コイバナ
恋花

「彼と無口な父との約束」



かわいい目撃者の
彼女の瞳はキラキラと
とても綺麗に輝いて
いました*♡*



彼からの電話の時に
その事を話すと
「じゃあ、その子の為にも
手をつないでおけば
良かったなぁ」
と笑って言いました

ゥフフ(*´꒳`*)






彼が私の父と
とても親しくなっていた事を
私は知りませんでした


私の父とは
結婚の申し込みに行きたいと
彼が言ってくれた時に
初めて会ってもらいました
(両親の離婚により父と母に
別々に会いました)


父は母と離婚後
父が建てた家を出て
父の母(私の祖母)と
一緒に暮らして
いました


父は真面目で無口で
仕事ひと筋の人でしたから
決して楽しい人とは
言えなかったと思います


でも彼はそんな父にも
帰って来る時には
父の家に必ず寄ってくれて
いたらしく


父が居ない時には祖母に
お土産を渡して
祖母と話しお茶を飲んでから
帰って行ったそうです


結婚直前になって
父からその事を聞きました


彼と無口な父は
一体どんな話しを
していたのでしょう


私は不思議に思いながらも
とても嬉しくて
彼に心から感謝しました


ある時、彼に言いました
「帰省するたびに遠いのに
必ず父に会いに行って
くれているって…
本当にありがとう」


彼は
「お父さんから聞いたのか…
京子ちゃんの
大切なお父さんだから」と
言いました


私は
「そんな気持ちでいてくれて
本当に嬉しい…」
そう言うと涙が込み上げて
言葉に詰まりました


すると彼は
「お父さんは凄いなって
本当に思うんだよ。
起業して特許も取得して
アメリカと日本を行き来して
立派な家も建てて
お母さんと京子ちゃんを
守って来たんだよ。


こうして
口で言うほど簡単に出来る事
じゃ決してないと思う。


だからお母さんと離婚した事
本当に残念に思う…」


私は溢れる涙を
ハンカチで押さえながら
うん、うん、と頷いて
いました


そして
「だから、俺は約束した。
京子ちゃんの思う
幸せな家庭を
必ず築けるようにします。
って
そしたら、お父さんが
君に会えて京子は幸せ者だ
と、言って下さったんだ」


彼はとても嬉しそうに
そう言いました


私の知らないところで
彼と無口な父との約束が
こんな風に
交わされていた事を知り
とても嬉しく
とても幸せに思いました




それから長い長い時が経ち
父は認知症になりましたが
彼のことは一度も忘れずに
自分の本当の息子のように
名前を呼び捨てにして
お見舞いに行くたびに
笑顔でハグしていました

認知症になった父は
なぜか英語でだけしか
話しませんでした


彼は父と話すために
英会話のレッスンも受けて
いました


私はそこまでしなくても
と思いましたが…


なんて優しい素敵な人
なのでしょう


結婚前の私には
そんな事を想像も出来ず
こうして多くの事が
未来に待っているのでした





つづく





**・*・*・*・*・**


言葉が少なくて

思いが通じない事も

あるかも知れない。

でも

「分かってくれているはず」

とは思わないで

相手を思って言葉を尽くすと

相手への深い思いやりに

なるかも知れないね**♡








女はであれ
賢く優しいとなれ

*+.° ♡ °.+*










一瞬


一生