2017年6月30日
新文芸坐

【鑑賞作】幸せなひとりぼっち 2015 スゥエーデン 原題 En man som heter Ove
【感想】最愛の妻をガンで無くした老人は、街の秩序を守る頑固ジジイでとにかく偏屈なのだ。彼はもうこの世には未練もなく妻のもとに行きたいと、数々の自殺を試みるが、いつも邪魔が入る。邪魔をする彼を気にする隣人や昔からの知り合い、妻の教え子、孫のような隣人の娘と交流しているうちに、子どもを事故でなくし、妻もなくしたひとりぼっち老人は開放され、自殺を諦める。近所と交流深め、昔からの友人とも再び交流した彼は、最後には濃密な人間関係を残して最愛の妻のもとへ静かに旅立つヒューマンドラマ。スゥエーデンでも高齢化と介護は問題化していると思う。だからこその高福祉社会であり、問題は解決されたわけではない。この映画のように、老人は周囲との関係が幸せかどうかがキーだろうと思う

 

【鑑賞作】ダーティグランパ 2016 アメリカ 原題 Dirty Grandpa

【感想】妻を亡くした破天荒な祖父と、自分を押し殺して親の望む職や結婚という道を進もうとしている真面目な孫の物語。 祖父は、俺は妻も亡くなったから、今からやりたいことをやりたいから付き合えと、無理やり孫をアトランタからフロリダに連れ出していく。フロリダは酒とセックス、大麻、ドラッグ、喧嘩など、なんでもありのとんでもない世界である。祖父と孫は、はめをはずして一緒に大騒ぎとバカをやるのだ。しかしその中で真面目な孫は、祖父の知らなかった姿を知り、祖父が息子や孫や家族との過去を反省していることを知ることで、本当に愛することや、やりたいこと、人生を考え直すことになっていく。

とにかくアメリカ映画とはいえドタバタのコメディとエロティックとダーティな裏社会にしんみりするお話をとにかくごぢゃ混ぜにした映画。日本の評価は低い映画かも知れないが、アメリカ社会らしい映画と思う。