かえるの事情と○○の話 | ぼのぼの日記 くろーばー己書道場

かえるの事情と○○の話

どういうわけか、うちの庭には、やたらとあまがえるが多い。


なんとなく昔から、かえるは縁起が良いという思いがあるので


2Mほどあるレモンの木の葉っぱひとつに、おひとりさまづついるのは


まるで、アパートかマンション住まいと言った感じで、うれしい限りである。


しかし、どうしてこんなにもかえるが多いのか


かえるにはかえるの事情があったのだった。


我が家の庭には、狭いながらもレモンの木とサンショウの木が隣同士うわっている。


その柑橘系の木々には、夏になると毎年たくさんのアゲハ蝶々がやってきて


卵を産み付ける。


ところが、生みつけた卵の数にしては、蝶の幼虫の姿は


中々見ることが出来なかったのだ。


そして、よく観察してみると、レモンの葉っぱの上 あちこちに


成長もままならない幼虫達が、たくさんの残骸となって残っていた。


これはいったいどういうことだ?私は、 Winnie the Pooh のような頭で考えた。そして独り言「Think! Think!」


誰が、こんなことをしたのか。


どう考えても、答えはひとつ。


あの緑色のかわいらしいかえる達が、お腹すいてやったに違いない。


こうなると、今までかわいらしくうつっていたかえるも


にくらしい 蝶の天敵としか思えない。


そこで、果たして、生き残っている幼虫はいないのか


眼を凝らしてみてみた。


すると、お~お~いたいた。


鮮やかな緑色に変化した幼虫が1匹、そしてまだ緑に変色する前の黒いようちゅうが2匹。


私は、迷うことなく、サンショウの枝ごと切り落として幼虫たちを捕獲し、家で飼育することにした。


台所のかびんにさしてあるサンショウの枝の幼虫達を見て


子ども達は「何~~~~~~~~~~気持ち悪い~~~なんで家の中に連れて来るの!!!!!」


と非難ゴウゴウではあったが、無視しておいた。


さて、日中しばらく家を空けておいた私は、幼虫の姿を確認したが、


一番大きくて、緑色の鮮やかな幼虫がいなくなっていたのだった。


まるで、泥棒が足跡を残していった様な状態で、床に転々と彼の(彼女かもしれないが)


ふんが転がっていたのだった。慌てて行方を追ったが、冷蔵庫まで続くそのふんの先には、幼虫はいない。


確かに予兆はあった。動きがやたら緩慢だったので、そろそろ さなぎになるはずだったのである。


そうなると、もし無事なら、家のどこかでひそかにさなぎが孵化して


ある日家の中を飛び回っているか、もしくは、


のんびりとさなぎになる場所を求めて歩いていた幼虫のことを


”ちび”が見つけて、「なんだ、なんだ???」とばかりに、転がして遊んで、しまいには・・・・・・・・・とか?!?!


あとは、1週間たって蝶々が家の中を飛び回っていることを願うばかりである。


さて、他のまだ黒い子達は、とりあえず無事のはずだった。


しかし、まだ続きがあった。


サンショウの枝が枯れないように、せっせと水を換えていたのだが、


一旦切り落とした枝の葉は、非常に落ちやすい。


どうやら、食べようと思って乗っかった葉っぱが、自分の体もろとも落ちたのであろう。


中くらいの大きさの幼虫がまたもや消えていて、一番おちびさんしか残っていないのだ。


う~んこれにはさすがに私も、保護しないほうが良かったのではと


頭を抱えてしまった。


そんなわけで、今うちは、家族4人、犬2匹、そして幼虫1匹と暮らしている。


なんとかさなぎを 成虫にするまで、まだまだ幼虫飼育生活は続くのだった。