激しくなる。
なるべく子どもの頃に感動的な体験をしてもらい、アントラーズを生活の一部にしていただく必要があるのかなと思っています。」
=====
無料招待の難しさは、やりすぎると"無料じゃないなら行かない"という風になってしまう事。
実際に鹿島は、昔無料でチケットを配るも↑のような人が多くなってしまい、結局それがその先の観客動員数増に繋がりませんでした。
それが上手くいったのが新潟ではないでしょうか。
J2時代でも2万人を超えるという凄さ。
営業の努力の賜物だと思います。
現在、鹿島は小学生以下の上層エリア無料施策を行っていますが、たしかに上層スタンドを見ると、以前よりも多くの人で席が埋まり活気があるように感じます。
自分たちが上層席に行った時も、コンコースのスタグルのお店に行列ができているほど。
国立競技場開催があるため平均値は出しづらいですが、実際にここまでリーグ戦で10試合カシマで開催していますが、半分の5試合で2万人を超えています。
効果が出ていると言って良いのではないでしょうか。
お客さんを呼ぶ方法として1番良いのはチームが強くなる事ですが、とにかく1度スタジアムに来てもらわないと何も始まりません。
そういったキッカケになるという意味でも、この小学生以下の無料招待という施策はアリだと思いますし、続けていくべきかなと思います。
あとは、そこからしっかりとデータを取り、それをどうやって活かす事ができるかです。
グッズも今までと志向が変わってきた感があります。
この施策を意識しているのかもしれませんね。
交通の便としては、Jリーグの中でもトップレベルで行きづらい場所にあるカシマ。
そのハンデを乗り越えられるようになると良いですね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~