ホテル「しらさき」の近くにレストラン「若竹」がある。
店に入ると、水の入ってない水槽があり、カウンターがあり、宴会ができる畳の部屋がある。レストランというよりも「割烹」のつくりであるが、メニューを見ると700円の定食がメイン。
おやじさんとおかみさんの二人でやっている店で、年中無休、日曜日も国民の祝日もお盆休みもなく、働いている。
先日の日曜日に珍しく店が閉まっていたのだが、その日は息子の結婚式の当日であった。
子供は、長男、長女、次男の3人で、今年に入って、長女と長男が結婚した。
次男は19歳だから、しばらくは結婚しないだろうけれども、子供を生み、育て、結婚させてという親の務めを必死で果たしているような生き方である。
おやじさんはいかにも職人さんといった雰囲気をもった小柄な筋肉質の体形の方で、若い頃には横浜あたりで板前修業をしたようである。
「包丁の背中で頭をコツンとやられました」
と苦労の時代をサラりと語る。
おかみさんは長崎の出身であるが、なぜか、私には我慢強い東北の女性のように見える。頑固なおやじに負けないで、ここまで子供3人を育ててきたのだろうなと想像する。
見ていると頑固おやじもこのおかみさんには頭が上がらないようである。