私の会社の製品の開発をして頂いている大切な協力会社がある。


先日ノーベル賞を受賞して話題になっている、青色LEDなどの


関連技術に精通した会社で、弊社の光学系のアプリを担当して


頂いている、大変貴重な技術集団だ。


その社長が、昨年の3月、脳梗塞で倒れた事は以前お知らせした。





昨日その会社において、我が社を含む提携企業4社が集まり


次期開発製品の打合せをしたが、数時間の会議が終了する頃


その社長が気弱な表情で私に言った。


会社を吸収合併して頂けませんか…と。爆弾


倒れた後、右半身不随になって、社員の陣頭指揮に立つ自信が


無くなったと言う。


社長は、今でも大学工学部の準教授も勤める、正に現場主義の方で


自分で回路を設計し、自分で試作し実験を繰り返し開発する


事を常としてきた。


それが片手(しかも利き腕なし)では思うように出来ない。


社員に指示して代わりに試作してもらうが、部品の係数を


変更するにも、いちいち社員を呼び出して社員の作業を止めて


やってもらうしかない。


この作業内容を、回路図と表現だけで伝えることは至難の業で


時に、そんなことも分からんのかむかっと、社員を怒鳴る。


それを幾度も繰り返すうち、社長も社員もストレスを感じ


人間関係もギクシャクしてくる。


今まで容易く終わっていた作業が、その何倍もの時間を消費する。


その後、社員の方も呼び出して頂きお話を伺ったが、


精神的に病み始めている印象だった。


「少し検討させて下さい。」と言ってその会社を後にし、


帰社して考えたが、技術的に経験の深い弊社の技術者に、


開発試作を手伝わせるしかないだろう。


という結論に達した。


他の会社の技術者であれば、お互い一線を引いているので


横柄な態度も、乱暴な言葉も出ないに違いない。


社長のめがねに適うのは、弊社の技術部長しかいないが、


その工数のマイナスより、異分野においてのスペシャリストが


一緒に開発を行えば、お互いに得る物が大きいと確信したからだ。






早速、その旨社長に連絡すると、電話の向こうで社長は泣き出した。


「ずっと一緒にやっていきましょう」丁寧なお言葉が返ってきた。


これからも難題はたくさん生じるだろう。


でも、せっかく創めたんだ。


頑張ってやっていきましょう。