NYでのミュージックビデオシューティング秘話!撮影直前に逮捕、、
先日公開になった俺と2 Millyのシングルのミュージックビデオ「Money Walk」!
色々と素晴らしいスタッフの皆さんに協力して頂いて出来上がったビデオ、そこら辺もまた追々書いて行くとして。。。
今日はこのビデオを撮影した日の出来事について書いていきたいと思います。
このビデオを撮影したのは今から約2ヶ月前、7月13日、金曜日だった。
俺はあまり迷信的なのは信じない方だけど、これまで10年間のアメリカ生活で"13日の金曜日"にマジで良い思い出がない!
皆も知ってると思うけど13日の金曜日は基本的には不吉な日とされてて、俺自身も何かしらトラブルに巻き込まれる事が多かった。
今回は2回にわたるスケジュールの組み直し、その他色々な都合が重なって7月13日に撮影日が決まり、スケジュール的にもここで撮影出来なければもうスケジュールの組み直しは厳しいといった状況だった。
俺は「13日の金曜日か〜」とどこかで思いつつ、「13日の金曜日は不吉だから違う日にして下さい」という空気でもなかったし、ましてやそんな事で撮影を延期にするほど迷信を信じているほうでもない。
そんなこんなで7月13日金曜日に撮影が決まった。
撮影日当日、午後2時頃からスタッフが準備をしてくれて、アーティストの入り時間は午後3:30くらいだったと思う。俺もそのぐらいの時間に到着し、まだダンサー以外の演者は一人も来てなかった。
でも、想定内だった。
アメリカのヒップホップアーティストのビデオシューティングは皆本当にめちゃくちゃ遅れてくるのが一般的で1時間〜2時間くらいは遅れてくる事を前提でタイムテーブルを組んでいる。なので、3:30に入り時間を伝えたら、「まー5:30くらいには始められるでしょ」くらいの感じで撮影チームも考えている。
ライト等のセッティングが全て完了したら先に俺のシーンやモデルのシーンを撮影し始めた。その後、俺のDJ Crew, Team Go Gettasのメンバーが来て、その後に2 Millyの友人のプロデューサーが現れた。
その時点で5時くらいになっており、2 Millyとも前日に連絡したきり話していなかった為、少し不安になって俺はそのプロデューサーと話した。
「2 Milly連絡取れてないけど、連絡取れてる?」
俺が聞くと、その人は
「俺も連絡してるけど全然連絡取れない。俺は住所と時間だけ聞いてきたけど、、」
そこから俺も撮影チームも「もしかしたら来ないかも知れない。。」という懸念を抱きはじめた。
既にモデルのシーンの撮影も終えており、もし2 Millyがこのまま来ないならスタッフを拘束するのもどうなのか?バラしにした方が良いのか?もうちょっと待つか?などを色々と話合った。
すると、6時頃知らない人からインスタグラムのDMで連絡があった。
「俺は2 Millyの友達だ、2 Millyは昨日の夜から逮捕されて留置場にいる。今出そうとして皆で頑張ってる。」
という内容だった。その後その人に電話をし、
「今回のビデオシューティングはストリートじゃなくスタジオシューティングでスタジオに照明、機材、スタイリスト、メイク、モデルと多額の費用がかかっている。今日2 Millyが来なくて撮影がバラしになったら、多額の損失を出す事になる。とりあえずなんとかして出して、最後の1時間でも30分でも良いから連れて来てくれ。」
と伝えた。
しかしながら、その時点で俺は「多分来ないだろう」とスタッフに話していた。ベールマネー(保釈金)で出せる状況なのかどうかも解らなかったし、そんなに簡単に出れる確率の方が低いと考えていた。
ただ、あまりにお金がかかっていた為、撮影を中止にしたらもう全てを失う事は決定していた。
中々決められずに1時間ほどチームと色々と話し合っていた最中、知らない番号から電話がかかって来た。
「2 Millyだ。俺捕まってた。今出て来た。」
2 Millyだった。俺は、
「とりあえずめちゃくちゃお金掛かってる、短い時間でも良いから来てくれ!」
すると、「服あるのか?」と聞かれた。日本人オーナーのブランドNothin Special他、スタイリストが用意してくれた服が用意されてた。「服はある。来てくれ!」
その更に1時間後、2 MillyとCrewが現れた。留置場から直行、上半身はタンクトップ一枚、警察と一通りやりあって目の上に傷があった。
スタジオに案内して、メイクの子に傷を隠してもらって、飯を食べさせて、服を着てもらって、、、
撮影開始したのが午後9時くらいだった。
全部終わったのが深夜12時くらいだったと思う。
本当に長い1日だった。スタッフの皆にも色々迷惑かけたけど、無事に撮影終了!
ギリギリの状況で撮影、出来上がったビデオ。
その日は本当に大変だったけど、今となってはこうやって語れる一つの思い出でもある。
じゃ、そういうことで。