医療福祉事業経営で、「人事賃金制度」は極めて重要である。
医療福祉事業は、人が人に仕える「サービス」である。
収入に結びつく「サービス」は人によって生み出され、同時に、人に支払う「賃金」は、事業経営の最大の「コスト」となる。
賃金をどのように配分するか、配分の方式を「賃金体系」というが、年齢、勤続年数によって決定する「年功給」は、急速に見直されている。
それに替わって、「能力給」「成果賃金」が脚光をあびてきた。
能力給も成果賃金も、賃金決定にいたる手順が極めて緻密に構築されていて、結果としては、「現場経営者」に理解できる「賃金体系」になっていない。
医療福祉事業では、勤務形態が2交代、あるいは3交代となっていることが多く、夜間勤務に対しては「手当」が支給される。医療福祉事業現場で、夜間勤務に対して「手当」が支給されることに異論はなく、支給額も勤務回数によって算定されるので明快である。
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2000年4月から実施された「介護保険制度」によって、福祉事業は、従来の措置制度から脱却して「サービス事業」として、位置づけられるようになった。
更に、2005年10月より実施される「居住費と食費」の利用者負担によって、介護福祉事業は「経営」を求められるようになってきた。
このような背景で、「夜勤手当」のような特殊な勤務形態に対する手当だけでなく、「経営」にかかわる「職責・役割」によって支給される賃金が必要となってきた。
それが、私の提唱する「職種別・職位別賃金体系」である。
人事賃金制度の急激な変化は組織に混乱を起こすので、「基本給」は現状を大きく変えることなく、「役割手当」の導入から、現行賃金制度の見直しをしてはどうか。