食品安全委員会は
「生涯100ミリシーベルトまでなら健康に問題が出ることはない」
と言って、食品の暫定基準値をいかにも妥当で安全であるかのように印象づけて正当化しています。

ところが、最初から科学的な根拠など、どこにもないのですから、ちょうど
「警察につかまった詐欺師が、仲間の詐欺師を弁護しているようなもの」なのです。

嘘つきの名人が、嘘つきを、いくらかばったところで警察は信じないでしょう。

内部被曝を無視して外部被曝しか計算に入れない原発作業員の被爆上限値ですが、これは5年間に浴びていい放射線量の積算値が100ミリシーベルトまでということになっています。


原発作業員の場合は5年間のトータルが100ミリシーベルト以内ということが法律で定められているのですが、これにはカラクリがあって、たとえば最初の1年目に60ミリシーベルトを浴びてしまえば、後の4年間の合計被曝線量は40ミリシーベルトまで、ということになります。
しかし、その4年目の最初の年に40ミリシーベルトを浴びてしまえば、残りの3年は原発で働けなくなります。
それどころか放射線量の少ない環境を探して転地しなければならなくなります。

つまり、この場合は2年間で100ミリシーベルト浴びても法律には違反しない、ということになってしまうのです。
これでは、おそらくガンが発症してしまうか、内臓に疾患が出てくるでしょう。
しかし、それでも法律上は原発作業に従事したこととガンの発症との間には因果関係はない、ということになってしまうのです。
だからガンを発症したとしても国は補償の対象としないと、見殺しにしようと思えば、そのようにできるということです。

福島児童の20ミリシーベルトの場合も同じです。
すでに3.8マイクロシーベルト/時を超えているホットスポットが次々と見つかっています。
除染したとしても、このまま生活していれば、年間20ミリシーベルトは超えてしまいます。

佐藤雄平知事が税収減を心配して、県民を外に出さないためにいろいろ画策しているようですが、福島児童を他県に避難させずに、このままホットスポットの中で生活させた場合、福島の児童はすぐに100ミリシーベルトを超えてしまうでしょう。

しかも、これは外部被曝なのです。

国の決めたことは正しいのだから、福島児童が甲状腺がんになっても、国の責任ではない、ということにしたいのです。

誰かさんが、これと似たようなことを国会で言っていました。
「自衛隊のいるところは非戦闘地帯になる」。

小泉は自衛隊員が死んだら、こう言うつもりだったのでしょう。

「自衛隊員が死んだのは、敵に狙われたのではない。流れ弾に当たったのだから事故なのだ」。

これと同じことを政府は日本の全国民に押し付けようとしているのです。
これは壮大な詐欺であり違法行為です。

そして、「政府が保証した暫定基準値内」の食品をどんどん食べて、生涯100ミリシーベルトの上限値を3年で超えてしまったとしたら、今度は生涯の食品による内部被曝上限値を200ミリシーベルト」に引き上げるのです。

これは、国が毅然とした態度で、しっかりした科学的根拠を基にした食品の安全な暫定基準値を決める意志がない証拠です。
問題を先送りして、うやむやにしてしまいたいのです。
数十年後、この後始末は誰もやりません。

国民は諦めているか忘れています。

「どうも、最近はガンになる人が昔より増えたね」。
平均寿命が60歳になったってさ。日本の人口は8000万人切ったらしいよ」。

国民はtwitterのようなソーシャル・メディアで、酔いどれのごとくこうつぶやくのです。

このまま何もしなければ、こんな未来がやってきます。




ソース


この異常な状況に慣れるということは、とても恐ろしいと思う。