2024年8月の日経平均大暴落はいわゆる円キャリートレードの巻き戻しだと言われている。私は今までその円キャリートレードの理解不足で、実はそれが想像以上に怖いことだと気付けなかった。
2013年のアベノミクス異次元緩和政策を推進した日銀と日本政府のエコノミストたちは、それは日本経済の成長戦略と思っていた。しかし、それは全く誤りでした。
つまり異次元緩和政策によって、日本円をほぼ金利ゼロからマイナス金利で供給するということは、日本円での大きな投資を呼びこみ、日本経済を活性化させると考えていました。しかし結果はその金利ゼロの日本円は、日本国内に投資されず、ほとんど海外の資産に投資され、日本国内にはわずかしか投資されなかったということを示しています。それは金利ゼロの日本円を借り、その借金は金利がわずかなので、アメリカドルに交換し、より儲かる投資先である、海外債券や海外株式、海外不動産、仮想通貨に投資することで、投資資金不足に悩むファンドが、将来有望な海外資産に投資できるということになったのです。
つまり、日本円の異次元緩和が海外の成長とインフレを引き起こしたと言えるのではないでしょうか。結果としてアメリカはインフレとなり大幅に経済成長したが、日本が成長できなかった原因は、この日本円異次元緩和政策にあったと言えるでしょう。
結果として、ではどうすべきだったということで言えば、本来は日本円のゼロ金利は国内に限定する必要があったのだろうと思われます。ゼロ金利などありえない政策をやるにしては、日本の金融マン たちは全く想像力にかけた人たちだったのでしょう。 では今後このような政策は有効か。 もし国内在住者だけに金利ゼロでやるという方策が取れるのであれば 、それはあり得るかもしれないが、グローバル社会ではやれませんよ ということであれば 、もう二度とこのような政策を取ることはできない。グローバル社会ではグローバルに整合的な金利を取るということでなければ大きな影響があることがわかりました。特に日本は個人資産が2100兆円あるそうです。その2100兆円がどこにあるかといえば、日本国内に資産があるわけではなく、 それが金融機関を通し全世界に投資されている。この10年日本の個人資産 2100兆円のお金は、タダで全世界に 投資され、日本の個人は搾取されてしまった。下手をすればその資産は戻ってこない可能性だってあるわけです。日銀を含めた日本の金融機関は貸し出しが戻ってこなければ、 日本の破綻もありうるような危険な取引をグローバルではずっと してきていると考えられます。