勤務が終わったら、今日は「大谷洞」にいく。
「大谷洞」は、鹿屋長寿園のすぐ近くにある銭湯である。
ここも、高隈山系の岩山から流れ出る清水をひいてきて沸かした「鉱泉」である。
一見、もう潰れるのではないかという浴場であるが、私はこの「大谷洞」が一番好きである。
湯はとんでもなく熱い。
何時も決まった顔ぶれで、熱くないと気のすまない人たちが集まるクラブのようなものだ。
これでは商売にならないだろうと思うが、お湯も水も惜しげもなく使っている。
水風呂も勢いよく流しっぱなしで、そこに丸々と太ったオットセイのようなオジサンがザンブとつかる。
水は風呂からあふれ出て、洗い場を音をたてて流れる。
豪快というか贅沢というか・・・。
お湯が熱いので、浴室はサウナ状態で、湯船から出て洗い場にいても汗が吹き出てくる。
何度も、お湯と水風呂を交互に入って、居酒屋に暖簾がさがる7時まで、ゆっくりと時間を過ごす。
窓からは夕日に照らされた山の稜線が見える。
鹿屋に住む人は、東京のような都会では失われた、大自然の恵みを享受していると言えよう。