Headquarters Super Deluxe Edition liner notes (2022)

The Monkees' Musical Honeymoon: The Making Of Headquarters

by Andrew Sandoval

多少、不完全ではあったが、表面上は誰もが望むものを手にした。モンキーズの3枚目のシングルは用意できたし、バンドも休暇がとれたのだから。英国では、ドレンツとネスミスがビートルズに歓迎され、それぞれがマッカートニーとレノンの家に招待された。この驚くべき仲間意識の成果はわずか1ヶ月後に現れた、誰も演奏していないB面だったとしても。彼はスクリーン・ジェムズを巡り、彼が選んだマスター・テープ、"A Little Bit Me, A Little Bit You" と "She Hangs Out" をモンキーズのレコードの製造会社 RCA へ直接手渡した。

 

スクリーン・ジェムズの彼の上司がそうじゃないと言っていたにも関わらず、カーシュナーは強引にこのレコードの発売を進めた。RCAのカーシュナー担当ノーマン・ラクシンが当時の事を語る、「この時期はかなり緊張していました。問題をきちんと解決する為に必要な事は何であろうとやらなくてはならない、とドニーは言っていましたが、RCAに対して訴訟を起こす可能性さえあったんです。その時点で本当にたくさん電話がかかってきていました」。

 

大西洋の反対側では、英国のメディアがドレンツにレコーディング・アーチストとしてのグループの状況について質問していた。ドレンツは「メロディー・メーカー」誌にこう答えている、「僕たちは今までのやり方に満足していなかった、でも今は全ての演奏を自分たちでやる事にこだわっている。僕たちは1年前から演奏するグループだったけど、リハーサルの時間がないからまだ準備できてないって言われたんだ」。また彼は「ディスク&ミュージック・エコー」誌に「実は今、転換の真っ最中なんだ。レコーディング・セッションも意図的に欠席した。アレンジに不満があったし、すごく疲れているんだ」と語っている。