<問題>

腫瘍が脊椎に転移し、下肢が完全麻痺となった患者が、正確な病状の説明を受けた後にも

「いつになったら歩けるようになりますか?」

と聞いてきた場合、その患者は理解が低下していると考える

 

 

<正解> ×

 

<解説>うまく理解されていない可能性の他に心理的防衛機制としての否認(希望)が考えられる。

自分の心を無意識に守ろうとするための言動であり、理解不足を非難したり安易に修正を図らず、いったんは受け入れつつ、穏やかな直面化を図るべき。

 

 

 

 

 緩和医療のコミュニケーションに関するインターネット研修で、たまたまこんな問題が出てきました。

 

がんの脊椎転移で完全麻痺となって時間が経過してしまうと、回復する可能性はほとんどありません。

それを受け止めること。どれほど大変でしょうか。

 

 

2019年2月末。

母は左股関節に対して放射線治療を開始したものの、症状は良くならず、

左足全体の痺れや痛み、感覚・筋力の低下が出てきており、

左太ももから指先まで全体が痺れ、靴を履いているかも分からない状態だったようです。

 

主治医が緩和ケアの医師に相談したところ、

脊柱管圧迫の症状かもしれないのでMRIでの評価が必要との助言を受け、

胸椎下部から腰部のMRIを撮っています。

左仙骨神経孔という部分に癌が浸潤して神経を圧迫していることが分かり、整形外科の医師もそれが左足の感覚障害、疼痛の原因となっている可能性が高いとの診断で、

股関節に続いて、その部位に放射線治療を開始することになりました。

 

 

2019年3月 左仙骨孔部の神経圧迫症状に対する緩和照射開始。