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あれこれ帰化植物-ameba-

栽培植物についての観察日誌


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ユリというものは種から育てると開花までに非常に長い年月を要する。このためユリを育てようと思ったら球根を買うかもらってくるのが普通だ。ところがタカサゴユリはユリのくせに種で繁殖するといわれる。さらに種でも開花までの期間は非常に短い(場合によっては1年以内)といわれている。


昨年、タカサゴユリの種による栽培を開始したとき、どれだけ成長が早いのだろうと期待していた。ところが早晩、壁にぶちあたってしまった。確かに種からの発芽率は高く、糸のような芽はすぐにでてくる。そして数ヶ月もすれば左の写真のような大きさにまではすぐなるだが、そこからが成長がとてつもなく遅いのだ。


これは育て方が悪いか、もしくは園芸用でない野生のユリだから素人が育てるのはいろいろと条件的に難しいのかもしれないと思った。ただよくよく観察してみるに、栽培条件でわずかではあるが生育に違いがあることも分かってきた。まず最初に分かってきたことは①日なたに比べて日陰のほうが葉の生育がよい②鉢は深いほうが生育がよいという2点だ。


ただしこの2点を結論づけてしまうには少し疑問が残った。なぜなら②の土が深いところを好むのは分かるにしても、野生状態のタカサゴユリは日陰でも日なたでも元気よく生育している。さらに野生のタカサゴユリを観察してみるとその生態にもかなりの疑問がでてきた。タカサゴユリはよく見られる典型的な雑草、セイタカアワダチソウやヒメムカシヨモギとまったく同じ生活圏で生育している。つまりタカサゴユリは雑草と一緒に生える雑草化したユリなのだ。雑草がどんな特徴をもっているか考えてみると1.肥料分のない痩せ地で生育している。2.強健な特徴を生かして太陽光で得たエネルギーで成育し立派な花は咲かないがそのかわり大量の種子を飛ばすということだろう。


肥料分のない痩せ地で育つならば太陽光がない日陰は栄養分がさらに枯渇しますます生育がしにくくなるのではないか。さらにタカサゴユリの葉はきわめて細く、太陽光を効率的に吸収するには適さない形をしている。さらに不利な条件は続く。タカサゴユリほど大輪の花を咲かせるのはこれほど雑草にとって不利なことはない。なぜならば大きな花を咲かせるのにはかなりのエネルギーが必要になるからだ。だからたいていの痩せた土地に育つ雑草は大きな花など咲かない。


この2つの雑草の特徴を考えた場合、ユリであること自体が著しく不利なように思える。そもそもユリが雑草化できるはずがないと思えてくる。


このユリはもしかしたら特殊なユリで雑草に覆いつくされた荒地でも育っていることから他の雑草の茎や根に寄生して養分を吸収しているのではないかと考えたこともあった。しかし、道路わきで単独で生育しているタカサゴユリもあり、まずこの可能性はない。ただ栽培しているタカサゴユリはほとんど成長が止まっているが枯れもしない。半年たってほりあげてみてもうひとつの仮説を思いついた。


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タカサゴユリの球根が数ヶ月前に比べてかなり大きくなっていた。数ヶ月前も地上部は同じ大きさだが球根らしきものはできていなかった。成長して花を咲かせるぐらいに育ったタカサゴユリの球根も見たことはあるが、これはかなり小さかった。たぶん写真のものと同じくらいだった。


このことから考えたのがタカサゴユリはハイブリッドカーのように球根をエネルギーを取り出したりためたりするバッテリーのように使っているのではないかということだ。日なたに出すと成長が止まり、日陰で少しよくなるのは実は日なたにいるときは太陽エネルギーをせっせと球根にしまっておいてそのせいで地上部は生育が悪いように見えたのではないか。日陰で生育がよいように見えるのは、少しでも多く日光を得るために葉を発達させるためではないかということだ。そして生育が悪くとまったように見えるタカサゴユリも、球根に栄養をたっぷりとためこんでいるから時期がくればあっというまに大きくなれる。そして成長しきったタカサゴユリは花芽の成長に球根のエネルギーを使ったために球根が小さくなっているということだ。


このことはタカサゴユリの生育時期を照らして考えてみるとより裏付けられる。タカサゴユリの種の拡散は11月。12月に発芽するとすると周囲には競合する雑草はほとんど生えていない。このとき地面には太陽をさえぎるものは何もないため、タカサゴユリは太陽光エネルギーを球根にためこむことができる。4月に他の雑草が伸びてきてタカサゴユリは他の植物に覆われて日陰になってしまうだろう。このときが垂直に茎をのばすシグナルになっている。タカサゴユリは日陰になると球根のエネルギーを使って地上部を一気に発達させる。雑草群から頭ひとつ抜け出して太陽光を受けることができるのに加え球根のエネルギーを使うというアドバンテージがあるため、太陽光を吸収しつつ成長している他の雑草よりはるかに早く成育しさらに日光を得ることができる。そして最後に全てのエネルギーを使って大きな花を咲かせるということだ。


以上から考えるとタカサゴユリの理想的な育て方はとにかく、発芽後はがんがん日光にあてたほうがよい。数ヶ月して球根が十分な大きさになったら日陰にうつす。そうするとこんどは球根のエネルギーをつかって最速で花を咲かせるはずだ。肥料はどうだとか球根の理想的な大きさとかはまだまだこれからです。


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ガウラは、北アメリカ原産の帰化植物である。植え込みやちょっとした公園、植物園などには必ずある。長細い枝に花がついて、それが風にゆれるのが蝶が飛ぶように見える白蝶草とも言われ、桃の花に見立てて山桃草ともいわれ、とにかく名前がやたら多い。

弱弱しく見えるが性質は極めて強健。夏の暑さで枯れることはまずない。こぼれ種でよく増え、東京では邪魔者扱いされているらしいが、今期採取した種はまだ発芽していない。やっぱり秋植えはよくないのかもしれない。来春にまた挑戦する予定。また多年生の宿根草なのでこの株もまだまだ寿命が残っているはずなので冬越しもさせる予定。





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今日、全国に野生化している外来魚のブルーギルは、実は1960年に昭和天皇がシカゴ市から貰い受けたたった15匹の子孫であることがわかったというニュースがあった。

鮎の放流にせよサケにせよ、繁殖させるためには結構大きな集団を放流しなければならないと考えてしまうが、こういう話は実は繁殖力が強い生物に限られるものではない。



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左は人間の集団に見られる遺伝的浮動という現象を表した図である。ある孤立した人間の集団があった場合、生殖の成功がむしろ多様性の減少につながる傾向を示すものであり、(黒で強調されている)この図では16世代をたどると全員が同じ祖先をもつ。


つまり何世代か前に生きた多くの人は現在にほとんど遺伝子を残していないということになる。

このことは、チンギスハーンの子孫が現在世界にはすでに1000万人を超える数にのぼることなどで証明されていもいる。


社会では弱者への配慮は重要なことだが、反面遺伝子は常に強烈な淘汰圧にさらされているということもできるだろう。たとえば、人間はたった2000世代をさかのぼるとただ一組の祖先、つまりアダムとイブまでさかのぼることができる。この2000世代前のおよそ20万年前には、数種の人間、ホモ・エレクトス(北京原人、ジャワ原人など)、ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)が存在したことが分かっているが、これら別種の人間とも我々人類は交配し子供が生まれていたことは有力な説になっている。ところが、ネアンデルタール人もホモ・エレクトスの遺伝子も現代の人間にはひとかけらも残っていない。これはこの遺伝的浮動による厳しい遺伝子の淘汰圧のせいなのである。


そうなると、今生きている人間も1000年前は有力な平安貴族であろうし、もっとさかのぼれば貴族どころではなく大和朝廷、百済、新羅、加羅、などの王族の末裔であるとも考えられるだろう。よくある古の王家の血を引き継ぐものが救世主となるという言い伝えは実は誰にでもあてはまる。われわれ全員が王家の紋章を引き継ぐ者なのである。