最近、生きるということについて
考えさせられる出来事がありましたので、
私なりの意見を書いてみようと思います。
私事ですが、父が体調を崩し、
延命治療をするかどうかという
選択を迫られました。
元気な時にどうするか
聞いておけば良かったと思いましたが、
時すでに遅し。
もうほとんど話すことも
出来なくなっていました。
父の人となりを振り返ってみると
非常に繊細な人であったなと感じました。
それ故に、生きることへの
執着のようなものはあるのではないか
と思いました。
延命治療をするかどうか決める日に
寝たきりで
話すこともほぼ出来ず
日によっては
ほとんど反応すらしなかったのに
その日に限って
目をぱっちり開けていた父に
私は、
父の選択を聞いてみることにしました。
どちらにするか
という質問には答えませんでしたが、
「じゃあ、私が決めてもいいの？」
という質問にだけ
「そりぁ、ええわー」(それでいいよ)
と応えました。
これには思わず泣いてしまいましたが。
でも、
目をぱっちり開けて
何かを訴えている…
それを見て、
私に選択は委ねると言っていても
やはり生きたいんだな
と感じました。
歩くことも
食べることも
喋ることも出来ない。
なんの楽しみもない。
そんな状態でも
人の本能はやはり生きることを望むのだなー
と感じ、生きるってなんなのだろう
と改めて考えさせられました。
「何のために生きるか？」
そう聞かれたら
あなたは何と答えますか？
私は
何も出来ず
目的もない状態では
生きていたくない
と、今は思っています。
でも、命の選択を迫られた時に
果たしてどう思うのか、
それはその時になってみないと
分からないんだろうな
と、父を見ていて思いました。
父が生きることに対して
執着があるだろうことを差し引いても、
それだけ、
生きることって
言葉では語り尽くせない
神秘に満ちた奥深いものなのでしょう。
魂は生きているのに体を失くすことに抗う。
それは、
体を持って生まれた人間の性。
そこに理屈はなく、
何を置いても1番の優先事項。
何のために生きるかという問いには
「生存本能として
生きることを
プログラミングされているから」
という答えが
もしかしたら、
一番ぴったりなのかもしれません。
しかし、私達は
魂も心も持っています。
絶対的な優先事項は
体の持つ生存本能だとしても
魂や心が望む「生きること」も
大切なように思います。
心が折れてしまって
自ら命を絶つというケースもあります。
絶対的な生存本能をも揺るがす
心の在り方には
生きることって何なのか
を改めて考えさせられます。
「何のために生きているか
分からない状態で
生きていたくないし
生きるのも辛いだろう」
と言った私に
ある友人は
「元気な人でも
何のために生きているか
分からない人は大勢いる」
と言いました。
日常に紛れて生きている私達は
多くがそうなのかもしれないし、
言われてみれば、
当たり前のことなのかもしれないけれど
それを聞いた時、
私はショックを受けました。
今世生まれてきたという貴重な体験を
ただ息をすること、物質世界だけで
終わる人は多いのだと思います。
これは私の考え方で
どちらが良い悪いでは勿論ないのですが、
それは、
すごく勿体ないことのように思えました。
もちろん精神世界に生き過ぎても
物質世界とのバランスが悪くなる
と思いますが、
何か足りないという想いや疑問も
大切な何かを見失わないために
必要なのではないかと思ったからです。
もちろん、
目の前の幸せに感謝することは大切だし、
疑問は持たない方が
幸せなのかもしれません。
どちらを選択するかは
それぞれが決めることですし、
きっとこれという
正解はないのだと思いますが、
「いかに生きるか」について
年末年始、
自分の棚卸しをしながら
考えてみるのもいいかもしれません。
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