たまにベルギーのテレビ番組をネットで見る。驚くことにベルギーでは今でも白黒テレビのドラマを再放送し続けている。子供たちが木靴をはいてコロコロ言わせながら歩いているなんて場面があると、思わずうへーなんて言ってしまう。

 私はずっと都会の真ん中で、景色が時代とともに変わっていく中で育ってしまい、古い景色のままの中で育ったことがなかったから、こんなリアクションがでてきてしまうのかもしれない。

 もっと若い時にあえて地方都市に行って就職して静かな暮らしをしていたら、どんな人生を送っていたんだろうか? きっと目の前に広がる自然に心が満たされて、どこかに行こうなんて考え付かなかっただろうな。しまったな、今になっていろんな生き方を選ぶことができたことに気がついてしまった。

そんなことを考えながら、ベルギーの風景が変わりない田舎の道を歩いてみる。

 

昔から野良仕事が終わったら、こんな小さな礼拝堂で蝋燭に火を灯して感謝していたのだろう。今でもここには小さな蝋燭がいくつか点っている。信仰心があるところにはちゃんと秩序があるなとベルギーで思う。