まだ私の病気がそれほど深刻ではなかったとき、私は暇つぶしにゆるゆるマイペースで勉強できるような成人向けの学校を選んで通ったら、そこは高卒の資格を得るための動物園な学校だった。

それでもオランダ語もウインドウズの勉強もできると嬉々として授業を受けると、始業時間にいつも遅刻してくる子、有り余るエネルギーがあるのか授業中もウロウロ歩き回る子、いきなりキレて怒鳴り始める子、紙飛行機を飛ばしあってる子、学校に通っていない自分の恋人を隣に座らせていちゃついてる子とそして何を勉強していいのかほとんど学校に来ない移民の子達。まさに教室は檻の中だった。

でも猛獣使いは誰もいない。教師たちは自分の言いたいことを言って授業を終わらせて、文句を言われながらテストもした。私はたった一人机に腰掛けて真面目に授業を受け、勉強してテストもかなりできた。最初は15名程度だった生徒が半年もたつとたった3名に減った科目もある。

猛獣たちの中にいるせいか、私の顔はそれほどいじられることもなかったし、顔も徐々に変形していたので同級生たちも慣れていったのだと思う。ウインドウズのワード教室はみっちりとやっていたのに、エクセルはかなり簡単なものだったが、教師は私に頼るほど知識がなかったので、私はとりあえずパソコンの前に座ってる猛獣たちをまわって教えたりもしてみた。

 

そして学期末のテストは私はほぼできたと思っていた。確かにオランダ語は母国語の生徒たちと比べたら、劣ってはいただろうが、それでも文法は得意だったし、何の問題もないと思っていた。ところが私の成績はぎりぎり合格点。そしてオランダ語がうまく話せず、ほとんど学校に来ていなかった黒人の生徒たちは私より成績が良かった。しかも私のオランダ語がひどすぎるという理由で、私だけがいくつもの教科を私は受講することが許されなかった。どう考えても理解できないので、説明を聞いても、あなたのオランダ語が下手すぎるからだと言う。何がどうおかしいのかと聞くと発音が日本語訛りだと言う。でもこの発音で私はオランダ語の語学試験でパートタイムの大学生までできて、発音が変すぎると言われたことはなかった。

この学校の授業でも教師の言ってることは理解していたし生徒たちとも普通に会話していたし、オランダ語が分からなくて授業についていけないアフリカ人の生徒を手伝っていたのは私だったのに、どーゆーこと??としか思い浮かばなかった。もうこれ以上ついていけない。

 

これは昔のイギリスのコメディ番組で、移民の英語は絶対に理解しないイギリス人を描いているけど、この学校の教師たち、これと同じこと私にしてた。生徒たちが私と同じこと言って、教師があーそうなのと答えてた。偏狭な教師たちは何も日本だけではないのかも知れない。

 

 

俺だけレベルアップな件。

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