コイバナ
恋花

「かわいい目撃者」




高校の同窓会で
K代さんから言われた言葉に
私は動揺する事もなく
返って良かったと思いました


たとえ
10番目でも50番目でも
私が最後の人なら
とても嬉しいと思いました


電話から聞こえてくる
彼の明るい声に


思わず
「大好きよ」
言ってしまいました



彼は一瞬黙っていました
そして
「なに?もう一度言って」と
言いました


私は
うふふと笑って
「気にしないで」
言いました


彼は
「めったに聞けない言葉
もう一度聞きたかったな」と
笑って言いました






午後から友だちと
美術館に行きました


観覧を終え美術館の外で
友だちと話していると


「せんせい?」と言う声が
聞こえました
私も友だちも先生ではない
ので話しを続けていました


すると又
「せんせい!」と言う声が
しました


声の方を見ると
にこにこと笑っている
セーラー服姿の女子高生が
3人こちらを見ています


私は友だちの知り合いだと
思って友だちを見ました
友だちは私を見ています


すると

「やっぱり、先生だ」と
1人の女の子が私を見て
言いました


よく見ると
見覚えのある女の子です
そして「あっ」と
思い出しました


私が学生の時に
教育実習で行った中学校の
当時1年生の生徒でした


私は
「まあ!素敵な女子高生に
なってて
気付かなかったわ!」と
言いました


3人の内の
声を掛けてくれた1人が
私の授業を受けていて
昼休みにも職員室に来て
おしゃべりしていた
とても明るい元気な子でした


その彼女が
「先生、夏に見たんですよ」
と楽しげに言います


私は「なにを?」と
聞きました


彼女は
「先生に声を掛けようと
思ったけど
男の人と楽しそうに
話してたから
お邪魔かなと思ってやめたの」
と言いました


私は彼と一緒にいた時の事
だと分かりました

「そうだったの?
優しいお気遣いを
ありがとうね」と
言うと一緒に笑いました


すると彼女は
「男の人、
すごくカッコ良かったよ
先生の彼氏?恋人?
結婚するの?」と
目を輝かせながら
矢継ぎ早に聞きました


私は
「あなたの思っている通りよ」
と答えました


すると
「キャーーー!」と
この時まさに女子高生らしい
黄色い歓声を上げてくれ
ました


そして「それなら
手を繋ぐとか腕を組むとか
すればいいのにー」と
言いました


するとそばに居る
2人の女子高生も
それを聞いて
「キャーーー!」と
黄色い歓声を上げました


私と一緒にいた友だちも
楽しげに笑っています


私は心の中で
私と彼のデート現場の
なんて「かわいい目撃者」
なのだろうと

とても嬉しく思いました






つづく






**・*・*・*・*・**


恋の話しになると

とても明るく元気な歓声を

上げるのよ

わたしたち

\(//∇//)\キャーーー♡




女はであれ
賢く優しいとなれ

**+.° ♡ °.+**











一瞬


一生