『コンピュータエンジニア』と『お客様のコンピュータ担当』
コンピュータシステムは、委託を受けたシステム会社のSEが構築し、
お客様が受け入れて利用するケースが多いです。
システム会社のエンジニアの中には、人付き合いか苦手で、
コンピュータ相手の仕事なら煩わしさがないと思ってこの職業を選択した人も少なからず。
今はだいぶ違うと思いますが。
対して、コンピュータを利用するお客様側にもコンピュータ担当の方がいらしたり、
昔から大きな企業はコンピュータ担当部門があったりもします。
その人々の多くはコンピュータを担当したかった訳ではなく、
コンピュータ以外の企業に就職した人達であります。
金融、流通、マスコミ、、、(お客様保有のシステム会社はまた違うと思いますが)
この二者が理解し合うのは、至難の業。というか本質的には不可能。
あのSEは、お客様のことを理解していない。
あのSEは、自分勝手すぎる。
あのSEは、文章もまともに書けない。
お客様は、システムを理解していない。
お客様は、何かと言うと報告を求めてくる。面倒くさい。
このお客様は、保守的でつまらない。
所詮、目指している方向が違うのですから、意見を合わせようとすること自体が無理なのです。
お客様本位で考えていたら、良きエンジニアにはなれません。
かと言って営業のように自社の利益追求ばかりと言う訳でもありませんが、
システムを大切に思うこととお客様を大切に思うことは実際違いがあります。
例えば、トラブルが発生したら原因を調べて修復したいのがSE、
お客様側は、原因は分からなくても復旧したい。
先進的なシステムを創りたいのがSE、
安全で安くて、長く使えて、競合他社より良いシステムにしたいのがお客様。
本人が納得できれば良いのがSE、
上司や監督官庁が納得する設定をしたいのがお客様。
どちらが正しいとか言うことではないのです。
違うということを前提とした方がお互いには楽だと思うのです。
この前提に立ってどちらが偉いとか、どちらが立場が上とかではなく、
尊重しあってシステム構築を行えば、、、少しは相剋が減るように思うのです。
僕のてんびんばかりは今日もどちらにも傾かない。
プロジェクトマネージャーの心得として、メンバーのベクトルを合わせることが重要と言われますが、
違うベクトルを持つメンバーをまとめあげて何かを成す能力こそ重要だと僕は思います。
鬼平も格好良いですが、島田勘兵衛（七人の侍より）こそ。
