経済産業省は人々の関心も薄れたと思ったのでしょうか
水素爆発から5ヶ月も過ぎ、そろそろ9月に入ろうかというときになって、こっそり放出された核種と量について、ホームページで発表しました。




タイトルは、
2011年8月26日 東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び広島に投下された原子爆弾から放出された放射性物質に関する試算値について。

これは、3月11日から3月16日までに、どんな核種がどれだけ放出されたかを原子力安全・保安院が遡って推計したものです。

こんなことをこんなに時間がたってからこそこそ出してきました。

$放射能や人災から子供を守ろう 管理人の想い



この表について、週刊現代の9月10日号の記事によると、








「このリストは、福島第一原発事故直後から3号機が爆発した後の3月16日までに、どれだけの放射性物質が大気中に放出されたかの試算を原子力安全・保安院がまとめたものだ。

それによると、放出された放射性物質は全部で31種類。

そのなかには半減期が2万4065年のプルトニウム239や、ストロンチウム 90なども含まれている。

プルトニウムは、セシウムや放射性ヨウ素と比較すると重く、東京電力が3月28日に、原発敷地内でごく微量を検出したと発表した以外、実際にどれくらいのプルトニウムが放出されたのかも明らかになっていなかった。

ところが、リストに記載された試算値では、プルトニウム239だけで合計32億ベクレルが大気中に放出されたというのである。

セシウム137にしても、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教によれば、広島原爆の150発分が放出されたことになる、というから衝撃的だ」。












と書いてあります。

表の下に小さく記されているように、「IAEA閣僚会議に対する日本政府の報告書」として6月に作られたということです。

間もなく6月に入るというときになって、IAEAへの報告書の提出期限が迫ってきたので、今までひた隠しにしてきた「3月にプルト二ウムが大量放出されていた」ことを、しぶしぶ正式発表した、ということです。

そして、経済産業省のホームページに掲出されたのはさらに2ヵ月以上経った8月26日なのです。
それも、もっとも目立たない方法で。

東電は、最初の爆発(3月12日の1号機の水素爆発)の時点でプルト二ウムが放出されていたことを知っていたため、記者会見でマスコミが質問してくるまで、あえて自分のほうから「プルト二ウム放出の可能性」については言わなかったのです。

さらに東電は
「プルトニウムはアルファ線だが、どれぐらいの量があるかを測定する装置を当社は持っていない。測定していない以上は、絶対ないとは言えない」
などと、子供でも言わないような言い訳を通してきました。

東電が、やっとプルト二ウムが放出されていたことを認めても、「ごく微量で心配ないレベル」をマスコミは何も調べないで、そのまま垂れ流してきたのです。

その結果、マスコミは、まったく罪もない赤ちゃんまで被曝させました。



上の表によれば、ヒロシマの原爆で放出されたセシウム137は、ヒロシマ原爆の約168倍
同位体のセシウム134と併せると、途方もない量のセシウムが放出されたことが分ります。

そして
プルト二ウム239がβ崩壊する前のネプツニウム239(物理的半減期は2.4日)も出ていますから、上の表にあるとおり、大量のプルトニウムが大気中に放出されてしまったことは疑いようのないことです。

ちなもに
ウラン238+中性子→ウラン239→β崩壊→ネプツニウム239→β崩壊→プルトニウム239
という順に崩壊していきます。

原子力安全・保安院がプログラムを使って推計した結果によると

福島原発から放出されたプルト二ウム239は76兆ベクレル。
これは前に、発表された量の実に23000倍の量だそうです。

ネプツニウム239が生成されていたのですから、少なく見積もっても、3月、4月は大量のプルト二ウムが出ていたということが言えます。

結局、3月12日の1号機の水素爆発のときから、プルト二ウムは放出されていて、福島だけでなく、遠く北米大陸まで飛んでいっているのです。
そして、東北、関東の人々は当然のこと、世界中の人々も、何も知らされずにプルト二ウムを吸い込まされてしまった、ということになります。

しかし、東電、保安院は3月12日のときに、このことを予想していたし、3月下旬には、プルトニウが大量に放出されていることを、しっかり認識していたのです。

プルト二ウムが地球でもっとも毒性が強い物質だというのは、プルト二ウムのホットパーティクルを一呼吸でも吸い込んだりしたら、高い確率で肺がんになるかもしれない、ということからです。

プルト二ウムはα線核種ですから、ホールボディーカウンター検査を受けても検出されません。

どんどん手遅れになってしまいます。











さて、タバコの収穫が始まりました。





初回は問題なし JTの国産葉たばこ放射性物質検査 
2011、9、6 産経ニュース


日本たばこ産業(JT)は6日、タバコの原料となる葉タバコのうち収穫期を迎えた「黄色種葉タバコ」について放射性物質の検査を実施したところ、放射性セシウム、放射性ヨウ素ともに同社暫定基準値を超えたものはなかったと発表した。

検査は生産農家からの購入を控えて実施したもので、対象地域は農作物で放射性物質の検出による出荷自粛、制限が行われた茨城、栃木、千葉、静岡の4県と近隣で黄色葉タバコの生産地である新潟市と愛知県豊橋市。

福島県は東京電力福島第1原発事故の影響ですでに今年の耕作を休止している。

対象となる葉タバコの量は茨城、栃木、千葉、静岡の4県で、昨年同社が全国の生産農家から購入した約3万トンの約7%にあたる約2000トン。

各市町村別にサンプルを抽出し、同社の研究所でゲルマニウム半導体検出器を使用して放射性セシウム134、同137、放射性ヨウ素131が検出されるかどうかを検査。

同社暫定基準値はセシウムが1キログラム当たり500ベクレル、ヨウ素が同2000ベクレルだが、検査結果はいずれもセシウムは基準値を下回った。

タバコの原料となる葉タバコのうち収穫期を迎えた「黄色種葉タバコ」について放射性物質の検査を実施したところ、放射性セシウム、放射性ヨウ素ともに同社暫定基準値を超えたものはなかったと発表した。

葉タバコは食品ではないため、今回は食品衛生法が規定する野菜類の数値を適用した。








放射性物質の検出器にはゲルマニウム半導体検出器を使っているので、放射性核種まで計っているのでしょう。

しかし、同社の暫定基準値は、セシウムが1kg当たり500ベクレル、同じくヨウ素が2000ベクレルに設定しているとのこと。

「タバコは食品ではないため、食品衛生法が規定する野菜での基準値を適用した」
と書かれています。

意味が分りますか?

JTは、タバコの基準値を国が決めていないので、勝手に野菜の基準値を適用しているのです。
しかし、JTは、「タバコは野菜ではない」と言っています。

言っていることがむちゃくちゃです。

野菜は食べるものですが、タバコは煙を吸引するものです。
気管支から肺に入ります。

食道から胃に入った場合、ある程度は便となって排出されますが、気管支から肺に入ってしまうのは非常に厄介です。
特に、プルトニウムは肺に入る事はなんとしても避けないといけません。

肺に一度入ってしまうとなかなか排出されず、肺から血液に流れ込み全身に行き渡り、骨に吸収されます。

更に、タバコは吸う人だけでなく、副流煙で周りの人全てに危害が加わります。
非常に悪質です。

JTは、例によって「野菜の基準値を下回ったから安全だ」と言っているのですが
しかし、(JTが勝手に都合のいいように決めた)基準値以下だからといっても、セシウムは確かに葉タバコに入っているのです。
そして、その数値は発表していません。

そして、上の原子力安全・保安院が発表した表のとおり、セシウムが検出されれば、一定の割合で必ずプルト二ウムも入っているのです。
その上、基準値は、経口の野菜と同じ。

こんなタバコを吸っていれば、肺の中は間違いなく、ミニホットスポットだらけになります。
確実に肺ガンになる人が、一気に増えるでしょう。



周りの人にも、強大な害をもたらす事を理解した上でセシウムタバコを吸っていただきたいです。
正直、吸わない方からすると、かなり迷惑です。