My Dear  6話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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翌朝、起きてリビングに行くと賢治はのんびりとコーヒーを飲んでいた

「賢治、いつまでいるのよ。」

「これ飲んだら帰るよ。」

お母さんは残念そうに、

「もうちょっとゆっくりしていけばいいのに。」

「一応今日はオフになってるけど明後日の歌番組の打ち合わせがあるんです。

だからもう行かなきゃ。また来ます。」

え~っまた来るの?

私は仕事があったから早々に朝食を作り出社した

それでも賢治はまだうちにいた

「打ち合わせとやらがあるのならさっさと帰りなさいよ。」

「分かってるって。」

いつもの様に仕事に出かけ、昼食を社内食堂で食べてたら賢治がテレビに出てた

思わず見てしまったけれど賢治はとんでもない事を言ってくれてた

レポーターからの三谷 恵美との事を聞かれると

「彼女とはただの友達ですよ。それより今、俺には追いかけてる女性がいてね

なかなか振り向いてくれないんです」

その言葉に食いついたのはやっぱりレポーターの人達だった

「それは芸能界の人ですか?一般の人ですか?」

「一般女性です。俺の幼馴染みで最近どうしてるかなぁなんて思ったら気になっちゃって。」

私はお味噌汁を拭き出しそうになった

そんな『幼馴染み』って限定されたら賢治の過去から私の事がバレるじゃないの

一緒にご飯を食べてた歩美は

「どうしたのよ。テレビ見て慌てちゃって。あっもしかして嵐山 賢治のファンとか?」

「そうじゃないけど。」

私はそう言うしかなかった