すっかり更新ごぶさたしていましたが、イギリスに行ってきました。イギリス、ロンドンは仕事にてちょくちょく
足を運びますが、今回は少しだけ仕事、後はイギリス南西の端にある海辺の街セント・アイブスに滞在してきました。少しこの旅の話をしたいと思います。
ロンドンより車でも列車でも6~7時間はかかるコーンウォール州にあるこの静かな街、セント・アイブスはその昔は小さな漁村でした。都会の喧噪から遠く離れたこの辺鄙な漁村が有名になったのはこの街に移り住んだ芸術家達のおかげでもあります。バーバラ・ヘップワース、ベン・ニコルソンなどの近代彫刻家や画家はこの地にスタジオを構えて制作に集中しました。特にヘップワースのスタジオは庭も彼女の住んでいた頃を彷彿とさせる小さな楽園とです。
また日本でも有名な民芸の親とも言える濱田庄治はこのセントアイブスに窯を構えたバーナード・リーチを訪ねてこの地の果てまで辿り着き焼き物制作を営みました。この工房は今ではリーチポタリーとして生まれ変わり陶芸家達の制作の場を提供しています。
そんな日本ともかなり関係の深いこの街、つい先日には焼き物の街として名高い益子市も姉妹都市提携を
実現させました。
20年前には現代美術の伝導であるテイト美術館のセントアイブス館もでき、テイトセントアイブスを訪れる
観光客も近年数万人の単位で人気を博しています。
こんなに交通の不便な街にたくさんの観光客が訪れるもうひとつの理由はその海と空に囲まれた景色の美しさがあると思います。黄色がかった白浜と透き通った海の水、黒っぽい岩場、人の手があまり加わっていない荒々しい自然。今年の夏は気候があまりよくなかったので海水浴をする人達の数はそう多くなかったでしょうが、海岸線を散歩するだけでも気持ちよいところです。
そしてこのコーニッシュ地方にて有名なのは塩気の肉のパイ、コーニッシュ・パイ、そしてコロテットクリームとジャムをつけて食べるスコーンでしょう。暖かいほかほかしたスコーンを半分に割って、そこのイチゴ・ジャムとねっとりとこくのあるクロテットクリームをのせて、紅茶を片手に頂くのはまさに英国のアフタヌーンティーの定番とも言えます。
ケルト海の大海原の地平線の彼方に広がる海、その頭上の無限なる空と雲、そして白いカモメ。
イタリアの地中海の太陽さんさんの海とひと味違った北方ヨーロッパの寂とした海の風景にあらたな感動を覚えました。