皆様お久しぶりです。

とうとう9月も一回も更新しなかったForlyです。

ほぼ月刊ブログどころか、隔月刊ブログとかしていますが・・・まあ、気にしない方向で。いや、そこは気にしよう。

というわけで、相変わらず書きたいネタは色々あるんですが、とりあえず、9月の読書メーターまとめで。

やっぱりAmeba投稿の初ネタがフルメタネタだったので、フルメタシリーズ新刊の感想はブログにまとめざるを得ないでしょう。

というわけで、9月の読書メーターまとめです。


9月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:773ページ
ナイス数:1ナイス

フルメタル・パニック! アナザー1 (富士見ファンタジア文庫)フルメタル・パニック! アナザー1 (富士見ファンタジア文庫)
原作がこの手の作品の金字塔なだけに、ファンの誰もが恐る恐る手に取ったであろう、本作。でも、内容は本当に真っ当な面白い作品でした。原作の雰囲気・・・というかテイストは十二分に生かされています。そういった「味」の部分は、大黒先生がフルメタファン、賀東先生の監修ってことが生きているんだと思います。原作は「傭兵の世界で過ごしてきた主人公が日本の高校に転入」からスタートしてますが、本作はその逆、「普通に日本で過ごしてきた男の子が傭兵の世界に転職」から始まっているところもスピンアウトの世界観設定としては面白いですね。
読了日:09月28日 著者:大黒 尚人


フルメタル・パニック!  マジで危ない九死に一生? (富士見ファンタジア文庫)フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生? (富士見ファンタジア文庫)
久しぶりの短編集にして最後の短編集。本編が後半怒濤の展開だったので、懐かしい雰囲気です。 やっぱり、完結後の発売なので、最後に収録された「その後」を描いたテッサ、アル、姉さんのお話が読んでいてニヤニヤしました。 特に、アルのあの形での登場は個人的にも嬉しかったですね。うん、あと、やっぱりテッサは幸せになって欲しいなぁ・・・ サイドアームズでは無理だと思いますし、賀東先生も書かないとは思いますが、ロニーと宗介の対面とかも見てみたいです。ロニー、せめてアナザーにでないかなぁ・・・
読了日:09月25日 著者:賀東 招二


少女不十分 (講談社ノベルス)少女不十分 (講談社ノベルス)
西尾維新の、ある意味西尾維新的な部分を漉き取った作品。読み始めるときはなかなか入っていけない感じがしますが(物語としての起伏がほぼ0なので)、中盤からの展開は「やっと」話が動き出すので、段々物語に入っていけます。いや、入っていけるってのは語弊があって、あくまで「読み手」の自分を意識しながら読んでいく感じですが。最終部はこの小説のコピーが何を示しているのか、この作品の意味合いがわかって、まあ、予定調和的な話ですけれど、それをやるために只管冗長な話を展開するのも西尾節。好き嫌いがはっきり分かれるところですね。
読了日:09月07日 著者:西尾 維新

2011年9月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター


※少女不十分の感想が抜けていたので追記しました。(2011-10-02 22:09:32)

以上です。
ではでは。

客先打ち合わせが終わり、マックで遅めの昼ご飯食べてます。

戻ったらもうふた踏ん張りぐらい。

でわでわ。

珍しくAmazonさんが頑張って発売日に届けてくれたので、読みました。

物語シリーズ新刊、「囮物語」。

囮物語 (講談社BOX)/西尾 維新

¥1,365
Amazon.co.jp


さて、最近は書評は読書メーターに書いているので、ブログで記事はかいてませんでしたが、今回どうにも0xFF文字ではちょっと表現しきれない(http://book.akahoshitakuya.com/cmt/11985131)ので、こちらにも書きたいと思います。

囮物語自体の話を書くわけではないので、致命的なネタばれはありませんが、んー、未読の方は読まない方が吉かも知れません。


───


西尾維新の作品を初めて読んだのは、私は化物語でした。

まあ、よくあるアニメからの流入です。

で、うん、はまりました。
はまりまくりました。

もう、通算で何回通しで読み直したか、良く覚えていません。
両手の指の数では、多分足りない気がします。
両足にも応援願って、どうにか、という感じでしょうか。

そこから、片っ端から西尾維新読みました。
購入していないのはJDCトリビュートぐらいかな?

ま、本来30代の男性が填まるようなモノではないはずですが(笑)

そこで一つ思ったのは、『物語シリーズは、西尾維新の作品の中では浮いている』ということです。



戯言・人間シリーズ、きみぼく、りすか、この辺りは、共通の作風がありますよね。

色々ありますが、一番共通なのは、「西尾維新という作家の書いた作品の中で、読者が踊らされ、溺れる、それを気持ちいいと感じる読み手の快感」みたいなものだと思います。

戯言初期やきみぼくの話の、叙述上のトリックとか、そういうものを指しているわけではありません。
(そんなに突拍子もないモノは無いし・・・)

時には一見理路生前を装い、その実荒唐無稽な、設定も破綻しているような物語にも関わらず、なぜか魅力的な文体、そしてお話(ストーリー、問い言い換えるとちょっと語弊がある)に、引きずり込まれてしまうこと、その体験自体にまいってしまうのです。

西尾維新が「中二病万歳の作風」だと思うのは、異能バトルだとか、なんか頭良くてお洒落っぽいセンスがありそうな言葉遊びだとか、そういうのではなくて、それらを要素として前述のその溺れる感覚を提供できる作風だからだと思っています。


俗に中二、って括られちゃう、そういった年頃、あるいはそういった精神年齢の年頃って、自分の中の価値観を形成するために、いろいろな自分の感性に刺激を与えてくれる物に敏感に、そして貪欲になってますから、『なにかに参ってしまう』というのが、もう麻薬的に気持ちいいものだと思うんです。

そこが、西尾維新という作家が支持を集めている所以だと勝手に思っています。


前置きが長くなりましたが、化物語、傷物語、偽物語あたりって、ちょっと違いますよね。

読んでいて単純に面白く、言葉遊びはわかりやすくお洒落で、そして伝奇物としても大きくは外していない。
キャラクターは、全ての登場人物が例外なく良い意味で魅力的。

入りやすく、楽しみやすい。


だから、もともと戯言から入った初期西尾読者は、化物語は若干物足りなかったのではないかと思います。(まよいマイマイのトリックは、わかりやすく西尾らしいですが)
逆に、この作品から西尾維新作品が始まっていれば、「西尾維新」というブランドはこんなに定着していなかったのではないか、とも。

化物語がこれだけいろんな人が手に取るようになったのは、やはり、アニメの力が大きい。

それは、マスが大きいという意味ではなく、アニメ化の手法が「上手かった」からだと思います。

西尾維新の言葉遊びをなるべく省略することなく用い、少し大人っぽい感じのキャラクターをデザインし、そしてストーリーの中核はぶらさないが、なんか意味不明な画面演出は多々交える。

これが、前述した西尾維新としての魅力──本来当初は化物語はそれとはちょっと異質であった物──をうまくアニメにしていました。

だから「参ってしまった」人間が続出した。私のように。私は大人だけれども。


話がそれました。
原作の物語シリーズのことに話を戻します。


で、だからこそ、最初は宣伝文句だよね・・・と思っていた、「化物語は世に出すつもりはなく手遊びで書いた」「作品化するつもりはなく、100%趣味で書いた」って話も、今では、なんというか実は本当の本当は、そうだったのかも。と思ったりします。

彼の、これまでその作風ゆえ評価されてきた他の作品の味わいとは、明らかに異なりますからね。


翻って、物語シリーズ第2シーズン。

猫物語(白)・・・どちらかといえば(黒)もこっちよりだと思いますが。
傾物語
花物語
そして、囮物語。

全ての作品で第一シリーズで培った世界観、キャラクター、そしてシリーズとしての芯となるところを解体して、崩壊させて言っています。

その、第1シーズンを裏返しで見るための、各キャラクター視点。

羽川も、神原も、そしてなにより撫子も。

暦視点・・・というか、わかりやすく正面からの読者視点とは、全然違うストーリーを内包している。

それが、この世界の、裏側。


傾物語は、その裏側のある世界は、これまで見えていた、貴方たちが思っていた世界と違うんだよ?
という話。

怪異が主軸の話である物の、その出てくる世界は地に足の付いた、現実世界。
安心していられる、箱庭的世界。

──ではなく、簡単にタイムパラドックスとかパラレルワールドいうような概念が入ってくる世界。
忍がかけ声ではなく展開によっては人類を滅ぼすとかいう話になるような世界。

話の筋が猫物語から、暦視点の雑談主軸になったのに傾物語読んでいてなんかしっくり来なかった感想をもった人がいるとしたら、多分そこに引っかかっているのだと思います。

そして、囮物語の撫子を見て確信しました。

"第2シーズンは、趣味で書いた物語シリーズを、「西尾維新の作品」として展開している"

もっとも、まあ、私がそういう解釈で得心いっただけで、西尾先生の真意は知りませんよ?


今回の撫子が実は本当にラスボスでした、という話だけでは無く、そこに至るまでの撫子の内面描写、これはもう西尾維新作品における撫子のようなキャラの方程式にそった展開ではないか、と思います。

そしてなにより、撫子と月火の掛け合いのシーン。

維新節全開です。

掛け合いの終わり方なんかも、顕著に。

こういったところが、世界の、キャラクターの、ストーリーのバラバラに、一つずつ崩壊させていく感じ、それが溜まらなく西尾維新です。

だから、第2シーズンは、悪い意味ではなく、趣味ではなく商業ベースの作品だと思います。

そして、これに填まる人も多いでしょう。

一方、「化物語が変な方に向かっていく・・・俺が読みたいのはこんなんじゃない・・・」と感じて、そろそろついて行くのがしんどくなってきている人間も、実は多いんじゃないかと思います。

うーん、化物語、そしてそのアニメ化で広げた間口を自ら狭めてどうするんだ、という気もしますが(笑)、でもそれはそれでいいのかも知れません。
万人に受ける作品は、読者のプライドはくすぐりませんからね。

先に述べた「参ってしまうことの快感」は、非常に卑近な例で言えば「ツツイのブラックなおもしろさが分かる俺カッコイイ」とか「サリンジャーはナイン・ストーリーズだよね」とかいう、リアル中二が陥りそうな、ちょっと恥ずかしい思い込みでさらに増幅される快感だと思うので。


うん、なんか何を主題として書こうとしていたのか分からなくなってきましたが、まあ、つまるところ、西尾維新が今第2シーズンでひろげているこの風呂敷を、一体どうたたむのか、囮物語を読んでより一層興味深くなってきました、というお話でした。


ではでは。