早に駅に急ぎ、既に人でいっぱいの電車の中へ、自分の身体を押し込める。
電車の中では、無理矢理新聞を広げる人、腕が触れただの足を踏まれただのだと、必ず些細なことでどこかで口論が始まる。
ドアのそばではずっと一人で話し続ける男性がいつものように背広姿でたっている。
 どの顔も不機嫌で、わたしは隙間から富士山を毎日のように確認する。耳の中で音楽が鳴り、私は頭の中の自分の小さな世界を楽しむ。
そして、ホームに降り立つと、突き飛ばされながら、早歩きでビルに向かう。ああ、今日も山のような仕事に、何時に帰れるんだろうと思いながら。
 それが横浜から東京への通勤の朝だった。
でも時々電車の中で、叫んでみたい衝動に駆られてた。もういい加減にしてくれ!!


 今ここに来て、私は朝もやを眺め、水鳥達のさえずりを楽しむ。
朝がこんなに美しかったなんて、子供時代ですら感じたことがあったのかななんて思いながら。
 日本の田舎で時間や季節を感じ、憂鬱になる通勤時間などなかったら、私はどこかに行きたいなんて思わなかったかもしれない。

$ベルギーカントリーライフ-sunrise





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