幸せの基準は人によって違いますが、
出来事の捉え方、時間の過ごし方で、
感じ方は大きく変わってきます。
先進国でありながら、
日本人は幸福度がとても低いです。
サービスや技術は日々向上し、
魅力的な「モノ」が世間にあふれても、
国民の多くは生活に幸せを
あまり見い出せていません。
つまり文化水準と幸福度は、
比例しないということです。
豊かであるはずなのに、
心が貧しい。
写真を取っただけで
食べ物を捨ててしまう
インスタグラマーなどを見ていると、
そんな風に思えます。
人生観や時間の過ごし方、
考え方という点で、
僕たち日本人は大きな罠に
はまっているのかもしれません。
これに対し、
北欧の人々は幸福度が高く、
その時間の過ごし方や人生観は、
日本人と大きく異なります。
一度きりのこの人生が
幸せだと思えるようなコツを、
彼らは知っているのです。
ここ数年、
欧米では「ヒュッゲ」という
概念が広まっています。
あまり聞き慣れない言葉ですね。
デンマークの言葉で、
「居心地がいい時間や空間」
を意味するそうです。
デンマークは「世界で最も幸せな国」
のトップクラスに
ランクインしていて、
日常の中に幸せを見出すのが
得意なんですね。
いつも肌触りの
良いものを身につける。
散歩を楽しむ。
友人や家族と
温かい飲み物を飲みながら、
外の景色を楽しむ。
デンマークの人は、
自然やゆったりとした時間を
楽しむ傾向があるようです。
それは誰かといるときも、
一人でいるときも変わりません。
自分にとって何が心地よいのか、
どう過ごせば楽しいのかを、
真剣に考えています。
忙しくて自己犠牲の精神が強い
僕たち日本人と、
決定的に違うところですね。
そして暮らしそのものを
味わうことができれば、
不必要に刺激を求める必要もなく、
モノを買い過ぎることもなく、
人間性が穏やかになり、
トラブルも少なくなるのでは
ないでしょうか。
僕は何度か
北欧を訪れたことがあります。
フィンランド、ノルウェー、
デンマークに滞在しました。
そのときに印象に残ったのが、
人々が幸せそうだったことです。
街を歩いていると、
笑顔の人がたくさんいました。
陽気に話しかけてくれますし、
道を尋ねれば喜んで教えてくれて、
案内までしてくれた人も
いたくらいです。
治安も比較的良くて、
幸福で親切な国民性だと感じました。
自分が満たされれば
他人を攻撃する必要がなく、
困っている人がいたら、
助ける余裕も生まれます。
幸福度が高い北欧の人々、
特にデンマークの人々の意識には、
ヒュッゲという意識が
浸透していたのだなと、
後になって気づきました。
お勧めの旅行先です。
人々の幸せオーラを、
肌で感じることができますよ。
北欧の人々のように、
自分の心地よさに真剣に向き合い、
生活のそれぞれの一コマに
幸せを見出せたら、
本当にすてきですよね。
ヒュッゲを意識することにより、
僕たち日本人の幸福度を
上げることはできるのでしょうか。
北欧諸国と日本の社会制度は、
かなり違います。
デンマーク人に聞いた話によると、
圧倒的に福祉や医療、
教育制度が充実していて、
学校や病院などは
すべて無料だそうです。
これはかなり高い税負担によって
実現していることですが、
生活の安心感がまったく違います。
日本では子どもの
養育費を捻出する上に、
急な事故や病気になった場合、
保険制度がじゅうぶんに
利用できなかったら、
家計が一気に苦しくなりますよね。
人生の「まさか」が起こったときに、
国を頼ることができません。
高い医療費などを想定して、
老後の明るい未来を
期待しにくくもあります。
国民が安心して暮らせる北欧では、
居心地のいい時間や
空間を追求する余裕があるのは、
自然なことと言えます。
休暇は2、3週間取るのが普通で、
お金や生活のためには働かず、
自らの喜びのために働ける
地盤が整っています。
国に余裕が生まれれば、
国民の働き方も幸せになるんですね。
今の日本の政治と社会制度では、
基本的な安心感を
感じるのは難しいです。
政治家の資質を疑う不祥事の連続、
不透明なお金の流れなど、
国民の不信感が強く、
何に使われるかわからないのに
増税と言っても、
なかなか前に進みません。
ヒュッゲを意識している
余裕などないという人が
多いのが実情でしょう。
僕は政治経済の
専門家ではありませんので、
もしかしたら的外れなことを
言っているのかもしれません。
でも、幸せを感じずらい
社会制度であっても、
個人レベルで
できることはあるはずです。
自分の幸せについて、
真剣に考えること。
時間がないのなら、
つくりましょう。
どうしてもつくれないなら、
環境を変えてみましょう。
今は環境すらも変えられない、
まったく打つ手ナシだ!
そんな状況なら、
日常の中にほっこりできる瞬間を
見つけてみることから始められます。
何気ないコーヒータイムや、
通勤時間の合間、
お風呂でくつろいでいるとき、
夜の寝る前の時間など。
ささやかな時間と楽しみを
意識して感じることは、
未来を大きく向上させる
可能性を秘めています。
それを少しずつでも広げていくのが、
ヒュッゲを意識すること。
先行きの暗い社会の中にあっても、
僕たち一人一人ができることです。

