女性道(女は花であれ) -26ページ目
コイバナ
恋花
「彼の怒り」
初めてのデートで
私の気持ちを私自身が
しっかりと確認できた様に
思いました
大恋愛をし結婚をした
にもかかわらず
父以外の人との
恋多き母を見て育った
私…です
いつしか
恋愛に臆病になり
消極的な私が
初めて恋と言うものを
感じ始めている…
彼を
恋しく思い始めている
彼の手の温もり
彼の一生懸命な思い
彼の優しい眼差し
可愛いしぐさ
講義中でも
いつの間にか
彼の笑顔を
思い出してしまう
そんな事は今までに
なかった…
思い出すと嬉しくて
とても幸せな気持ちになる
これが
恋だとするのなら
私は彼に
恋をしているのだと思う…
「何ぼーっとしてるの?」
友だちがいきなり
そう言った
「Mくんの笑顔見てたの」
私はそう正直に言う
「はい、ごちそうさま!
でもね、今のところ
後期の試験に出るらしいよ」
と友だちが笑う
日を追うごとに
彼と会う度に
好きになってゆく
私の恋は
少しずつ少しずつ
ほんとうに
少しずつ
小さな花が
花びらを一枚一枚と
開いてゆくかのよう
でした
**
もうすぐクリスマス
百貨店の
ショーウィンドウは
クリスマスのオブジェが
とても綺麗でステキ
見ているだけでも
楽しくて
そして、思い出す
幼少の頃の
米軍基地でのクリスマスを
仲良しのマージーの家の
大きなクリスマスツリー
日本では見た事もない
綺麗なものが沢山
飾りつけられて
1つ1つが輝いて✨
クリスマスツリーの下には
赤や緑、いろんな色の紙に
包まれて大きなリボンが
かけられた
プレゼントがいっぱい
置いてあった
マージーのマミィから
私へもクリスマス
プレゼントが用意してあり
赤くキラキラした紙と
大きな赤いリボンを
丁寧にほどき
大きな箱を開けると
生まれて初めての
バービー人形
ドレスやハイヒールが
たくさんセットになって
入っていた
どんなに
嬉しかったことか…と
思い出すたびに
嬉しさが込み上げて
涙が出てしまう
アメリカの人が
日本人の子を
我が子と同じように
いつも愛してくれた
マージーのマミィ
仲良くしてくれた
優しいマージー
私は両親に御礼を言いたい
米軍基地での環境を
与えてくれたこと
私にはとても必要だったと
大人になった今も
思っています
**
今年のクリスマスは
一人じゃない…と
思うとそれだけで嬉しくて
そんな
クリスマスも近いある日
Mくんから電話があり
急いで会いたいと言う…
いつもの優しい声では
ない…
私は不安になり
待ち合わせの時間までが
とても長く感じられた
頼んだココアが冷めていた
**
喫茶店のカウベルが
鳴った
Mくんは冷たい空気と
一緒に入って来て
「待たせたかな?」と
言いながら座った
私は
「ううん、今来たばかりよ」
平気そうな顔をして
そう嘘をついた
彼は珈琲を頼むとすぐに
「なんで言わなかったの?」
といきなり言いました
私は、わけが分からず
「なんのこと?」と
聞きました
すると
彼は胸のポケットから
取り出したものを
テーブルの上に置いて
「この写真、
持っていた人のこと。
京子ちゃんすごくいやな思い
したんじゃないかって
R先輩が心配して」
テーブルの上に置かれた
その写真は
友だちのアルバイト先の
友だちT子さんが
持っていた
写真と同じでした
私は何と言っていいのか
分からなくて
伝えようもなかったと
言いました
彼は
「あの人に何か、いやなこと
言われたんじゃない?」と
聞きましたが
それこそ
自分の口からは言いにくい
ことだから…
下を向いて首を横に振るしか
ありませんでした
彼は
「あの人は
自分とは何の関係もない。
だから京子ちゃんが
いやな思いをしては
いけないんだ」
そう言いました…
つづく
・**・*・*・*・**・
あなた白くて綺麗ね
あら、あなたこそ
輝いてとても綺麗よ
(=´∀`)人(*'▽'*)人(´∀`=)
花たちの楽しい会話が
聞こえてきそうです
♡
♡
♡
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生
コイバナ
恋花
「初めてのデート」
私の手のひらに
そっと置かれたのは
白い水中花
でした
「あ、水中花!
白いお花とっても嬉しい!
ありがとう」
私は、驚きながら嬉しくて
こんな風に言ったと
思います
すると彼は満面の笑みで
もう片方のポケットから
また何か取り出すと
「もう1つあるんだ」
そう言って
私の手のひらの
白い水中花に重ねて
置きました
少し小さな
白い水中花でした
そして
こう言いました
「色んな花があって
迷ったんだけど
京子ちゃんを思うと
白い花
そんな感じがするから」
私は
とても嬉しかった
あの人混みの中で
お店を見つけてくれて
私を思って
選んで買ってくれた
きっと
どの色にしようか
京子ちゃん喜んでくれるかな
そう思って大切な時間を
使ってくれたのね…
玄関先、小さな声で
話しているけれど
愛犬のバニーちゃんが
気付いて吠え始めた
すると彼は急いで
「そんなに喜んでもらえて
本当に良かった!
じゃあ、また明日、
初めてのデートだよね!」
そう言うと
「おやすみ!」と言って
優しい笑顔を残し
走って行きました
彼は
ニ軒先の角を曲がる前に
振り向いて
まだ私が見ていることを知り
手を振りました
**
私の机の上に置いた
白い水中花
少し大きな白い花と
少し小さな白い花とが
水に揺れながら
ゆっくりゆっくり
花を開いてゆく
まるで
少し大きな花がMくん
少し小さな花が私みたい
仲良く花開く様子を
微笑ましく
とても嬉しく
時の経つのも忘れて
じっと眺めていました
**
次の日、日曜日
約束の時間に
駅で待ち合わせ
サークル活動で会っていても
2人のデートは初めて
彼は先に来ていて
「おはよう!」と
明るい笑顔で迎えてくれた
「昨日はありがとう
2つの白い水中花
綺麗に仲良く
花を開いてくれたの」
私も笑顔でそう言う
彼は「良かった!
京子ちゃんが嬉しいと
自分もすごく嬉しい!」
いつも
そう言ってくれる彼
そして
「今日は映画を観て
バンドの皆んなと時々行く
フォーク喫茶に
一緒に行きたいと思ってる
どうかな?」と彼は
楽しそうに聞きました
私「うん!すごく楽しみ」
と言いました
**
博多中洲の映画館
洋画、邦画
沢山のポスターが貼られ
大きな看板は
まだ手描きでした
今では
とても信じられませんね
2人でどの映画を観ようと
見ていると
Mくんが「卒業」どうかな
サイモン&ガーファンクルの
サウンド・オブ・サイレンス
挿入歌だよ
主役は
ダスティン・ホフマン
その映画に決めて
飲み物とポップコーンを
買って映画館に入り
ました
優秀な青年の苦悩と心の葛藤
恋に気付き
純愛を貫くことが
出来るか…
私はドキドキしながら
観ておりましたら
隣りでスースーと寝息…
昨日、秋まつりで
あの人混みの中を
私のために水中花を探して
とても疲れたのね…と
思いました
クーラーが効いていて
腕を組んで眠っていたので
そっとハンカチを掛け
ました
彼が言っていたように
いくつかの
挿入歌もとても素敵で
とても心に残る映画となり
ました
彼は途中で目が覚めた様で
映画館を出てから
照れながら「ありがとう」
とハンカチを返して
くれました
**
それから歩いて
天神にある彼の好きな
フォーク喫茶「照和」に
行きました
甲斐よしひろさん
チューリップ
海援隊
長渕剛さんなどを
生んだライブハウスでした
彼は「ここでライブを
させてもらうのは
凄く難しいんだよ。」
いろいろな事を
目を輝やかせながら
楽しそうに話してくれます
彼のおすすめの
「エビピラフ」を
食べました
私は、気付きました
「彼が嬉しそうで
楽しそうにしていると
私もとっても嬉しい」と。
彼は
まつげがとても長くて
二重まぶたの綺麗な目が
話しながら時々パチパチと
瞬きをするところ
なんだか可愛いなとも
気付いた
初めてのデートでした
つづく
・**・*・*・*・**・
ひゃくにちそう
百日草
(ジニア)
花の中心にある
黄色のもう1つの花
筒状花
昼咲き月見草
柔らかな色の4枚の花びら
細く十字の形をした
めしべ
優しいクリーム色の
おしべ
昼咲き月見草が
「私も百日草のように
立派な筒状花をもった
綺麗な花になれるかな…」
花は
人間みたいに
そんな事は思わない。
自分に与えられた
力の全てを尽くして
懸命に生きる
だから
どの花もとても美しく
とても愛おしい存在に
なれる…と思う
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生
コイバナ
恋花
「白い水中花」
秋まつり賑わう通り
人の波に押されながら
「大丈夫?!」
「うん…ありがとう」
Mくんの手のぬくもりを
初めて知りました…
しばらく黙って歩いて
いましたが
Mくんに何か見たいもの
ないの?と聞かれて
私は
「水中花が見たいの」と
答えました
Mくんは
「えっ?!なに?」
賑やかで聞こえない様で
耳を傾けてそう言いました
私はもう一度
「水中花が見たいの!」と
もう少し大きな声で
言いました
Mくんは
「すいちゅう…何?」
私
「すいちゅうか!」
Mくん
「すいちゅうか?
それ何?」
私
「水の中で開く花なの」
Mくん
「ああ!薄い紙みたいなので
出来てる花
あれ、すいちゅうかって
言うんだね
うちにもあるよ」
こんな感じで話していると
背中をトントンされて
サークルの友だちが
「リーダーが左の休憩所に
行くよ、って」
と伝えてくれました
人混みをかき分ける様に
休憩所に向かうと
最初は皆んなで一緒に
歩いていたのに
徐々にばらばらに
なってしまっていたようで
集まるのに少し時間が
かかりました
参道に並ぶ700店もの露店
1週間で100万人を超える
大きな秋まつり
スマホもない時代
はぐれると大変です
みんなを待つ間
女の子たちは
楽しくおしゃべりして
います
しばらくして
サークルのリーダーが
「1番混む所を抜け出たから
これからは
それぞれ自由に見て回ろう
10時に駅集合!」
と言いました
サークルで仲良しの
女の子たち6人
「京子ちゃん行こう!」と
言ってくれたので
私はそっとMくんを
見ました
するとMくんも
私を見てくれていて
目が合うと
にっこりとうなずいて
くれました
沢山の露店を見てまわり
途中でカキ氷を食べたり
焼き立ての
梅ヶ枝餅うめがえもちを
食べたり
気が付くと
おしゃべりしながら
食べてばかり
いました
私の見たかった水中花の
お店は分からずに
とても残念でしたが
集合時間も近いことから
「今年は諦めよう…」と
思いました
でも、皆んなで賑わう
秋まつりは
とっても楽しかったと
思いました
駅に着くと既にリーダーや
他の人たちも数人
集まっていて
MくんもRくんたちと
楽しそうに話をして
いました
全員が集合して
電車に乗り込みます
みんなが座席に着くと
リーダーが
「ビールでも飲みたい所だが
帰り着くまで
がまんしてくれよ
特にSとYは
隠れて飲むなよ〜!」と
また楽しいことを言って
皆んなを
笑顔にしてくれます
私の隣りに座っている
密かにリーダーに憧れる
友だちはにこにこと
リーダーを見ています
海のゴミ拾い
公民館の掃除
野良猫、野良犬の
里親探し
夏休み冬休み小学生の
レクレーション等々
18才–25才までの独身で
(学生、社会人)
ボランティア活動に
喜んで参加している人たち
私はこのサークルの
メンバーが大好きでした
私はここで
人の優しさや思いやり
喜びも悲しみも分け合う絆
与える幸せなど
学んだように思います
**
駅に着きました
家まではMくんが歩いて
送ってくれました
何を話したのかは
覚えていませんけれど
きっと
楽しいこといっぱい
話したのだと思います
もうすぐ私の家と
いう所で
「水中花の店、見つけた?」
とMくんが聞きました
私は
お店を見つけられずに
水中花は見られなかったと
言いました
すると
「そうか…残念だったね…」
と言いながら
ポケットから何か取り出すと
手をグーにして
「はい。プレゼント。
手を出して」
Mくんはいたずらっぽく
笑っています
私の手のひらに
置かれたものは
「白い水中花」でした
つづく
・**・*・*・*・**・
彼岸花
しろばなまんじゅしゃげ
(白花曼珠沙華)
花言葉
思うは
あなたひとり
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° 🤍 °.+**
恋は一瞬
愛は一生

