黄緑色の実
緑色の実
藍色の実
空色の実
紫色の実
赤紫色の実
桃色の実
白色の実
夏に
薄緑色の小さな花を咲かせ
秋に
美しい彩りの実をつける
一つの枝に
こんなにもたくさんの色で
美しく装う実は
他にはないように
思います
この美しい実をつける
野ぶどうを
東北地方では
めくらぶどう
とも言うのですね
宮沢賢治著書
『めくらぶどうと虹』
という童話を
ご存知でしょうか。
私が大切にしている
絵本の一つです
美しい表紙
ページを開くごとに
さらに挿絵の美しさにも
心がおどります
城あとの
おおばこの実は結び
赤つめ草の花は枯れて
焦茶色になり
畑の粟は刈られました
「刈られたぞ。」
と言いながら
いっぺんちょっと
顔を出した野鼠が
また急いで穴へ
ひっこみました
崖やほりには
まばゆい
銀のすすきの穂が
いちめん風に
波立っています
その城あとのまん中に
小さな四つ角山があって
上のやぶには
めくらぶどうの実が
虹のように
熟れていました
さて
かすかな かすかな
日照り雨が降りましたので
草はきらきら光り
向こうの山は
暗くなりました
その
かすかな かすかな
日照り雨が
霽れましたので
草はきらきら光り
向こうの山は明るくなって
たいへんまぶしそうに
笑っています
そっちの方から
もずが
まるで音譜を
ばらばらにして
ふりまいたように
飛んで来て
みんな一度に
銀のすすきの穂に
とまりました
めくらぶどうは感激して
すきとおった深い息をつき
葉から雫を
ぽたぽたこぼしました
・
・
・
今日こそ
ただの一言でも
虹と
ことばをかわしたい
・
・
・
空に架かる虹を敬う
めくらぶどうと
やさしい虹との
穏やかな言葉で語られる
美しい童話は
このように始まります
十一月に入り
寒い日が続いていますが
今日、明日と
寒さが和らぐようですね
皆様
ご無理ありませんよう
お身体
おいとい下さいませ。
女は花であれ
賢く優しい花となれ
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