「ありがとう、フォルカーせんせい」パトリシア・ポラッコ/作・絵
今月のお勧めは「ありがとう、フォルカーせんせい」パトリシア・ポラッコ/作・絵、香咲弥須子/訳(岩崎書店)です。
トリシャは、絵がとっても上手。でも、文字がくねくねした形にしか見えなくて、文字を読めないまま小学校5年生になりました。トリシャは友だちにいじめられたり、自分の事を頭も悪いし、みんなとは違うと思っていました。5年生になった時、新しい先生フォルカーは、以前の先生とはちょっと違いました。トリシャの事をきちっと認めてくれて、一緒に文字の練習を始めました。そして本が読めるようになりました。その後、大人になったトリシャは、絵本作家になりました。実はこの絵本が彼女の作品なのです。
見方によってみんなと違う事が、「個性」と思われたり、「変な子」と思われたりすることを、改めて考える機会になると思います。大勢の中には、体型や肌の色が違ったり、勉強が得意だったり苦手だったりと様々な人がいます。その違いの良し悪しは誰が判断できるのでしょう?小学5年生までのトリシャは、とっても素敵なものを持っているのに、その芽を出せずにいました。フォルカー先生との出会いは、彼女の成長をも助けました。
なぜだかこのフォルカー先生と「絵本とおもちゃの店 カンガルーハウス」の高橋さんがダブって見えます。なぜなら、子ども達に好かれている高橋さんは、子どもの心を理解して、引き出しを一杯持っている人だからです。
さて、このお話は、LD(学習障害)であった作者本人の実話です。悩みを持っているあなたに、勇気をくれる1冊だと思います。そして、いつもこのコーナーを楽しみにしてくださっているあなたにも、トリシャとフォルカー先生のような素敵な出会いがありますよう、心から願っています。
付け加えておきますが、この冊子は、伊勢原市特定の地域で読売新聞を取っている約7000世帯の方々に配られているものです。毎月記事を寄せているので、それを紹介しています。
多少手を加えた部分はありますのであしからず。なお、絵本に関しての情報は、全て伊勢原駅南口「絵本とおもちゃの店 カンガルーハウス」にご協力いただいています。
神奈川県伊勢原市桜台1-13-6
小田急線・伊勢原駅南口
営業時間:AM10:00~PM20:00 定休日:月曜日・不定期
TEL:(0463)92-2016
