セイタカアワダチソウは帰化植物のうちもっとも代表的な「嫌われもの」植物である。その異常な増殖能力から伐採駆除の対象となって久しい。それだけにこの植物に関する情報も潤沢である。
この植物は明治時代後期に観賞用の植物としてアメリカから持ち込まれた。爆発的に増殖を始めたのは1970年代になってからだといわれている。この植物の増殖能力はこの植物の持っている強健性だけにとどまらない。
①セイタカアワダチソウの根は深く地下50cmの栄養分まで吸収することが可能。このため、従来の日本の植物が利用できなかった栄養分を使って最大で高さ3M以上にまで成長することができた。
②増殖は種子の散布のみならず、地下茎から無限に増殖する多年性植物である。このため地上部の刈り取りはほとんど意味をなさない。
③セイタカアワダチソウは根から他の植物の種子の発芽抑制作用をもつ化学物質を放出する。このため競合するススキなどの発芽を抑え、セイタカアワダチソウだけが大繁茂する仕組みをもっている。
と恐ろしい能力をもつこの植物だが、利用方法も幅広い。他の植物の発芽抑制作用をもつことから除草剤へ応用されたり、ハチミツを作るための蜜源植物としてレンゲの減少を補ったり、荒地の緑化、特に深く根をはることから土砂の流出の防止などに一役かっている。が、いかんせんイメージが悪すぎて大々的に使っている機関などは存在しない。
左の写真は中央は昨年のセイタカアワダチソウが生えていた場所。春が近づくとあちこちから芽が吹き出してきている。そしてセイタカアワダチソウのいるこの植木鉢は発芽抑制作用によって他の雑草の発芽は全くみられない。
この植物の大きな特徴というか力の源はやはり根にあるのだと思う。セイタカアワダチソウの地上部を切って花瓶にさしていたら、3本中2本はすぐにしおれて枯れてしまった。残り1本は発根するにはしたが、植木鉢に移し変えてもその後の生育は悪く、結局開花にはいたらなかった。ハーブでよく食べられるクレソンなどは葉っぱの一部でも残っているとすぐに再生して増殖を始めるというが、この植物はそういう系統の植物ではないらしい。
セイタカアワダチソウは、地上部の華やかな黄色い花と群生しているさまに目を奪われがちだが、そこにとらわれていてはならないということだろう。彼らの強みも弱点も地下にあるということだ。


