寒くなったり,少し温かくなったりしていますね。
このような気候を繰り返して,だんだん春になっていくのですね。
今日も,訪れてくださりありがとうございます♡
さて,この時期は面接の終結(一応の最終回をいう臨床心理学の専門用語です)もいくつもあります。
今回ご紹介させていただくのは,
当初学校に行くのがいやでたまらなくてお休みが続きかけた小学校2年生のお子さんの面接です。
このお子さんは,保育園のときから園に行くのを嫌がっていました。
小学校に入っても,それが続いていて,
お母さんは毎日,泣き叫ぶお子さんを無理やり,
引きずるようにして学校に連れてこられていました。
朝起きるところから抵抗し,
やっと準備をさせたと思い車に乗せようと思ったら脱走し,
捕まえてなんとか車に乗せるのですが,
今度は車から降りるのに抵抗し,
数人の先生方と引きずりだしたと思ったら,
泣き叫んで校舎に入らず逃げ出したりしていました。
このような様子にほとほと疲れ果てたお母さんが来談されたのは,
6月の最初でした。
お母さんの最初の一言を今でも鮮明に覚えています。
「学校を辞めさせようと思っているのですが・・」
その後,本人面接,お母さん面接,学校の先生方との支援会議を毎週のように行い,
学校を休んでも面接にはきてくれるようになりました。
その後1ヶ月も経たないうちに,毎日登校するようになり,
3ヶ月後には教室に入れるようになってきました。
今年の3月には卒業式にも参加でき,
自分から学校の用意をしてお母さんの用意も手伝って,
先に車に乗って待っているようになりました。
先週の最終回でお母さんに,お尋ねしました。
「今日までで,いろいろな変化があったと思いますが,何か感じられることはありますか?」
するとお母さんはこう答えられたのです。
「一番変わったのは,この子はこの子のままでいいって思えるようになったことです」
それを聞いて,私はとても驚きました。
なぜなら,コミュニケーションの苦手さから,
応用行動分析学に基づいた面接を取り入れて,
行動の強化を中心にプログラムを組み,
お家の方にもご協力いただいていたことと,
とても素敵なお母さんでしたので,
お母さんの気づきを促す面接をしていなかったので,
子ども自身の存在自体の受容については,
配慮をしていなかったからです。
でも,その言葉を聞いて,
私が無意識にそのような応答をしていた可能性があること,
そして,お母さんご自身が面接を通してこのような気づきと変化をご自分にもたらされたことを思い,
心からうれしかったです。
人が変わったと周りの先生方や人から言われるようになったお子さんとの面接は,
私にとって,とても楽しい時間でした。
そして,臨床心理士になってよかった,と心から思え,
多くを学ばせていただいた素晴らしいご縁でした。
これからの子どもさんの明るい未来と素晴らしい人生を心からお祈りしながら,
去って行かれる後ろ姿を見送りました。
私の大切な出会いをここまで読んでいただき,本当にありがとうございます。
みなさまにもさらに素晴らしい出会いが訪れられますように。。よつ葉