My Dear  25話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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賢治はパンツの後ろポケットからスマホを出すとどっかに連絡してた

「あぁ、社長?言いにくいんだけどさ…。彼女といるとこ写真に撮られた

…。わかったよ、そんなに怒鳴らくてもいいだろ。うん、うん。じゃぁ今からそっち行くから」

私は不安気に賢治のジャケットの袖を握っていたけど会話の様子じゃ

事務所の社長さんは相当怒ってるのがわかった

「私も一緒に行こうか?」

「社長に怒鳴られるだけだぜぇ」

「賢治と付き合ってる事になってるんだもん。いつかは顔をみせとかないと」

私達がそんなやり取りをしていたら、さっき賢治がつかまえてくれたタクシーの運転手さんが

声をかけてきた

「お客さん、乗るの?乗らないの?」

「あっ、乗ります。じゃ、奈々子も来るんだな」

「うん。行く」

私達がタクシーに乗ると賢治が行き先を運転手さんに伝えてくれた

タクシーに乗る事30分

5階立てのビルの前でタクシーは止まった

「じゃ気が進まないけど説教されに行くか」

まるで雑談をしに行くかの様に軽い口調で賢治はビルの中に入って行った

その後ろを慌てて追いかける

警備員さんがいる警備員室を通り過ぎようとすると警備員さんに声をかけられた

「あっ、ちょっと。ここから先は関係者以外立ち入り禁止なんだけど」

「俺、ここの関係者です」

賢治は顔が見える様に警備員さんに顔を近づけた

「こ、これは失礼しました。どうぞ」

警備員さんは私の事を警備員さんは興味深げに見てたけど私はその視線を無視して

賢治の後をついていった

きっと社長さんにこっ酷く怒られるんだろうなぁ